就学時健診を終えて、ランドセルを購入し、入学の準備を始めているご家庭も多いかと思います。
朝から元気に遊ぶ保育園文化と、朝から座っていることを求められる小学校文化には、大きなギャップがあります。
発達障害のある子どもたちは、この大きなギャップのため、小学校文化に慣れにくい子どもたちです。
今から4月まで、家庭と保育園でできる、子どもたちが小学校文化に慣れやすい、教材と声かけをご紹介します。
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パズルは子どもの運動感覚を満たします
子どもたちは、手で触って、手で操作して考えることが大好きです。
テレビのリモコン操作と同じに、自分の押したボタンに対して、すぐに反応があるので、子どもたちはゲームを好きなんですね。
パズルは、子どもの「填まる」運動感覚を満たします。
一人だけでやらせておかないで、家族と会話を増やすチャンスにしてください。
例えば、色の名前、数と量、指型、見えないものを想像すること、1ランク上のカテゴリー概念、交通ルールなどについて会話することができます。
「パトカーは白と黒だね、消防車は赤だね、救急車は白と赤だね、タイヤは2つしか見えてないけど向こう側にも2つ隠れているから全部で4つだね、ショベルカーは黄色だね、車(=乗り物)は全部で6台だね、信号機があるね、横断歩道を渡るね、道路ではルールを守るんだね。」などです。
恐竜が好きな子どもさんだったら、「トリケラトプス」「ステゴサウルス」という一つ一つの恐竜の名前を一緒に覚え、「全部まとめて恐竜と言うんだね」と、ワンランク上のカテゴリー概念を教えます。
「全部」という時に、大きな身振りで、両手で円を描いてください。
この「全部」が、足し算の基礎にもなります。
下の恐竜パズルにはかなり厚みがあり、子どもが扱いやすいです。
ダンボールの厚みが薄いのが残念なのですが、ベニヤ板で作ると丸1日かかるので、昆虫の好きなお子さんにはダイソーの昆虫パズルがオススメです。
ここでも、一つ一つの名前を一緒に覚え、その上位カテゴリーに、「まとめて昆虫」という全体総称があることを教えましょう。
ひらがなやカタカナの勉強に子どもの好きなものを使おう
小学校で最初に習うのは、ひらがな文字です。
大人のお手本の文字を「なぞる」の次に、「見本を見て真似して書く」ができるといいですね。
曲線の多いひらがな文字よりも、直線の線分で構成されているカタカナの方が、子どもにとってはやさしいです。
恐竜や昆虫の好きな子どもさんには、ダイソーの「ものしりカード恐竜」「ものしりカードカブトムシ・クワガタムシ」がおすすめです。
好きな恐竜や好きな昆虫の名前を、家族が紙に鉛筆で書いてやり、鉛筆の上をホワイトボードマーカーなどでなぞれば、カタカナ書きの練習になります。
マーカーは、鉛筆よりも弱い力で楽に書けます。
カタカナが楽に書けるようになったら、カタカナの下に、ひらがなもなぞれるように、鉛筆で書いてやるといいですね。
筆圧が弱い時
筆圧が弱いお子さんには、太いホワイトボードマーカー、太い三角鉛筆6B・4Bがおすすめです。
セリアには、鉛筆削りもついた、太い三角鉛筆が販売されています。
また、筆圧が弱い時は、プチプチなどを、親指と人差し指で、つぶしていく指遊びもおすすめです。
色鉛筆で「ぬりえ」を塗ることも、力が入るので、筆圧のアップにおすすめです。
インターネットからプリントアウトすれば、様々な塗り絵をプリントできます。
女の子用に、ディズニープリンセスのプリントなどもいいですね。
家庭では、家族と一緒に、やかん磨き、なべ磨き、鏡磨き、お風呂の浴槽磨き、洗面台磨きなどで、力を入れる経験もできるといいですね。
保育園では、保育室や廊下の雑巾がけなどをさせてください。
「指を開いて、頭を上げて」、雑巾がけするように声をかけてみてください。
乾拭きでも、濡れ雑巾でも、どちらでもいいですね。
お絵かき
小学校では授業中、課題が速く出来上がったり、雨の日の休み時間には、自由帳に絵を描いていい時があります。
