特別支援教育では、視覚障害や発達障害等の人のために、デイジー教科書というものがあります。
教科書の漢字に「ふりがな」が振ってあったり、教科書やプリントを「読み上げて」くれたりする機能があります。
イヤホンを使えば、集団場面の通常学級内でも使えます。
特別支援学級や、通級指導教室の個別指導、および、家庭での音読学習・代読に使えます。
マルチメディアデイジー教科書
日本障害者リハビリテーション協会が制作した、マルチメディアデイジー教科書の詳細は、以下に詳しく掲載されています。
発達障害の医学的な診断がなくても、申請は、保護者、担任、通級指導担当、学校長、教育委員会、支援者、本人が行なえます。
学校図書館に、デイジー図書として、ダウンロード管理することもできます。
ダウンロードは、その年度のすべての教科一括で、年間3000円が必要です。
児童生徒一人ずつに、3000円かかるわけではありません。
個人で年間3000円、学校単位で年間3000円、市町村教育委員会単位で年間3000円です。
電話等での質問は、下記へ、なさってみてください。
(公財)日本障害者リハビリテーション協会 情報センター デイジー教科書担当宛
TEL:03-5273-0796 FAX:03-5273-0615 E-Mail:daisy_c@dinf.ne.jp
長野県神科小学校の活用事例の紹介
2018年に発表された、 デイジー教科書による学校単位の「読み」支援事例を、長野県神科小学校の池田先生の資料から、一部ご紹介します。
全てのPDFをご覧になりたい場合は、以下にアクセスしてください。
どんなふうにでも使えて、いいですね。
先生が、ずっとついて代読してくれなくても、デイジーが音読してくれます。
デイジーに読み上げてもらって、自分で分かるという自信に、繋がります。
使い始めは、特別支援学級や通級指導教室で、個別に、デイジー教科書の扱い方に、慣れる必要があります。
通常学級場面で、操作に慣れるまでは、一番前の座席や、南側の座席で使えれば、先生も支援に近づきやすいです。
音読の順番が来ても、デイジーの代読をイヤホンで頼りにして、皆の前でスラスラと音読ができます。
音読の度に、つっかえて、恥ずかしい気持ちにならなくて済みます。
スラスラ読めると、意味も取れて嬉しいですね。
文科省の統計調査では、読み書き困難は、100人に2~3人、30人に1人くらいいる、とされています。
ICT活用では、絵・写真・iPad の「かなトーク」のようなコミュニケーションボード・タブレット端末・文字化・Yes No 意思表示・筆記に変えて口頭試問による学習評価を行なう、などが推奨されています。
申請と使用までの流れはこんな感じです。
図になると、我々も分かりやすいですね。
ディスレクシア(識字認識障害)、読字 LD の方たちにとっては、視力を助けるメガネと同じくらい必須の、学習支援ソフトだと思います。
家庭で一人でも多く、学校で一人の先生の実践でもいいので、デイジー教科書の利用が増え、子どもたちのやる気が増えることを願って、ご紹介しました。
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