右のかかとの血腫と水泡
97歳で、要介護4のヤエさんは、自宅から50km 離れたグループホームへ20日間お世話になり、遠方の病院に28日間入院した。
そのグループホームを退所して、再び自宅で、車椅子とベッドの生活を始めた。
以前利用していたデイサービスを、また10:30~17:30、利用させてもらった。
ヤエさんはデイサービスを憶えていて、ニッコリした。
要介護5になったヤエさんの右のかかとの異変に気づいてくれたのは、デイサービスの介護士さんだった。
入浴の時によく見てくれたのだろう。
私は毎朝毎晩、ヤエさんの靴下を履き替えさせていたが、足の指や爪・足の甲を上から見るだけで、後ろのかかとを見なかったので、全く気づかなかった。
右のかかとを見てみると、初日は1㎠くらいの小さな血腫に見えた。
翌日には3㎠の水泡になった。
デイサービスに隣接する小規模多機能の看護師さんが特別サービスで、ヤエさんのかかとを保護する剥がれないテープを貼ってくれた。
病院入院中は、体位交換で横向きになり、ひざ下にクッションを入れられて足を曲げていたため、かかとに体重がかからず、血腫はできなかった。
しかし、自宅に戻って1か月、ヤエさんのこれまでの習慣のあおむけ寝になったので、かかとに体圧がかかった。
もともと右足の血行が悪かったので、起きたことだと思った。
デイサービスの介護士さんがかかとに体圧がかからないようにと、保護マットを教えてくれた。
タオル2枚をドーナツ形に丸くして使うのだと言った。
私は要らないマットレスの切れ端で穴あきドーナツクッションを作った。
かかとを浮かせるには膝とふくらはぎを高くしないと無理だった。
入院で左のかかとの褥瘡を診てもらえた
7月になって、苦しそうな呼吸と発熱で、ヤエさんはデイサービスから緊急に近くの病院へ搬送された。
私が駆け付けるまで、デイサービスの介護士さんがずっと付き添っていてくれた。
呼吸器や心電図測定など、応急手当がなされ、ヤエさんは入院した。
そのとき、介護士さんがヤエさんの左足にでき始めたかかとの褥瘡について、医師や看護師さんに伝えてくれた。
右のかかとを保護していたために、左のかかとに体重がかかり、血行が悪化したのかもしれなかった。
入院中に外科の医師が、ベッドでかかとの褥瘡を診てくれた。
2年前に、ヤエさんの脱腸の手術をしてくれた医師だった。
褥瘡の治療は、清潔に洗うこと、薬を塗ること、この2つが言い渡された。
褥瘡治療の石けんと薬
自宅ではヤエさんをエレベーターとキャスター椅子で浴室へ連れて行き、褥瘡のない足は濡れないようにポリ袋で包んで、持田製薬のコラージュフルフルという低刺激の泡石鹸で褥瘡の足のかかとを洗い、薬を付けて、包帯をした。
包帯止めテープはあらかじめ10cmに切っておくと作業が楽だった。
薬には脂分があって、シャワーで洗い流すと、浴室の床がねっとりした。
デイサービスでは、入浴日以外は毎日足湯をしてくれた。
褥瘡に薬を付ける行為は看護師さんの仕事にあたるので、デイサービスの介護士さんにはできない行為だったが、ヤエさんのために足湯と称して、褥瘡をきれいに洗い、薬を付けて、包帯をしてくれた。
助かった。
入浴利用料の500円(1割負担では50円)を取って欲しかったが、無料サービスだった。
褥瘡治療には栄養も大事
入院中、褥瘡を知った永井医師は内科的に「褥瘡の回復には栄養も大事です」と教えてくれた。
摂食指導に来てくれた言語聴覚士さんの持ってきたジャネフのプチゼリーをお手本に、 Amazon でゼリーを探した。
ヤエさんは一度にたくさんは食べられないので、少量で栄養価の高いものが良かった。
これまでも、カロリーメイトやバナナ、メイバランスやネスレのPCF・ネスレのHGは、自宅でミキサー食に使ったことがあった。
それに加えAmazonで見つけたのが、スティックゼリーカロリータイプと、ささみプロテインバーだった。
テレビショッピングで、馬プラセンタの粉末も購入し、メイバランスのたんぱく粉末とともに入院中のヤエさんの病院ムース食に混ぜて食べさせた。
リポビタンキッズドリンクも、病院の食事に持ち込んで、トロミ粉末と混ぜて飲ませた。
ビタミンECBのビトンハイ粉末と充実カルシウム粉末も病院のムース食に混ぜた。
真夏に退院してからも、以下の画像の粉末をムース食に混ぜて、ヤエさんが少量しか食べなくても栄養が摂れるように心がけた。
かかとを浮かせる工夫
ネットで足首入れ保護材を見て買って、ヤエさんの足を入れてみたがしっくりこないのですぐやめた。
ニトリのもちもちクッションと、プレミアフィットマットレスを切ったクッションが柔らかくてよかった。
ヤエさんのかかとの褥瘡は2ヶ月で綺麗に治った。
98歳、要介護5のヤエさんのかかとの褥瘡が治って、外来通院の日に外科の医師に褒められた。
ヤエさんもニコニコした。
デイサービスの介護士さんの足湯と手当のおかげだった。
要介護5になると、嚥下も退行し、胃ろうや経鼻栄養などで栄養を摂っていらっしゃる方も多いと思います。
皆さんが介護で抱える褥瘡は、骨まで達するような、もっと重度の褥瘡だと思うが、治療には医師の薬だけでなく、栄養も大事だと知ったので紹介しました。
猫ちゃんブログへのコメント