お絵かきも、なぞり描きで練習しておくと、だんだん全体の形を覚えて、自力でも描けるようになります。
絵が上手いと、周りの仲間から尊敬されます。
100円ショップで売っているトレーシングペーパーで、恐竜や昆虫の形をなぞるお絵かきもできます。
描き方を覚えるには、音声の言葉が言えることが重要です。
大人がそばで、「顔だね、目だね、鼻だね、口だね、身体だね、背中のトゲトゲだね、指は4本なんだね」などと、恐竜の身体の部分を言ってあげましょう。
おもちゃ売り場で無料でもらえる「トミカ プラレール カタログ アニア 2022」なども、白黒拡大コピーして、カタカナなぞりや、トレーシングペーパーお絵かきに使えます。
子どもの人数分をコピーや印刷することができれば、保育園でも一斉に塗り絵ができます。
「何々を頑張ったら、ゴールで塗り絵ができます」という、予告や目標に使ってもいいですね。
神経衰弱と しりとり
「あいうえおかるた」は、保育園でもやっているところが多いですね。
保育園では、4~5人のグループで、かるたをするときの、仲間とのルールを大切にしてくれています。
下の画像の一番左のメモリーカードは、神経衰弱のカードです。
神経衰弱のルールを伝えにくい時は、最初にカードをすべて見せておいて、「あなたの好きな乗り物で同じカードを2枚取ってください」と言って始めます。
絵が見えているので、同じものを探しやすいです。
そのルールが分かったら、1枚は全部の絵を見せておいて、もう1枚の同じ絵をすべて裏返しておきます。
「好きな乗り物と同じ絵を、裏返しの中から探そう」というルールです。
それも分かったら、2枚ずつの全てを裏返して、本格的な神経衰弱の絵合わせを始めるといいですね。
しりとりも、初めは、お父さんと子どもペア、お母さんと子どもペアなど、家族で2対2になって、しりとりの見本を見せる教え役と一緒に学べるといいと思います。
カードでしりとりの仕組みがわかると、音声だけのしりとりもできるようになります。
カードや音声でできなくても、1年生になって文字を覚えてから、できるようにもなるので、子どもに難しい時は無理をしないでください。
自閉症スペクトラムのある子どもに、分からないことを無理に押しつけると、どもるようになったり、チック症が起きたり、自傷が起きたり、他害が起きたりします。
数の学習 算数
入学後の算数のために、左から右へ並べる、左から右へ数える、ということを心がけてください。
食器の数を数えたり、本の数を数えたり、6・7・8の数を指型で表わしたりしましょう。
ダイソーの、10以下の足し算の、ドットカードもおすすめです。
初めは正解を見せておいて、言えるようにしましょう。
慣れてきたら、答えのところを大人の指で隠して、質問してみましょう。
足し算は、大きい数を指型で作って、そこに小さい方の数を足していく、というコツも教えましょう。
時刻の学習にはアナログ時計とデジタル時計をガムテープでくっつけよう
100円ショップのアナログ時計とデジタル時計を裏側からガムテープでくっつけて、テレビの真横などのよく見る場所に置くと、時刻を読む学習に最適です。
みじかい針が「時」の針だと、教えましょう。
保育園では、12時・3時など、ちょうどの時刻、正時が読めれば十分です。
時と分の両方を教えると混同しやすいので、初めは「時」の針だけ教えてください。
長い針が「分」の針になります。
「何時」が読めるようになったら、後から、アナログ時計の円周の線|||||||||||||||||||の上に、アクリル板上でいいので、1から59までの数字を油性マジックで書いてもいいですね。
子どもの好きなこと・得意な領域を子どもの適応行動に使う
病院の待合室で時間をつぶす時、好きなミニ本を持っていくと、時間を待ちやすいですね。
100円ショップのミニ色鉛筆を持っていけば、下の名刺サイズの塗り絵をして待つことができます。
A 4サイズにプリントした絵を、100円ショップの名刺用紙に、縮小コピーしました。
学校に入学してから、発達障害のある子どもさんが、学習やルールが難しくて、離席や教室離脱の初回が起きた時、すぐにこのミニコピーをあげて、自分の席で塗らせてみてください。
