片付けが苦手な発達障害の子どもに片付けを教える方法

発達障害のある子どもの保護者から、「子どもが片付けが苦手だ」と相談されることがあります。

発達障害のある子どもは、前後関係の見通しが短いため、次に品物を使うことを考えないので、次に使うために元の場所に片付けておくことが難しく、品物を使った時点で行動が終わります。

文字を書く鉛筆は書いたら終わり、それで筆箱にしまえず、出しっぱなしになります。

しかし、それを責めないでください。

自力ではできなくても、鉛筆を手渡し、「しまおうね」と声をかけると、素直にしまえる子どもが多いです。

あるいは学習した後、大人の声かけで、最後の1分で片付ける、ということが可能です。

大人は、品物を使うことと次回のためにしまうことが、一連の行動になっていますが、発達障害のある子どもは前後関係の見通しが短いため、使うことは使うこと、しまうことはしまうことなのです。

大人の一連の行動を分解して、子どもが気持ちよく、片付けに取り組むような声をかけましょう。

子どもを責めるような口調が伝わると、子どもは片付けを嫌いになり、大人の言うことを聞かなくなります。

好きで片付けないわけではありません。

長い行動計画を持つ脳機能の仕組みに、未熟や渋滞があります。

片付けが苦手な子どもは、片付け行動に言葉が関わっていません。

鉛筆を使い終わった時、「鉛筆をしまって」と、脳の中でつぶやくことができないのです。

視覚情報に強く、目で見て真似て、言葉を使わない子どもが、片付けが苦手なケースが多いです。

そこで、「片付け行動」は、片付け行動だけを強化すると良いです。

それには、狭い範囲、小さな場所から、初めは一緒に、片付け行動にチャレンジしてみましょう。

筆箱を片付ける

狭い範囲、小さな場所の代表は、学用品では筆箱です。

小学校1年生の筆箱は、鉛筆と消しゴム、線引き入れになっていることから、片付ける場所3つが分かりやすいですね。

両面開き ペンケース

一つ一つ納めるのは苦手、とにかく入れてしまうだけ、ガバッと開けるものも良いでしょう。

コクヨ ペンケース C2 F-VBF122-7

学校でも、帰りの会のあとで、机の中の引き出しケースを机の上に出して、整理して帰る、ということが行われています。

キッチンカトラリーを片付ける

家の中で、保護者と一緒に片付けの練習をするには、キッチンカトラリーなどが、片付けの手始めには良いです。

スプーン・お箸・それ以外の3種類に分けると、片付けに取りかかるスタートが簡単です。

食器棚収納 カトラリートレー 3個セット 幅6.5×奥行26×高さ4.3cm

片付けには、言葉が関わっているので、3種類以上に細分化すると、言葉による分別が難しくなります。

あるいは、食器戸棚に、お皿とお茶碗を片付けてもらうのも良いでしょう。

食器洗いのお手伝い

食器洗いも、洗剤の泡を使って汚れを落とす、単一の行動なので、好きな子どもさんが多いです。

水ですすぐのは、大人がやれば、きれいに仕上がります。

キッチンに並んで、一緒にやってみましょう。

はじめは、子どもの自由に洗ってもらい、次第に洗い方のコツを教えます。

コップ➡茶碗➡お皿の順に洗うとか、小さなものから大きなものを洗うとか、汚れの少ないものから油の多いものを洗うとかのコツを、「何々から洗えるといいかもね」とおまけの感じで言ってやりましょう。

命令的、批判的にならないように気をつけて。

コツの伝授には、言語が関わっているので、言葉を育てることにもなります。

認めて褒める言葉をかければ、手を動かして、触覚運動を満たすお手伝いは、大好きな子どもさんが多いです。

行動事実を認めます「できたね」「洗えたね」

感謝の気持ちを伝えます「ありがとう」「助かるよ」

共感の言葉を伝えます「一緒にできて嬉しい」「またやろうね」

下着を整理する

パンツだけ整理する、シャツだけ整理する、靴下だけ整理する、1種類の衣類の整理から始める片付けが良いです。

たたみ方は、大人が手伝ってやりましょう。

最近私も、ごちゃごちゃになりやすい衣類を、このようなケースを使うことで、整理できました。

Tシャツ収納ボックス2個セット44cm×25cm×17cm

靴下用の収納ボックスなどもあります。

100円ショップも覗いてみてください。

教科書ノートファイルなどの整理もできます。

夏休みなどの長期休みには、夏休みの課題の他に、狭い範囲、小さな場所の片付け方を、家族で共有できるといいですね。

片付けの行動事実を認め、感謝の気持ちを伝える、楽しいお片付けに。

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