我々大人は、音声会話が楽なので、音声でやり取りしたいです。
身振りや絵や写真を使うことは、大人にとっては少々面倒なコミュニケーションですね。
しかし、まだ音声のことばがない子にとっては、目に見える身振り・絵・写真が分かりやすく、子どもの行動をうながします。
保育園の先生が音声の言葉で指示しても、子どもは先生の声掛けの前に見ていたものに気を取られています。
見える言葉としての写真が分かりやすい
そこで写真カードという、見える言葉の登場です。
「先生の音声の指示で子どもが取り掛かれない時に、写真カードを子どもの目に見せて誘ってみてください。」と、目に見える言葉としての写真カードを作り、保育園の先生がたに活用をお願いしてみました。
触覚系が一番子どもの気を惹く感覚なので、写真カードを手に持たせると、見せるだけより、その気になる可能性が高まります。
子どもが情報を取る発達の順序が、触覚➡視覚➡聴覚だからです。
その場所から持って来られない物は、写真を使うとよさそうです。
子どもの目の前に持って来られない場所や物を、A4の写真にしてみました。
1人の先生が全員に向けて、一斉の指示を出すときに、使えそうです。
1.トイレ おしっこ うんち
2.水道いく 手を洗う
3.おそと ブランコ 靴を履く
4.ロッカー
など。
道具のいらない身振りを多用した言葉かけ
身振りも言葉です。
大抵の行動は、先生の身振りを見せれば、言葉として伝わるかと思います。
言葉のまだない子どもや取り掛からない子どもには、①身振りで物や場所を伝える。 ➁写真を手渡す。
行動(見せる身振り)
1.カバン( 両手で四角をなぞる)
2.通園帽子( 頭チョンチョン+ロッカーを指さす)
3.園服( 先生のTシャツを引っ張って 両手で脱ぐ真似をする)
4.靴を履く( 足の甲をトントンと触れる)
5.カラー帽子( 頭チョンチョン+ロッカーを指さす)( 帽子の写真を見せる)
6.園庭へ行く(園庭を指さす)
7.手を洗う(手を洗う身振り)
8.給食を食べる( 食べる身振り)
9.水を飲む( 飲む身振り)
10.タオルで拭く( 手を拭く身振り)( タオルの写真を見せる)
11.トイレに行く( トイレの方向を指さす)( トイレの写真を見せる)
12.おむつ( 写真を見せる)
13.昼寝をする( ねんねの身振り)
14.机に行く(両手を大きく広げて四角をかたどる身振り)( 机の写真を見せる)
15.椅子に座る(おしりをトントンする)( 椅子の写真を見せる)
16.お帰りの用意をする( ロッカーを指さす)( ロッカーの写真を見せて持たせる)
以上のような大抵の行動は身振りで促すことが可能ですね。
身振りにできにくい物は、写真を見せたり、写真を手に持たせたりすると、子どもにとって分かりやすいです。
自分の信号
身振りは、道具が要らないので、割合大人にも起こしやすい行動かなと思います。
写真カードは私が考えたものなので、現場の保育士さんにとっては、突然提案された他人の信号です。
どう使ったらいいかわからない、保育のポケットに入れておくのか、ロッカーの上のかごに入れておくのか、使い方がわからない、と困り感や拒否感、億劫さ、もあると思います。
それで当たり前です。
自分で取り込んだ信号であれば、活用することが可能です。
身振り1つでもいい、集団参加に遅れ気味の子どもさんとの間で、目に見える身振りを使ってもらえたら嬉しいです。
5歳児のクラスの先生の所に立ち寄ったら、早速、予定表が先生ご自身の「自分の信号」で出来上がっていました。
情報を取り込んで行こうとする前向きな姿勢に感心いたしました。
猫ちゃんブログへのコメント