L 君は、4歳4ヶ月の可愛い男の子です。
半年ほど、毎回こだわって触っていた、病院の廊下の角の「出会い頭に注意」マークに、7月から触らなくなりました。
毎回、そこで一緒に、「走るとぶつかっちゃうね。歩こう。」と、共感して確定して、触ることを卒業したような気がします。
リズム運動に参加しない理由
L 君は保育園で、大勢でするリトミック=リズム運動は、参加しないで床にゴロゴロしていると、保育園の先生に指摘されていました。
L 君は、もともと動物が好きな男の子です。
そこで、リズム運動に出てくる、動物の写真をインターネットから L 判写真にプリントアウトし、ラミネートしてアルバムにしました。
保育園に届けると、踊れる動きの時はリズム運動に参加したり、できない動きの時は写真を見て椅子に座っているようになりました。
写真を見せると、L 君は、学習に来るたびに、リズム運動を、写真を見ながら踊りたがりました。
L 君に聞いてみました。
「上手に踊れるのに、どうして保育園では、リズムに参加しないの?」
L 君が困って黙っていると、お母さんが代弁してくれました。
「もっと上手に踊れる子がいっぱいいて、自分は上手に踊れないから嫌なんだそうです」
リズム運動に対する、理想の高い、 L 君でした!
踊りが上手くなるコツを、言語化して、 L 君に伝えた方が良いと、私も考え直しました。
例えば、「カメは頭を上へあげるよ」➡頭が上がると美しい姿になります。
「カニのチョキは手を上へ」⇔ L 君は左手の指が弱いです。
「トンボの時は、床を見て、足を後ろへ、いっぱい上げる」⇔L君は水平になれず、立っています。
リズム運動を、かっこよく上手に踊れる子どもさんには、これらの言語が、おそらく感覚的に備わっているんですね。
そういう子どもさんは、器用な子どもさん、あるいは運動能力の高い子どもさんと、言えるでしょう。
L君は、身体全体にもまだまだ筋力がないので、療育に来る度に毎回、小さな鞄に厚手の本を入れて、手に重いものを持つ練習をしています。
腰高で、雑巾がけなどもチャレンジさせたいですね。
療育の部屋の扇風機 緩衝行動
小児科の療育で、L 君と学習している部屋はこんな部屋です。
学習の机は、キャスター付きですが、キャスターのブレーキペダルがほとんど効かないので 、ピアノの下に敷くキャスター止めを思い出して、カインズで購入しました。
机が動かなくなりました。
L 君は、3歳頃は、私が提示する課題が、難しく分からなく面倒になると、扇風機に向かうことが多かったです。
扇風機のオンオフボタン・強弱ボタンを押したり、タイマーのダイヤルを回したり、首振りを回したりして、自分の手で操作することで、扇風機がどう動くのかを調べていました。
自分だけの楽しみ、閉じた自己回路だと思います。
梅津八三の言葉を借りれば、「緩衝行動」と言えるでしょう。
疲れを癒したり、億劫なこと・難しすぎることから逃げたりする、わかりやすくて楽にできる行動です。
簡単な課題・大好きな恐竜やアンパンマンのパズルに戻すと、また学習に踏み出してくれます。
扇風機探索行動=緩衝行動が悪いというわけではなく、次の新しい行動への踏み出しのために、必要な行動でした。
扇風機の探索は、危なくないように見守りながら、その間に、お母さんから最近の困りごとを聞いていました。
扇風機は、指を入れて危ないので、ダイソーのネットをしました。
4歳になってからは、学習が楽しいのか、扇風機をいじらず、扇風機探索は卒業したようです。
学習は、常にこちらが相手をするので、複雑に際限なく進展しますが、扇風機探索はL君一人では、じきに終わりが来ますね。
扇風機探索は閉じた行動、学習は開いた行動です。
扇風機を写真に撮って填め板にして、閉じた行動を開いた学習行動にしていくことも可能です。
人は誰でも、開いたり閉じたりして暮らしています。
開閉の調整を微細にできないで、能力以上に外側に開きすぎると、不登校になったり、うつ病になったり、介護放棄が起きたりして、自分の身を守りますね。
閉じて休むことも、大事なことです。
L君の色・形・数・文字の学習
L君は今、お母さんの要望で、主に色の学習と数の学習をしています。
ひらがなの学習も、少し入れ始めました。
アンパンマンが好きなので、アンパンマンの五十音表を出したところ、L君がパッと見て、「難しい」と言いました。
ところが、私が一行ずつ、「あ」から順番に文字ピースを出していくと、46枚全部、楽しんで入れてしまいました。
順番に出してあげるのでいいのです。
スラスラできる時、意欲は継続します。
出来上がると、嬉しそうでした。
気持ちが言えると穏やかに落ち着く
気持ちの言葉の表出にも、力を入れたいと考えています。
昨日が涼しかったためか、療育では、もともと喘息のあるL君が、正面玄鍵の検温で少し咳が出て、療育が中止になりました。
私が正面玄関の椅子で、L君に「お勉強して行く?」「売店でおやつを買って帰る?」と気持ちを聞くと、「帰る」と気持を言えて、売店での買い物を選べました。
売店でも、お釣りを貰うと、いつもなら必ずやる、ユニセフに寄付する貯金チャリン行動もしないで、さっさと玄関に向かいました。
駐車場の車まで送って行くと、ゆったりとニコニコして帰りました。
お母さんは「ユニセフ貯金の常同行動は卒業したのかな?」と、メールをくれました。
咳の出る体調もあって、L君も帰りたかったのだとは思うのですが、L君がいつもと違う行動もとれるという事に、お母さんも私もL君の成長を感じました。
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