介護を楽にする福祉車両の選び方

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通院の時の車をどうするか?

 ヤエさんが杖で楽に動けるうちは、通院や買い物の時に福祉車両を考えたことがなかった。 

介護タクシーも、実際に見たり利用したりする経験もなかった。

ヤエさんが83歳で認知症の診断を受けた時は、一点杖でどんどん歩けた。

私はトヨタのパッソに乗っていた。 

ヤエさんの歩行が次第におぼつかなくなる中で、自家用車は何にすべきか漫然とした不安はあった。

介護12年目、ヤエさん95歳、要介護4の時、パッソの買い換えになり、この時初めてパッソの福祉車両を考えた。

パッソの助手席が車外に出るタイプの福祉車両を選ぼうかとギリギリまで迷った。

95歳 要介護4 2015/8/27
通院には車椅子で行っていたが、95歳は車椅子から助手席に乗り込めた。
笑顔にもまだ力強さがあった。

しかしヤエさんは私の介助があれば、自力で助手席へ乗り込むことがまだできていたので、私が先の見通しを持っておらず、決心がつかなかった。

今振り返れば、この時パッソの助手席が車外に出るタイプを選んでおくべきだったと、反省している。

準備は早い方がいいのだ。

ヤエさんは96歳から急に運動機能も認知も退行し、97歳ではデイサービスの車に乗るときに計画が立たず、乗車に抵抗し時間がかかった。

車に乗り降りする時の運動手順の認知・言語化がヤエさんになくなった。

左手でドアに捕まって、右手をダッシュボードに置いて、右足を上げて、お尻をつけて、 左足を引き込んで乗る、という計画がもうできなかった。

車の助手席のドア寄りの、フロントAピラーに、乗り込むときの取っ手がある車がいいなと切実に思った。

97歳のヤエさんは認知の退行だけでなく、片足で立つような運動能力も退行していた。

1分から2分、車のドアにつかまったまま、車の往来を指さして注意がそれていた。

ホンダN-Box スロープ仕様車のススメ

ある時、ヤエさんが送って来てもらったデイサービスの送迎車に、車椅子の利用者さんが後方に乗っていた。

ダイハツの軽自動車タントの福祉車両だった。

ダイハツフレンドシップシリーズに、タントスローパー、アトレイスローパーなどがある。

いつか我が家も福祉車両利用の日が来るかもしれないと思い、ダイハツタントを頭の隅に登録した。

スズキの軽自動車WITHシリーズにも、スペーシア、エヴリィ等の車種に福祉車両があるそうだ。

まずは皆さんが乗り慣れている車に福祉車両があるかどうか、ネットやスマホで見てみるといい。

ヤエさんを車椅子ごと乗せる車両が本当に必要だと感じたのは、2018年5月、ヤエさんを病院から退院させ、自宅へ連れ帰る時だった。

2018年4月にグループホームに連れて行く時は、私の介助でパッソの助手席に乗ることができた。

しかし40日後、5月に病院を退院させる時、ヤエさんをパッソの助手席に乗せることができなかった。

車椅子のアームを両手で押して立つ、立位の力が全くなかった。

全力でお尻を抱えて乗せた。

4週間の入院中は点滴で解熱して寝かされているだけで、立位等のリハビリは一つもなかった。

毎日、午後、私が車椅子に移乗させて、病院内を車椅子で何時間も散歩しただけだ。

寝たきりだったので、ヤエさんはもう立てなかった。

自宅に戻り、介護認定で要介護5になった。

この時初めて、ヤエさんを車椅子ごと乗せる福祉車両が絶対に必要だと思った。

2週間でホンダN-Boxの購入を決めた。

自治体から福祉車両の購入に10万円の補助金が出ることをケアマネさんに教えてもらい、すぐに見積書とともに事前申請手続きをした。

車両購入の後で、領収証とともに事後申請をして、10万円が振り込まれた。

福祉車両は器具の取り付けに時間がかかるのか? N-Boxが4月に新発売されたばかりだったからか、納車に2ヶ月かかった。

ホンダN-Boxスロープ仕様車が8月に納入され、ヤエさんは10月までの2か月で10回利用することができた。

N-Box スロープ仕様車は車椅子の乗降が電動でできるタイプにした。

介護者の押す力の負担が少なく、とても良かった。

自治体には福祉車両のレンタル制度もある。

しかし借りたい時は、事前に遠方の福祉車両車両場まで申請書類を書きに行き、当日借りに行き、済んだら返却する、ヤエさんの通院の他に、車を借りるために3回足を運ばなければならない。

ほかの自治体もみんなそうなのだろうか?

予約の電話で、当日借りて返却すればいいのではないか?

自宅に貸し出し車両を届けてくれるサービスがあってもいいくらいだ。

介護で疲労している時はこういう事情が本当に参る。

3回足を運ぶ気力が起きない。

気力を物理的なもので補うために、我が家は福祉車両を購入した。

私は駐車場から玄関前へ車を移動させるだけで、ヤエさんを乗せることができる。

ヤエさんも玄関前から乗降できる。

福祉車両には車椅子が乗降するスロープがついている。

我が家は玄関に2段の段差があったため、その2段を車椅子で乗降するケアスロープを毎月600円で介護保険制度で借りた。

コンパクトに2つ折りできて、軽く邪魔にならずとても便利だった。

物理的な工夫は大事で、介護の疲労を軽減するなと思った。

余談だが、ホンダN-Box にはホンダセンシティブと言う装置が完備されている。

ブレーキアシストや速度アシストが運転を非常に助けてくれる。

ヤエさんの病院に毎日往復110 km パッソで走っていたころに、N-Box にしておいたら、アクセルを踏み込む私の足がもっと楽だったのにと、買い替えが遅すぎたことを反省している。

28日で3000 km 走った私の太もも後ろの筋肉疲労は、その後痛みが取れるのに1年かかった。

N-Box にするのが遅かったからだ。

機能の維持か? 楽な介護か?

在宅介護の14年目には、認知が退行したヤエさん97歳を通院させることも私は億劫になっていた。

12年目のころに、ヤエさん95歳が車の助手席に楽に乗降できるうちに、福祉車両にしておけばよかった。

介護に初めて出会うときは、経済的な事情も関係して、いつもギリギリで決断していたから、苦しかった気がする。

ヤエさんの運動機能を失うまいとして、車椅子や福祉車両を先送りしていた。

ヤエさんにも負荷をかけ、自分にも厳しい介護が続いた気がする。

楽な在宅介護をするためには、物理的な道具の早めの決断が必要なんだと、過ぎてからわかる。

今、在宅介護の渦中にいる方は、道具の採用に迷っていたら、ギリギリになってからよりも早めの決断をされることをお勧めする。

介護保険制度が予防の役割を意識して、利用者に潤沢な支援をしてくれると、物理的な工夫で在宅介護は可能になる。

猫ちゃん

 心理学に基づいた子ども理解と教材について語り、発達を拡大促進する創作教材を紹介します。市販教材も紹介します。
 要支援2~要介護5のアルツハイマーの親の15年の介護でやってみたアイディアも投稿しています。
 7匹の猫生の記事も笑えます。
 このブログの題名「猫ちゃん」は、認知症の親が猫の名前を憶えられず「猫ちゃん、猫ちゃん」と可愛がったことに由来しています。

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