玉入れ教材の紹介

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 文字と言葉の概念の教材の進展の見通しは、玉入れ、球体を平面にした填め板、様々な線図形填め板、キャラクター填め板、身振り、音声、線図形、描画、ひらがな・カタカナ、50音表、、書字、単語構成、事象と単語の対応、文章構成、英語へと進む。

数概念の見通しは、玉入れから填め板の大きさ比べ、長さ比べ、だんご差しから数量、階段、指型、量と数字との対応、加減算、算数文章題へと進む。

身体の運動機能が制限されている場合を除いて、いずれも玉入れが概念形成の入り口となる。

教材No.03  玉入れ以前と玉入れ

玉入れは、限定された空間の対応関係、処理する時の感覚運動、人とのコミュニケーションを楽しむ教材である。

➀ボール取り出し

ダイソーなどで手に入る、縦長の冷茶ポットやスパゲティ入れ、透明シール容器などにピンポン玉を入れておき、目の前で1つ取り出して見せて、その続きでボールを取り出してもらう。

不透明容器も扱えそうならば、海苔やお茶の空き缶の筒からボールを出すことも楽しめる。 

➁ボールの受け渡し

取り出したピンポン玉を1つずつ人に渡せれば、「取れたね」の共感の目が合う。

起きた行動に共感してから、次は、先に「ちょうだい」と言ってみる。

「ありがとう」「もう1つ」「うれしい」なども、大人から目を合わせて言う。

手渡しできない場合には、バケツや洗面器、蓋のないシール容器を差し出すことで、容器から容器へのボール移動が可能だ。

取り出したボールは、別の容器に入れたり、大人が5個あるいは10個、卵の空きパックなどに並べて見せると、数にもつながっていく。

ボールと穴の1対1対応など、数の概念にもつながる。

もずくの空きカップを段ボールに5個ずつ2段の10個を両面テープで貼り付けると、卵パックに近い工作となる。

段ボールや枠などは、A4サイズの32cm×23cmくらいにすると、教材に統一感が出る。

③ボール転がし

ボールを狭い穴に入れるという、目と手の調整が難しくて、ボールを持つと投げる子どももいる。

ボールを360度自由に投げているので、まずは投げる方向を限定するような、使う空間の自由度を狭めることが、その次の段階のボールを穴に入れることにつながる。

ボールを入れる手前の段階では、ビーチボールや穴あきボールなどを人に向かって転がしたり、ボーリングのピン倒しにボールを転がしたりする、空間限定の遊びが必要となる。

ボーリングのピンにはペットボトルが手に入りやすい。

④玉落とし

ダイソーなどで、6個入りのピンポン玉を買う。

ダイソーなどで、ピンポン玉が10個くらい入りそうな、透明のシール容器を買う。

シール容器の蓋に、直径 4 cm の円をマジックで書く。

蓋に、ハサミの片方の刃をさして、切り口をつける。

ハサミで、マジックの円周の内側を、ジョキジョキと切り抜く。

ピンポン玉が、穴で一旦止まるように、穴の大きさをハサミで、少しずつ微妙に調整する。

ピンポン玉をつかめない子どもでも、この初期的な玉落としだと手で叩くだけ、押すだけで良い。 

市販品には、ディズニーのベビートイ「ボール落とし」がある。

ダイソーなどで売っているゴルフの練習用穴あきボールにすれば、違う感触も楽しめる。

シール容器を2つにすれば、「オレンジ色のピンポン玉と、緑色の穴あきゴルフ練習ボールの分類」「オレンジ色のピンポン玉と、白いピンポン玉の分類」および「ピンポン玉と、円盤」 「ピンポン玉と、割りばし棒」などの、異なる属性の分類にもつなげられる。

こういった「分ける」という作業をする時に、言語概念・言葉が形成されると中野は語る。 

⑤玉入れ・玉転がし

玉入れがスラスラと出来る子どもは、くもんの大ヒット商品「くるくるチャイム」を楽しんだり、輸入玩具ベック社のシロフォンチャイムを楽しんだりできる。

下は、中野考案・中野作成の、ビー玉転がしである。

透明筒の中を、ビー玉が揺れて落ちていく追視を、子どもたちは飽きずに何度も繰り返す。

 下も、中野考案・中野作成の、ゴルフボール入れ1~5の階段、系列化である。

やはり中野考案の玉入れ教材で、直径4 cm の透明ビニールホースの玉転がしがある。

ホームセンターの水道ホースコーナーに行き、透明で最も直径の大きな透明ホースを2 m購入する。

2mあると、ホースが折れずに、輪にした時にちょうどビー玉が一周する。

ビー玉を口に入れる危険がある時期には、目が離せない教材である。

出典:OLYMPUS DIGITAL CAMERA

アカシヤこどものへやの木村先生は、透明ホースを何 m も使って、ビー玉転がしのコロシアムを作った。

ビー玉の追視に30秒はかかろうかという大作である

ビー玉を入れやすいように、ホースの入り口を水平になるようにカットしてやると良い。

入り口が目立つように赤ビニールテープを巻いても良い。

ビー玉転がしの進化系には、大人でも組み立てが難しいが、市販品で、くもんの「くみくみスロープ」というものもある。

➅ボール探し(宝探し)

玉入れのボールを透明容器で蓋をして、両手を協応させるチャンスにもできる。

助け手で蓋を開け、利き手でボールを取るという動作である。

初めはボールが見えていた方が意味が伝わりやすく、行動が起きやすいので、綿棒の空き容器、シール容器、などを使うと良い。

投げる危険がなければ、蓋開け式の空き瓶もいい。 

⑦ねじり蓋開け

ねじり蓋シール容器・ねじり蓋つき空き瓶にボールを入れて、玉入れのために蓋を開けてボールを取り出してもらえば、手首の回転などの練習にもなる。 

大きい容器で練習すると、小さいペットボトル蓋もねじれるようになる。

⑧投げる・叩く・壊すときには

投げる・叩く・壊すなど、マイナスに思える行動が起きた時、驚いたり大騒ぎせずに、黙って大人が片付け、「おわり」とか「 おしまいにしよう」と他の粗大な遊びへ移ると良い。

マイナスの行動が起きるのは、その子にとって活動が微細すぎて難しい時である。

以前できていた遊び、一段階大雑把な遊び、身体全体で楽しむ遊びなどへ移った方が良い。

トランポリン・ボールプール・ブランコ ・砂粘土キネティックサンド・スヌーズレンなど。

マイナスの行動は、「ダメ」などの強化反応をしないことが、鉄則である。

さらりと、次の提案・その子の好きな活動を、提供する方が良い。

もし、注意を与えることが必要な場面であれば、「しません」と短く言って、さっさと片付け、その活動を終了する。

ダメ出しだけでは、子どもはどうしたらいいかわからないので、「水を飲もう」「トイレに行こう」「ブランコに乗ろう」「散歩に行こう」など、次に何をしようという提案が大事だ。 

教材理解や教材を扱う運動の調整が難しいと、子どもは教材を見なかったり、手を出さなかったり、粗大な反応や回避行動になる。

予想した反応が得られなかった時は、一旦教材を引き取って、子どもにとって何が難しかったか、考え直すことが必要になる。  

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