音声の言葉のない多動な自閉症児の療育9 宝さがしと棒さし玉さし

記事内に広告が含まれています。

あっちゃんは、知的特別支援学校小学部重度重複学級の1年生です。

あっちゃんのクラスでは、子ども3人に、2人の先生がついています。

音声の言葉のないあっちゃんにとって、感覚を楽しむことが、あっちゃんの言葉です。

実物を触る行動=触覚も言葉

我々が脳内で音声の言葉で考えているのと同様に、あっちゃんも触覚の言葉を使って考えています。

床を素足で歩くあっちゃんは、足の裏も大事な触覚の言葉だと思うので、DIYELL バランスストーン 平均台を設置しました。

平均台はお家に持って行ってもらいました。

この日、あっちゃんはいつもの20分で帰りたいというドアへの接近がなく、35分間、この平均台を歩いて楽しんでいました。

トランポリンも1度しか飛ばず、ベビー椅子に上がることも2度だけでした。

平均台を楽しんでくれたのは良かったのですが、椅子に座る回数が減りました。

あっちゃんは5月6月7月、学校で学習や給食の時に座っている成果で、療育でも学習椅子に座ることが増えました。

しかし8月の夏休みを挟んで、9月の学習では、平均台を楽しんだこともあって、ほとんど椅子に座らず、立ったまま宝探しの学習をします。

手の運動中、あっちゃんの目は手を見続ける

この日の学習では、セリアやダイソーの透明容器で、蓋を回す開けかたがとても上手になったので、お母さんはあっちゃんの手が器用な様子を何度も褒めて、喜んでくれました。

コーンチョコはマルエドラッグ。透明容器はダイソー。

手が蓋を回して開ける運動中、あっちゃんの目は、じっと手の運動を見ています。

注視の継続には、手の運動の継続が必要だということを知りました。

自分でやることと、人に頼むことの選択的行動が起きる

あっちゃんは、蓋がゆるいと自分で回して開け、蓋がきついとお母さんや私に渡して頼んで来ます。

自分でできるのか、人に頼むのか、あっちゃんが2つの行動を自分で選択できると良いと考えています。

持ち続ける、取ろうとする、つまむ、蓋を回すなどの手の運動

獲得するコーンチョコは大きいので、あっちゃんは容器を逆さにして手のひらでつかめます。

スーパーベイシアにあった麦チョコとコーンチョコ

麦チョコは小さいので、あっちゃんの指からこぼれることがあります。

次回は、小さな容器に麦チョコを入れて、それを細長い容器に入れて、蓋回し行動も2回やってもらいます。

ダイソーの透明容器どちらも2個100円

あっちゃんの指は、まだまだ不器用です。

何かをずっと持つということが必要だと思って、下のような透明バッグを用意しています。

大好きなコーンチョコなら、持ち続けてくれるのではないか、と考えています。

ダイソーの透明袋100円

椅子に座ってもらうために、宝さがしと玉さしを合体させる

学習の時、あっちゃんが椅子に座って机で学習するというのは、私のこだわりです。

あっちゃんが椅子に座って落ち着いた方が、教材全体や私のすることをあっちゃんが見やすいと考えるからです。

あっちゃんが、もっと椅子に座る環境を、作れないだろうか?

そこで、あっちゃんが好んで繰り返してくれる直接法宝さがしと、あっちゃんの好きな棒さし・玉さしの教材を合体させようと考えました。

ダイソーの半透明の「お米保存容器」300円を使います。

蓋開けの木工作をしなくて済むので市販品は時短でありがたいです。

お米保存容器に、宝物を入れるところを見せて、あっちゃんに椅子に座るようすすめます。

あっちゃんは蓋を開けて、宝物をゲットします。

コーンチョコは、蓋を回して開ける透明容器に入っています。

お米保存容器を2つ・3つ・4つ、机の上に並べて、あっちゃんに椅子に座るようすすめ、宝物を探してもらいます。

お母さんもいつも、「座って食べようね」「座って飲もうね」と誘ってくれます。

あっちゃんが、お米保存容器の宝探しが分かったところで、あっちゃんの好きな3本の棒さしや玉さし教材をお米保存容器の蓋にのせます。

あっちゃんは長く感覚が楽しめる5の棒のところが好きです。

玉を棒に入れるようにすすめ、1個でも2個でも玉さしができたら、私が蓋を開けてやります。

ゴールの手前の玉さしの玉を入れ終えたら、ゴールのコーンチョコをゲットできる学習です。

教材は、あっちゃんが一番好きな棒さしと、大きめのだんごさしで、この直接法回り道学習をやれると思っています。

なのでお母さん、次回は、➀お菓子の大きい容器、➁3本の棒差し、③大きなだんごさし、④小さな8本の棒差し、⑤てんとう虫のソフトな棒差しの5種類を持ってきてください。

いつも、全部の教材を運んできてくださり、ありがとうございます。

お母さん用の教材袋も、用意しました。

ダイソーのメッシュ袋。持ち手が短いところが持ちやすい。

帰りたいのドア接近行動を、人への伝達にできないか

35分たったところで、あっちゃんがドアに接近し、帰りたい様子を見せました。

まだ、あっちゃんには、車の鍵や、車の鍵を入れた透明ケースを、人に手渡す合図が成立していません。

お菓子の透明容器は「開けて」と手渡してくれるようになったので、同様に、初めからお菓子の透明容器と同じものに車の鍵を入れておいたら、「帰りたい」と手渡してくれるかもしれないので、次回チャレンジしてみます。

直接的なドア開け行動だけでなく、帰りたいという意思表示に鍵の容器を渡してくれる、人に伝達する行動を増やしていきたいと考えています。

実物を手渡す、実物が入った容器を手渡す、実物に近い大きな切り抜き絵カードを手渡す、あっちゃんとの意思交換がそんな風に進化していくといいなと考えています。

いつもブログランキング↓をクリックしてしてくださり有難うございます。

人気ブログランキング

にほんブログ村 猫ブログ 元野良猫・元保護猫へ

 病院小児科で臨床発達心理士をしています。
 梅津八三の心理学、行動調整法、子どもの行動理解、育児、教材、ソーシャルスキル、介護、猫の行動について投稿中です。

#猫ちゃんをフォローする
感覚運動
#猫ちゃんをフォローする
スポンサー広告リンク

猫ちゃんブログへのコメント

タイトルとURLをコピーしました