もちろん、トーマスが好きだったり、ポケモンが好きだったりしたら、その絵がいいです。
筆箱に入れて、持たせておきましょう。
先生もポケットに入れて、持っていましょう。
子どもは、手に触覚運動の仕事があると、ものを手に持つと、手を塞がれると、目的が分かって落ち着きます。
ぬりえより高級な学習になれば、昆虫の名前探しゲーム初級編や、昆虫算数のプリントもすすめます。
着席行動を進める時も、その子の好きなものを活用してください。
先生は、4月のうちに保護者から、好きなもの情報をもらっておきましょう。
SOS
梱包材のプチプチは、クールダウンのリラックスにも使えます。
家庭のテーブルや、学校の机の上にセロテープで貼り付けておいて、休みたくなった時、それを手に取るのもいいですね。
衝立のコーナーに隠れて、寝転がってやってもいいです。
集中して、指先を使うと、落ち着きます。
学校文化のソーシャルスキル
TOSS 教材の5色「ソーシャルスキルかるた」も、家庭や保育園で使っておくと、学校文化に慣れやすくなります。
4月の学校文化は
①席に着く、
➁黙って先生の話を終わりまで聞く、
③質問があるときは手を挙げて待つ、の3つです。
おうちでも、
①終わりまで座ってご飯を食べる、
➁お父さんやお母さんの話の途中でしゃべらない、
③「飲んでいい?」「食べていい?」「喋っていい?」「使っていい?」「見ていい?」という許可を得てから行動する、練習をしておきましょう。
1日の流れでは、保育園でも、家庭でも、午前中は椅子に座って製作や工作、お絵かきなどをやり、給食後、午後にたっぷりと園庭や室内で遊ぶと、学校との文化ギャップが少なくなります。
①10分間の黙食、
➁先生の話を最後まで聞いてから手を上げて尋ねる、
③ゴミ捨てやトイレなど、何々していいか?先生に聞いてから行動する、
その3つも3月まで保育園で心がけてください。
就学を迎える親子さん、保育園年長さんは、ここまでをチャレンジできると、いいですね。
漢字カード
1年生になると、漢字も習います。
100円ショップのカードは、2組ずつ買うと、使える用途が広がります。
例えば、ダイソーの漢字カードは、2組購入すると、絵を見せて、対応する漢字を選んでもらうことができます。
読み札と取り札、のような関係ですね。
漢字を分けて覚えていくには、漢字を同時提示することが必要です。
男は、田と力で構成されます。
足と虫は、似ています。
男と町も似ています。
似た要素の全体を、一度に見せます。
大人であれば脳内でしている比較を、カードで同時に脳外に見せるのです。
どこが同じでどこが違うか、それらを分ける時に、説明する音声が漢字記憶を助けます。
この類似点と相違点を説明できれば、漢字を記憶できます。
覚え方の音声を言えないで、目だけで写している子どもは、漢字を記憶できません。
漢字のへんとつくりを、1年生の象形漢字やカタカナで言える、部首の名称が漢字記憶につながっていきます。
子どもが漢字の部首を言えない時は、漢字練習のそばで、大人がずっと言ってあげましょう。
「花は、草冠・イ・ヒ」と言えると、記憶します。
社会や理科のカード
図鑑が好きなタイプの子どもさんは、社会科の日本の特産品や、理科の身体の仕組みのカードが好きかもしれません。
これらは、社会や理科の知識だけでなく、国語の読みの学習にもなります。
テレビは字幕放送に設定することをお勧めします
年長さんから小学校6年生まで、テレビを字幕放送設定にしておくと、漢字が身近になります。
文章を耳で聞くだけでなく、文章や漢字を目で見ることが漢字記憶を助けます。
テレビをつけるなら、字幕設定がおすすめです。
すでに1年生の子どもさんも、特別支援教育の対象の子どもさんも、上記のような学習を家庭や学校で取り入れてみてください。
子どもが取り掛かりやすい、タブレットのアプリについては、以下で紹介しています。
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