音声の言葉のない多動な自閉症児の療育8 感覚運動をずっと満たす教材

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子どもの年齢が小さい、音声の言葉がまだない、多動が激しい、不器用がある、そういう時の係わりは、感覚運動を満たす教材を工夫すると、やり取りが緊密で微細になります。

特別支援学校小学部1年生のあっちゃんが、1ヶ月ぶりに病院の療育に来てくれました。

あっちゃんは、音声言語のない、自閉症知的障害重度の子どもさんです。

前回は、人に依頼することが上手になる、という課題でした。

音声の言葉のない多動な自閉症児の療育7 人に対する要求の伝達を育てる

1ヶ月の間に、容器の手渡しと要求伝達が、とても上手になりました。

透明容器は100円ショップにあります

お母さんと、毎日練習したようです。

お母さんは、他のおやつの写真も撮ったと言っていました。

実行力のある、素晴らしいお母さんです。

あっちゃんは相手の目を見ることも上手くなり、私の手を取って呼びに来て、手つなぎでトランポリンを飛ぶ時、私が1から7まで数える間、じっと私の目を見つめます。

相手の目を見ることも、お母さんが教えたのに違いありません。

「目を見たねー」と、お母さんは何度も褒めていました。

お菓子の容器の手渡し運動と一緒に、口形模倣と1音が出る

音声ものどの運動の一つなので、全身の運動や手の運動とともに、音声が出やすいと考えています。

描画と音声の 形成の方法

素晴らしいのは、お母さんの口まねで、開けてという意味の「アー」があっちゃんから大きい声で出たことです。

ジュースも、それらしく、ジュのようなとがった口まねができ、「ウ」と聞こえたような気がしました。

お母さんによると、この他にも「バー」と「ポー」が出るそうです。

PパピプペポBバビブベボは、破裂音と言って、赤ちゃんが初めに出しやすい音なので、あっちゃんもチャレンジするといいと思っています。

パ行バ行の事象に対して、場面にあった言葉の初めの1音を使います。

パパのパ、パンのパ、スーパーでバーコードを読み取ってもらう時のピー、プリンのプ、ポカリスエットのポ、ボールを入れる時のポン、お風呂の意味のポっちゃん、おばあちゃんのバー、バイバイのバー、スクールバスのバー、いけない時の✖のバ、車のブーブー、ボールのボなど、言葉を1音で表現することを、まずは大人が心がけてみましょう。

あっちゃんは、口形を維持するために、長音「ー」にして音を伸ばす方が、1音を出しやすいです。

あっちゃんは、ア段・ウ段・オ段の口形ができつつあります。

身振り運動も「美味しい」などの身振りが、上手になっています。

いやだの首振りを形成したいと思っています。

獲得行動は意欲的にやる

これまであっちゃんは、宝物の獲得行動は意欲的に取り組んでくれました。

透明カップの蓋を取り去って、目的の宝物を手に入れる課題。

本人の利き手と助け手が定まります。

もずくカップを切った容器の 宝探し

正面からは取れないが、右や左に手を回して、回り道をして宝物を手に入れる課題。

筒の穴を細くしていって、宝物を棒でつついて出すと、トコロテンのような教材になります。

A3のクリアファイルで作れるトコロテン

ペットボトルの蓋開けが難しいあっちゃんに、小ビンを使って、宝物をゲットする、蓋開けねじ回しをやりました。

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桃屋の梅好みの空きビン

蓋回し、ビンを逆さにして中身を出すこと、手のひらを丸くして麦チョコが落ちないようにすること、を覚えました。

あっちゃんはお菓子を宝物として使っていますが、玉転がしが好きな子どもさんなら、公文のくるくるチャイムのボールやビー玉を宝物として使えます。

本人のずっとの運動感覚を満たす教材

あっちゃんは注視の時間が短く、玉転がしのたぐいは、今のところ喜びません。

くもん出版(KUMON PUBLISHING) くるくるチャイム
【日本製木のおもちゃ】コロコロシロホンM63

あっちゃんが喜んだのは、水口 ふかし先生の棒差しでした。

入れることが3本続くようになりました。

棒差しと似ている教材は “Abbraccia” モンテッソーリ木製スティックおもちゃ

だんご差しもあっちゃんは非常に喜んで、お母さんが言うには、今一番この教材をを気に入っていて、いくつも入れるそうです。

このだんご階段と似ている教材は 積み木 数える リング スタッキング

玉の大きさも、あっちゃんの手のひらにちょうどよく、玉の穴も、棒も大きいので、あっちゃんは一生懸命、玉の穴と棒を合わせようと、目で注視して、手を調整します。

玉が棒に沿って、スーッと入っていく感覚が楽しくて、イライラせずに目と手を調整する様子です。

目がじっと見ています

玉転がしのたぐいと、棒差し・だんご差しの違いは何か?

一晩考えて、気がついたのは、玉転がしは目で追視して、玉の動きを楽しむ視覚教材で、手の感覚運動は入れる時の一瞬だけです。

棒差し・だんご差しは、始点から終点まで、手の運動感覚がずっと継続する教材だから、あっちゃんは楽しいのではないかと思い至りました。

そうだとすれば今のあっちゃんには、ずっと継続する運動感覚を楽しむ教材が必要だと分かります。

例えば、以下のような教材です。

中野尚彦先生考案 これと似ている教材はモンテッソーリ教材
田研出版の教材と似ている教材は Folpus DIY ビジーボード 運動能力 トラックとスライド 教育モンテッソーリ玩具
この塩ビ管差しと似ている教材は手指先運動|田研出版のシリンダーペグ
このだんごさしと似ている教材は モンテッソーリ スタッキングタワー はじめてのつみき ブロックスタッキング
水口ふかし先生製の棒差し

ずっとの運動感覚を満たす教材で注視を形成、その後で玉転がしも楽しめるようになる

ずっとの運動感覚を満たす学習の後に、一瞬の玉入れ感覚運動や、見比べて入れ分ける課題、玉転がしの追視教材を楽しめるようになるのではないかと思います。

ピンポン玉入れ 100円ショップのシール容器で作れる
円板スリット通しの円板は くもん出版ジャラットプレート
似ている教材は PHENOFICE 1 セット モンテッソーリ 教育 補助 コイン モンテッソーリ教材
これと似ている玉転がしは TAG 注意力と動きの予測をさせるトラッカー TGSR3

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