自閉症児はどうして高い所に登るのか?

どうして高い所に登るのかわからない、言葉で言い聞かせてもわからない、育てることが難しい、保育が難しい、運動が不器用だ、友達の気持ちを理解することが難しい、常識やルールがわからない、そう評価される子どもたちがいます。

猫ちゃんブログは、その子どもたちの脳機能の特性を理解してもらい、子どもたちの考えと行動の味方になってもらい、その上で、常識やルールが伝わりやすくなる工夫を紹介しているブログです。

子どもの特性➡子どもの考え➡子どもの行動

自閉症の子どもさんが、タンスの上や、窓枠の上や、棚の上に、登ることがあります。

ネットのイラスト画像より心理「テレビを近くで見たいんだね」

どうして登るのか?と考えないで、「登れたね 」「登ると全部見えるね」「登ると誰も来ないで安心だね」「落ち着くね」と考えて、見守ってください

ネットのイラスト画像より。心理は「近いとテレビが見やすいね」

自閉症の子どもさんが示す特性は、脳機能で規定された行動なので、まずは、「あなたの行動、いいよ」という承認が、子どもの考えの味方になるということです。

高いところに登るな!ということは、自閉症でなくなれ!というのと同じです。

一番いいのは、危険がないように、物理的な環境の方を変えることです。

例えば、上の画像であれば、テレビを床から50 cm くらいの高さに変更すれば、子どももジュウタン上やソファーや椅子の座位で、テレビを見やすいかと思います。

テレビのとても近くで見る、ということも、幼児や自閉症の方の行動にありますね。

困った行動の消去でなく好きなことを活かして良い行動を作る

高いところが好きな子どもさんは、遊びの中で、ジャングルジムや滑り台や階段昇降があるといいと思います。

あるいは、トランポリン、タイヤ渡り、平均台歩き、トンネルくぐり、跳び箱に登って降りるなどの、上下の昇降のある、身体を動かす、サーキットトレーニング遊びがあるといいと思います。

登っては困る場所に登るような行動があったら、登っても良い正当な場所や遊びを用意することが、我々の役目です。

リタリコ発達ナビより

自閉症の方の8割には、発達性協調運動障害が重なっているので、自分からならば高いところには登れるが、サーキットトレーニングのような運動は、不器用で怖がったり、できなかったりすることも多いので、無理にさせないようにします。

部分的な参加や、高い場所からの見学でも、十分だと特性を認めることが大事です。

ネットのサーキットトレーニング幼児の画像より

脳外に見せる我々の工夫➡子どもの行動の変化

「危険だ!」と思うのは我々なので、降りて欲しければ、15分見守った後で、実物や写真、身振りでお願いをします。

「あなたは高いところが好きだろうけれども、万一落ちると怪我をして危ないので、私が気が気ではないから、どうぞ降りてください」という依頼です。

子どもの特性を認め、子どもの考えと行動の味方になって、子どもが考えを変更しやすいような、目で見て分かる情報を提供する、依頼の仕方です。

行動が起きてしまってからより、事前に予告で依頼すること、根気よく、その都度依頼すること、がいいですね。

叱ったり、強引に引きずり下ろしたりするのは、

1.子どもの特性

2.子どもの考えと行動

3.どうすると変化が起きやすいか

を無視した、ルールや常識を押し付けるだけのやり方です。

こだわりだと思えること、

ルールや常識に外れていると思えること、

そこには子どもの脳機能で規定された特性と、子どもの考えがあることを大人は見て取ってください。

猫にも考えと行動がある、そしてその進化と発達の先には、自閉症や引きこもりの方および認知症の方にも、考えと行動があることを、ブログ記事で紹介してきました。

発達に心配と苦労がある子どもや大人と付き合う、保護者や先生方や指導員さんが、どう工夫すれば、お互いに生活しやすくなるのか、発達と適応を形成していけるのかを、猫ちゃんブログは投稿しています。

脳機能の特性を理解して、認めること

子どもの考えと行動の、味方になること

触れるもので、落ち着いてもらうこと

イラスト・絵・図・身振りなど目で見てわかる情報で、お互いの脳内の考えを同じにすること

係わる上で、その方の好きなことを大事にすること

平均に足りないと考えないで、ゼロから形成すると考えること

1.子どもの特性、2.子どもの考えを無視した、3.しつけやソーシャルスキルトレーニングは、ありません。

我々が工夫することで、新しい行動をゼロから一緒に形成することが可能です。

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