かずや算数および数学を楽しく学習する方法と教材

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数の概念形成が、歴年齢発達より、遅れる子どもさんがいます。

3歳で、1つと2つは分かるのだが、3つ以上は「いっぱい」となって数はわからない、という子どもさんがいました。

算数 LD

また、私立の幼稚園を受験しようとして、保護者が3歳のドリルで数を教えようとしたところ、これが大変難しかったと、小さい頃を振り返って話してくれた保護者もいます。

具体物を数詞で数えて、それを基数として数字でとらえることが難しかったようです。

序数と奇数の整理には、階段教材が最も簡潔に、同時提示で学習できます。

基数になるように団子をセロテープで繋いである
序数と基数をつなぐ階段

この子どもさんは、小学校5年生時、10の補数の脳操作が難しく、繰り上がり繰り下がり計算が渋滞していたので、脳操作で算数ブロックを使いました。

算数ブロックで、脳内操作を脳外に出

小学校2~3年生で習得できる、九九も、高校1年生になっても、いくつかの記憶違いがありました。

2×7=12、2×8=12など、比較的小さな倍数でも、音韻にに引きずられる、誤記憶が目立ちました。

小学校低学年の頃から、7+7=14、8+8=16などの繰り上がりの加算に、補数の渋滞があったため、「ニ」という音に九九の解答が引きずられたのです。

脳外操作で、タイルの九九正答表を使って学習しました。

九九は6~9の段が難しい

正解を見る時に、誰でも一番学びます。

教科書に例題があるのは、そのためですね。

九九の式を大人が言ってやり、子どもは解答のタイル並べをすると、作業は楽です。

この方は、高校3年生で英語検定の2級に合格し、大学では英検1級も取りました。

読み書き算数の全ての分野が遅れていたわけではなく、算数だけが大変だった事例です。

2歳から5歳の幼児の数の力の形成については、以下に投稿しています。

数の概念を形成する32の方法

算数の概念についての分析

算数障害については、読み書きスクリーニング検査の末尾でも、加減算・乗除算の発達年齢を調べることができます。

筑波大学の熊谷恵子氏・山本ゆう氏の、下記の本では、算数障害のチェックリストもあります。

通常学級で役立つ 算数障害の理解と指導法

数処理・数概念・計算・推論(=文章題)の4つの分野について、就学直前の子どもから小学校高学年まで、どこでつまずいているかをチェックすることが可能な本です。

筑波大学の熊谷恵子氏・山本ゆう氏は、WISC検査などで、知的能力のレベルが原則 IQ 90以上ある場合で、前出の本の学年チェックリストを通過できなければ、算数障害を疑う(出典:「通常学級で役立つ算数障害の理解と指導法10ページ」)と言っています。

文部科学省の学習障害の定義(1999年)では、「計算する・推論するが、2学年以上、下回ると算数障害」です。

猫ちゃんブログでは、算数についても、過去に31の投稿があります。

カテゴリー「数・算数・数学」で、ご覧ください。

今回は楽しめる教材という視点で、画像を紹介していきたいと思います。

数系列

お金を計数します。

数系列の穴埋め問題です。

教科書問題が難しいときは、問題をホワイトボードに書き出してやりましょう。

書いたり消したりが楽になります。

お金で表記します。

お金を計数します。

計算

①数字を同じにして、加算と減算を同時に提示し、+-の記号の意味を区別します。

合わせる身振り(両手を空中でパチンと合わせる)と、取ってしまう身振り(両手で横に引っ張る)をつけると、記号の意味を分けやすいです。

➁繰り上がり、繰り下がりについても、34+17= 、34-17= など、同じ数字で同時提示します。

④お金の模型を使うと、子どもたちにやる気が起きます。

⑤子どもたちは、500+500とか、1000+1000が大好きですね。

助走や導入の問題、あるいは暗算の初問に使うと良いです。

⑥繰り上がり、繰り下がりの意味を、非常に深く考える子どもについては、実際のお金で1と10の交換をすると納得してくれます。

⑦九九の意味を考えるには、以下のような教材を使います。

KUMON のペグさしを改変

⑩九九を順に書けるようになったら、音韻が難しいところもチャレンジします。

⑪分数も、足し算と掛け算を同時提示で考えます。

図を描いてやり、×の記号だけを問うのもいいですね。

⑫難しい教科書問題や宿題は、電卓や、分数表記計算ができる専用電卓を使って良いことにします。

⑬中学生の文字式も、ホワイトボードやタイルを使うと、空間が整理され、計算しやすくなります。

文章題

①同じ数字を使って、四則の記号の違う、文章題を考えます。

ボール紙カードに、問題・絵・式の3つを書いておき、対応させます。

ここも、+−×÷の記号だけ問うのも良いでしょう。

➁教科書問題は、1文ずつに整理されていないので、教科書をコピーして文章を切り貼りして、絵や図も位置を整理したプリントを作ります。

③高学年の小数の算数文章題は、整数で考えやすいように練習してから、小数問題に取り組みます。

整数で意味を取ることに慣れておくと、小数の数字に惑わされずに済みます。

時刻と時間

まずは正時の時刻を読めるようにします。

次に『まだ、ちょうど、過ぎた』などの言葉が必要です。

短針の時刻を読むには、似ている時刻の3つを同時提示することが必要です。

4時、4時半、5時を同時に提示します。

6時、6時5分過ぎ、まだ6時になっていない=6時5分前=5時55分、も同時に提示します。

そして初めて、ランダムな時刻問題を解けます。

単位

ヒントになる単位を、付箋紙や、選択語群で与えます。

空いているところに、書いてあげてもいいですね。

図形

円に関する名称の記憶も、付箋紙やカードの選択肢から、決定していきます。

付箋紙やカードを取り去っても、名称を記入できるようになれば、脳の中に完成です。

困らせないで、振り分け対応できる、ヒントのカードをあげてください。

脳内記憶の代わりに、脳外記憶として辞書表を作って貯めていけば、九九表のような表を見て解いて良いということになります。

中学生の数学 文字式の辞書表

記憶の負担を減らすことが、算数・数学が苦手な子どもへの支援になります。

算数文章題の式を選択方式にする

大阪公立大学の岡本真彦先生らが研究している、算数文章題の式を選択肢から選ぶ方法です。

特徴は、文章を読んで、選択肢に挙げられたいくつかの式をの中から、式を選びます。

+-×÷の四則を同時に提示して、脳外の文字で比較して、式を選択します。

脳内で考えて、鉛筆で式を書かなくても、与えられた選択肢の式から選べばいいので、書くことや算数が苦手な子どもでも取り掛かりやすくなります。

式を選択方式にすると、子どもが苦手意識を抱きやすい算数文章題に取り掛かりやすくなります。

数字だけの計算力ではなく、文章を考える力がつきます。

ソフト「i3Monsakun1」「i3Monsakun3」は、学校図書版の2020年度算数科デジタル教科書(1年〜3年生用)に採用されています。

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