小学校文化に慣れるために今から保育園と家庭でできること

子どもの発達には、個人差があります。

保育園も小学校も、発達指標で入園入学するのでなく、歴年齢指標で入園入学しますね。

6歳で就学を迎える子どもさんの中には、身体が平均より小柄な子どもさんもいます。

身体の発達の平均を知りたい方は、ファイザー製薬の成長曲線ツールなどがあります。

下の画像は、0~18歳の男子の成長曲線の例です。

6歳0月の男子は、身長115cm、体重20kg が、2016年の平均ですね。

お役立ちダウンロードツール|成長障害お役立ち資料|保健師・保育士・養護教諭さんへ

子どもの身体能力は5歳で完成し、6~7歳が一番多動

投げる・走る・工作する・描くなど、子どもの手足の身体能力は、大体5歳で粗大に完成します。

5歳で何でもできるようになるので、6~7歳は子どもが多動ぎみになります。

男女比、6対1の割合で、特に男の子に多動が目立ちます。

保育園で取り入れられている体操教室などは、身体を動かせて、とても良い定期的な行事ですね。

不器用な子には、コツの言語化が必要です。

「粘土を丸く丸めて団子を作るときは、親指ぐらいの粘土を取ったら、手のひらの真ん中に置いて、両方の手のひらに力を入れて、指をピンと伸ばして、ぐるぐる丸めます。」

言語化しなくても、粘土団子を上手に作れる器用な子どもは、この作業の内言語を持っています

不器用な子どもは、言語なしに、目だけで作るのでうまくできません

保育園の先生が全体に対して、あるいはその子の側で、何度も言語を言ってあげることが必要です。

女性であるお母さん・おばあちゃんは、6~7歳の男の子の性差による多動も頭に入れて、外遊びが少ない時は、家庭の室内でもトランポリンなどで運動させ、エネルギーを使わせてください。

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保育園ではご飯やおかずの量をその都度調節してもらっていることが多い

食欲や体力にも、個人差があります。

保育園文化から、学校文化に大きく環境が変わるときは、この個人差に、家庭も、保育園も、小学校も、配慮することが必要です。

6歳の子どもは、見かけの身体の大きさだけでなく、内臓である胃や膀胱の大きさも小さいです。

身体が小さく、胃も小さいために、3回の食事でなく、5回の食事が向いている子どもも、中にはいます。

私の知っている3つの保育園では、ご飯は家庭からの持参で、その子どもさんが食べられる量だけを、お弁当箱に入れてもらって持ってくることになっています。

大きなお弁当箱にいっぱいのご飯の子どももいれば、小さなお弁当箱にほんのちょっとの子どももいます。

給食のおかずは「たくさん入れて」と先生に言ったり、野菜を「減らしてください」という子どももいます。

食べる量は、個人差への合理的配慮の基本ですね。

好き嫌いが多い、偏食が多いという状況は、子どもの感覚過敏・味覚過敏によることが多いので、基本的には受容肯定してあげてください。

HSCハイセンシティブチャイルドや発達障害のある子どもさんについては、特に本人の過敏を尊重する配慮が、環境文化が大きく変わる時には、いっそう必要です。

学年が進むにつれて、中学生で、大人で、食べられるようになります。

かくいう私も、椎茸・人参・牛乳・あんこを、成人してから食べられるようになりました。

今でも、ウニ・いくら・うなぎを食べられません。

集団場面では、個人差に配慮した、以下のような、周りの仲間への解説が先生から必要ですね。

「背の大きい小さいがあるように、胃の大きい小さいがあるから、たくさん食べられない子もいるよ」

「今、苦手で食べられなくても、大人になると食べられるようになるよ」

「嫌いでも我慢して食べられる人と、嫌いだと後で吐いちゃう人がいるよ」

「給食の嫌いなもので、給食や学校がつらくなっちゃう人もいるよ」

トイレの要望は先生に許可を求めたり後ろを回ってトイレ行ったりするスキルのチャンス

身体が小さく、膀胱も小さいために、トイレに行きたいと思った時には、膀胱がいっぱいになって、漏れてしまうことも、2年生8歳くらいまであります。

尿意がないのに、遊びや給食の事前に(学校では5分休みに)トイレに行くということも、年中・年長~1・2年生では、まだまだ難しい子どもがいます。

家庭や保育園では、トイレは行きたい時に行けます。

1年生になると45分間の授業の前にあらかじめトイレに行っておくか、45分間我慢して、次の休み時間に行けるように、だんだんなっていきます。

行きたい時に行けることと、数十分我慢することを繋ぐ行動は、先生への交渉の言葉になります。

「トイレに行ってもいいですか」という、許可を求める交渉です。

トイレで失敗した時も、そーっと報告してもらい、あるいは先生がトイレまで覗きに行って、保健室などで着替えることも大事ですね。

夜尿

昼間3~4時間おきくらいにトイレに行きますが、夜間は脳から抗利尿ホルモンが出るので、8時間トイレに行かないで眠れる仕組みです。

この抗利尿ホルモンが出ないあるいは少なくて、昼間と同様に3~4時間でおしっこが出てしまうのが夜尿です。

ホルモンが関係しているので、夕方から水分を控えても、夜中に起こしても、改善は難しいです。

小児科で膀胱の大きさや浸透圧検査をしてもらい、抗利尿ホルモン剤を飲んで改善される子どもさんもいます。

多くの場合は第二次性徴ごろ、膀胱が大きくなる時、膀胱の筋肉の括約筋がしっかりする時に、夜尿を卒業します。

自尊心を傷つけないように、本人には、「ホルモンの関係だからあなたのせいではないよ。背がグーンと伸びて、筋肉が強くなる時に、寝ている時間長く貯められるようになるよ。」と、先延ばしで励ましてください。

