分数の約分が苦手な子どもの助け方

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分数の約分で、「九九がすぐ出てこない」という相談がありました。

九九の、全ての段の、混合の、順不同の、横式の計算は、できるそうです。

これは、素晴らしい力ですね。

以下のプリントのような、左から右へ、一方向に考えれば良い九九はすんなりできる。

ちびむすドリル

これの虫食い算も、できると良いと思います。

ちびむすドリルを改変

虫食い算は、左右両方向に考えないといけないから、左から右への一方向よりも、思考が複雑です。

分子も分母も九九で割る約分は難しい

しかし、約分は難しい。

約分は、分子も分母も、九九で割らなければならない、二重の仕事だから難しいですね。

その子は、約分になると、下のプリントの(1)21分の6を、3の段で、3×1が3,3×2が6,3×3が9,3×4=12,3×5=15,3×6=18,3×7=21と、順につぶやいて考えているそうです。

むげんプリント

分子も分母も、3の段で割れる!と、わかるのだからすごいと思います。

順に言ってやくすことが、一番の基礎なので、けなさないようにしましょう。

けなすと、脳が働かなくなり、意欲を失います。

できていることを、褒めると、自信が出て、脳が働いて、集中時間も長くなります。

大人は自分が楽にできるから、子どもにも一発解答を要求しがちです。

しかし子どもは、習得途上なので、順に言うやり方の次に、×5より大きいか小さいか予想できるようになり、年齢が上がってくると短時間で見当がつくようになります。

分数の約分は、共通の約数を脳内で考え、分子も割り、分母も割る、二重の割り算だという難しさを、大人が理解してやりましょう。

「割り算の横式が、上の段6÷3にも、下の段21÷3にもあるんだから、難しいよね。」という共感や、なぜ難しいかの言語化が大事です。

「どうしてできないの!」ではなく、どこが難しいのかを大人は考えましょう。

横式の割り算のプリントをやってみよう

横式の掛け算はできる、しかし分数の約分をすぐにできない。

横式の掛け算と、分数の約分の中間として、横式の割り算をやってみたらどうか?と考えました。

ちびむすドリル
ちびむすドリルを改変

横式の割り算のプリントを90度回転してやってみよう

その後、プリントを90度回転させ、(1)は、35分の7、20分の4と式を読みます。

(1)の答えは、35に斜線を引いて脇に5,7に斜線を引いて脇に1と、記入します。

ちびむすドリルを改変

÷が、「ぶんの」の横棒ぶんのですね。

また、約数を目に見えるように、2,3,4,5,6,7,8,9の数字を、プリントの上段に書くと、良さそうです。

むげんプリントを改変

脳内にある約数を、脳外に数字で出して見せておく、脳内記憶の負担を減らします。

是非チャレンジしてみてください。

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 病院小児科で臨床発達心理士をしています。
 梅津八三の心理学、行動調整法、子どもの行動理解、育児、教材、ソーシャルスキル、介護、猫の行動について投稿中です。

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