教材No.27-1 タイル階段の発祥
私の知る限り、タイルの階段については、前東孝儀(まえひがしたかよし)の報告が、講座;重度重複障害児の指導技術第5巻「課題学習の指導」193~200頁(岩崎学術出版社1979年)に、早期に掲載されている。
大小や長短から数概念を形成する方法 の教材No.25で紹介したように、大小や長短の順序付けが、数概念形成学習のスタートとなる。
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長方形の板を、タイルに分解合成したものがタイルの階段である。
タイルは、年齢が小さい人や行動が初期的な人は、4.5cm 角の重みのあるタイルを使う。
学習の経験が長くなり、生活の中で数量への着目がある人は、2.5cm 角のタイルでも学習できる。
教材No.27-2 棒タイル階段の材料と作り方
初めは、長方形の板の長さ比べを、学習する。
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長方形の板の長さくらべから、数量比べへと、移行をねらう。
外枠はこれまでと同じ枠を使い、中の長方形の木片を接合させた棒タイルに変更する。
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数字も、1から5までつける。
数字は順序数、同時に数字は基数量を表す。
階段の教材は、序数と基数を同時に学習できる、優秀な教材である。
文字の50音表が位置の記憶を助けるのと同じように、わずか15個ではあるが、階段の教材は、算数の50音表だ。
2.5㎝角タイルは Amazon 及びヤフーショッピングや楽天などのネットで購入できる。
1シート121枚で、安ければ1000円程度、送料を入れても2000円程度で購入可能だ。
厚ボール紙にタイルを直接置いて、鉛筆で縁を型取り、タイル1個からタイル5個までの長さの台紙を作る。
接合のさせ方は、厚ボール紙に両面テープを2列貼り、そこにタイルを乗せれば良い。
タイルを接合させた棒タイルの仕上げには、表裏全体にブックコートを貼れば美しく仕上がるが、 透明な養生テープや透明なガムテープでも良い。
ダイソーには25 mm のセロテープも売っているのでそれを2回巻いても良い。
テープはピンと張りすぎると、使っているうちに棒タイル全体が湾曲するので、タイル接合部分の隙間にテープを押し付けて接着することが肝心だ。
教材No.27-3 だんごの平面階段
教材No.26のだんごの階段は、立体的な高さ比べであった。
立体が平面になるとなかなかうまくいかない、長方形の長さ比べはできたのに、タイルの数量比べになるとうまくいかない。
そういう子どもに出会って、中野尚彦が開発したのが、だんごの平面階段である。
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円のだんごは裏側に角材が入って繋がっており、一度にその数量をはめ込むことができる。
長さ比べであることを保持しながら、円形だんご状になっていることによって、数量を意識させている。
丸タイル(1シート121枚800円くらい)も直径2.5cm のものは、ネットで販売しているので、丸タイルを透明アクリル板に、アロンアルファで接着させたら、だんご工作は楽かもしれない。
教材No.27-4 棒タイルからバラタイル階段への移行が難しいとき
棒タイルに、シールを貼って量を意識させる。
枠を取り去っても、数字や棒タイルを系列化できれば、長さ比べが完成しているということだ。
棒タイルがうまく系列化できるようになったら、バラタイルにもチャレンジして、系列化を同様に行なってみる。
タイルはバラバラに1個ずつになっているので、ある子どもにとっては、全て1なのである。
その通りだ。
数字2のところに、タイル2個目を持ってこれるか、というところが、一番初めのポイントになる。
これが、結構難しい。
下の画像は、枠の手がかりに天井ストッパーがあるので、タイルの基数量がそこで止まる。
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下の画像は、枠の天井ストッパーがなくなり、タイルの基数量が足りなかったり、タイルが多すぎたりする。
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下の画像のように、枠の棒の高さが全て同じだと、枠に手がかりが全くなく、最高に難しくなる。
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音声を持っている子どもは比較的楽だが、音声のない子どもにとっては難しい学習となる。
枠の天井ストッパーがなくなると、バラタイルを1個ずつ横に並べるということが起きる。
枠の天井ストッパーがなくなると、運良く、数字の1に1個、数字の2に2個を作れても、数字の3のところで2個で終わるということも起きる。
ガイドとして、枠の中に下敷きの台紙を入れたり、大人が1、12、123、と数唱を添えたりする。
しかしうまくいかない。
順序数の数字タイルが、同じ材質のタイルを使っていることが悪いのかと思って、数字を木製にしてみたり、数字は大人が入れてみたり、数字はあらかじめ枠に貼っておいてみたりもした。
渋滞すると横の発達に戻るべきだと思って、棒タイルに戻ったり、バラのだんご挿しに戻ったりしてみる。
あるいは1個と2個、2個と3個が似すぎているので、1個と5個だけ入れてもらったりもしてみる。
どうしても越えない時は、一旦中止して、仲間集めや分類、色の学習、一対一対応、大小・長短・高低・などの系列化、キャラクター填め板、文字の学習など、できることを多彩に行なう。
生活の中で、1つずつ配る、1つちょうだい・2つちょうだい、1つ持ってくる・2つ持ってくる、1年生・2年生などを表記する時の指型、なども経験させたい。
教材No.27-5 バラタイル階段
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算数ブロックの5の台のようにのように、枠の高さが全て同じだと、枠に手がかりが全くなく、最高に難しい。
しかも、隣同士を少し離して、位置の手がかりを減らしている。
枠の手がかりがなくなっても、バラのタイルや、バラの算数ブロックで、1から5の階段を構成できれば、位置の手がかりありの「1~5の階段における序数と基数が完成」である。
文字の50音表にならって、「数の15表」だ。
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もっと簡単に作れる1~5の階段
材木の工作が大変な方には、100円ショップのホワイトボードとマグネットで、階段を作ることができる。
マグネットの透明枠を捨てないで活用すれば、棒タイルやだんごと同様に5個を一度で運べる。
猫ちゃんブログへのコメント
ほんとうに、階段の教材は、算数の50音表だと思います。