心配してしまうので、子どもに伝える情報ではありませんが、大人の夜尿症という病気の方は20万人ほどいるそうです。

第二次性徴までは、小児科の受診通院や、スーパービッグのおむつパンツ、防水シーツやカバー、洗濯機で洗える布団など、物理的なもので乗り切っていってください。

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家庭では、子どもの自尊心を傷つけないで、自己肯定感を持てるように話すことが大事ですね。

小児科のお医者様から説明してもらうことも、良いと思います。

ランドセルが重い

保育園の通園カバンは、500g前後で、小さくて軽いです。

ところが1年生のランドセルは、3 ~4kg になります。

体格の小さい子どもさんには、とても負担になります。

今から、保育園の2~3月は、お姉ちゃんやお兄ちゃんの、あるいはお父さんかお母さんのリュックサックに、通園カバンや着替えを入れて背負って通園するのはどうでしょうか。

保育園文化と学校文化の物理的なギャップを埋めて、少しでも環境変化がなだらかに移行すれば良いと考えています。

保育園でそれが無理な場合は、家庭でスーパーのお買い物に出かけるとき、リュックサックに、購入したキャベツや白菜、牛乳やペットボトルを入れて、重いものを背負うお手伝いを、入学式まで続けると良さそうです。

1年生の1学期は、連絡帳・国語の教科書・ひらがなカタカナ漢字練習帳・宿題プリントくらいの持ち帰りで、教科書は引き出しに置くことができて、ランドセルが軽い配慮があるとといいですね。

そう出来ない時は、国語・算数の教科書を家庭用に別に購入して、家庭と学校に置くと良いと思います。

仲間に聞かれたら「家に同じ教科書があるので、先生に許可をもらって置かせてもらっている」と仲間に言えるといいですね。

タブレットや Chromebook も、4月に学校から与えられる機種と同じものを、夏休みに家庭で購入できれば、万一持ち帰りを忘れた時にも使えそうです。

家族で練習もできますね。

868 g の軽いリュック型ランドセルも販売されています。ランドセルリュック

遠い距離を集団登校で歩けない

体格の小さい子どもさんが、3 ~4kg のランドセルを背負って、1km 歩くのは大変です。

しかも、背の高い6年生の速度に合わせなければならないとなれば、いっそう大変です。

保育園は通園バスのことが多いので、急に徒歩で登校するということに、子どもたちも慣れません。

コロナ禍で出かけることが少なくなり、子どもたちが歩いたり運動したりすることも減っています。

学校の正門までとは言いませんが、家庭でも保育園でも、天気の良い日には、学校がある方向へ、早歩きのお散歩ができたら良いかと思います。

園長先生や主任さんの手を借りることができれば、年長組さんの人数を8人ずつくらいの班に分けて、3時のおやつの後か、降園バスの前に、登校練習の早歩きお散歩ができたらいいなあと思います。

年長組さんの25人全員では、人数が多すぎて危険もあるかと思うので、8人ずつくらいの班で、担任の先生と副担任の先生が一番前と後ろで散歩すると、集団登下校に似ているかと思いました。

残りの園児は、室内遊びや園庭遊びで過ごし、天気の良い日の日替わりで交代します。

もちろん、保護者と子どもで、休日や春休みに、空のランドセルを背負って、小学校まで歩いて往復する練習もいいですね。

4時間目にお腹がすく

保育園は、保護者の車で8時に登園する子どももいますが、通園バスで9時に登園して、11時半には給食になります。

朝食から給食まで、3~4時間ですね。

ところが学校は、7時半に集団登校し、給食が12時半で、食事の間が5~6時間あります。

一度にいっぱい食べられない身体(胃)の小さい1年生にとって、11時半だった給食が12時半になるのはつらいものがあります。

年少・年中・年長さんと、一斉給食だと思うので、食べる時刻を遅くする事は、冷めてしまって難しいとは思うのですが、可能であれば年長組さんだけ、12時に近づけていただけると、小学校へのギャップが減るように思います。

別の自治体のある保育園を参観したら、年少・年中・年長さんは学校と同じ学童机が一人一人に与えられ、給食は年長組さんは12時半になっていました。

学校と同じ学童机を使っている幼稚園もあります

小学校との文化ギャップを考えて、物理的にできることで、小学校に近づけた工夫だと感心しました。

卒園式から入学式までの春休みの2週間、家庭や学童で、朝食と昼食の間を5時間あけるということを実行してもらうことも、保育園文化と学校文化の文化ギャップを埋めることだと考えています。

文化ギャップを大人が理解して予告し万一には早期に対応する

事前に、以上のようなことを実行できないとしても、「学校に行くと、給食は12時40分ごろだからね。」と、慣れ親しんだ保育園の先生や、春休みを共にするご家族が、本人に予告しておくだけでも良いと思います。

ランドセルが重い、登校で歩く距離が遠い、給食までの時間が長い、この3つを保育園の先生も保護者も頭に入れて、小学校入学式までの間を過ごしてほしいと思います。

全部実行できなくても、1つでもいい、1回でもいい、予告するだけでもいい、そんなふうに気軽に考えてください。

万一、1年生の第2週やゴールデンウィーク明けに登校しぶりが起きても、ランドセル軽量化対策・登校距離対策(半分車で送るなど)・給食までの時間対策(20分休みに補食するなど)をすぐに行なってみると良いと思います。

朝食を食べなかったり、お腹がすいたりすると、4時間目の注意集中も切れますね。

脳が集中して活動するには、朝食にたんぱく質が必要です。

卵・豆腐・納豆・ソーセージ・チーズ・ホットミルク・ウイダーinゼリー・SOYJOYなど、好きなものを朝食に活用してみてください。

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