子どもの注意を引く保育士さんの制作の見せ方

26名の子どもたちの注意を、一瞬にして惹き付ける保育士さんがいます。

音声の言葉のほかに、効果音、絵カード、身振り、あと出しのタイミング、を使う保育士さんです。

保育園、年中組、4歳児の制作場面を参観しました。

保育士さんの工夫をご紹介します。

1日の保育の流れ

1.登園して、出席シール、ハンカチとコップかけ、かばんをロッカーに

2.着替えと排泄、帽子をかぶって、水筒を持って園庭へ

3.園庭で、子どもたちは保育士さんと自由遊び

4.1曲が終わるまで、園庭でマラソン

5.水分を補給し、保育室に入って手を洗い、廊下に並んで順番を待って排泄

排泄の際、廊下に並ぶ理由は、26名と人数が多いが、洋式トイレは3つしかないため、先生が編み出した方法です。

廊下には、ビニールテープで線が引いてあり、皆、一生懸命待ちます。

5.そして本日は、先生が準備した色紙で、ディズニーランドの塔を制作することになりました。

6.給食

7.パジャマに着替え、服をたたむ練習をして、お昼寝

8.おやつ

9.自由遊びをして、降園になります。

形を意識した制作

ディズニーランドの塔の制作は、先生が用意した二等辺三角形と長方形の折り紙を、描かれている枠に、ぴったり合わせて貼る学習が含まれていました。

年少組さんであれば方向のない円形、正三角形、正方形の組み合わせの塔であれば、やさしいです。

また年少組さんであれば、先生が描いておく形の枠は、太マジックの線が目立って見やすいかもしれません。

保育士さんの絵カードの提示方法

1.「これを使います」「何でしょう」

保育士さんは、絵カードのおもてを見せないで、裏返しに持ったまま、くるりと身体を回転させました。

26名全員の目が、保育士さんに惹き付けられます。

2回、繰り返し回転した後、次は、子どもたちにフラッシュカードのように一瞬見せました。

子どもたちは「見えた、見えた」と言いながら「のり!のり!」と、口々に答えます。

子どもたちの、嬉しい興奮が伝わってきます。

保育士さんの制作見本の提示方法

2.「そして、これを作ります」

はじめは見本を胸に抱いて、大事そうに隠しています。

このあと出しの間合いが、子どもたちの注意集中を高めますね。

先生の音声が次々と出されたら、一部を聞きのがす子どももいますが、先生が黙って待ったり、黙って見せたりすることで、音声の情報も目立って分かりやすくなります。

ドラムイントロのように「ジャジャーン」と言いながら、おもてに返してみんなに見せます。

効果音による、待たせかたが、うまいですね。

「ワーッ!」という歓声が、子どもたちから上がります。

「ディズニーランドのイッツ・ア・スモールワールドの塔を作ります」

そう言って、塔の枠が描かれた下絵も見せました。

「色紙を切っておいたので、好きな色を貼ってください」

本日は、塔の壁を色紙で貼り付けるところで、区切りになりました。

次回、顔を描いたり、入り口をつけたり、シールを貼ったりするようです。

机に何もない状態で説明してから、製作に必要なものを配る

机に何もない状態で制作の説明がなされ、手でいじるものが何もないので、子どもたちは聞くことに集中できました。

説明してから、使うものを配った、先生の素晴らしい工夫ですね。

2人の先生が、のりを配り、下絵を配り、色紙の入ったかごを配ります。

補助の先生は、支援のいる子どもに気を配りながら、うまくいくように助けています。

子どもたちは触覚が優勢なので、使うものが先に配られると、触りたくなってしまい、聞くことがおろそかになります。

それを知っている先生の、素晴らしい実践でした。

26名全員が説明を注目して聞けたので、することがよく分かり、みんな楽しんで貼り絵ができました。

机に何もない状態で、説明してからプリントを配布する、説明してから道具を用意させる、などは小学校でも使える工夫ですね。

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 病院小児科で臨床発達心理士をしています。
 梅津八三の心理学、行動調整法、子どもの行動理解、育児、教材、ソーシャルスキル、介護、猫の行動について投稿中です。

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