日常生活があって初めてできる在宅介護
九州の豪雨被害のニュースに、心が痛む。
2011年の東北の震災の時、90歳要介護1のヤエさんは、テレビの激しい映像に拍手をしていた。
自閉症・知的障害の方と同様に、激しさを喜んでしまう、認知の誤解症状だった。
そのとき私は、我が家には日常があることの幸せを噛みしめた。
日常があることが有り難く、ヤエさんに丁寧に接しなければと思った。
毎年、豪雨被害や台風被害があって、防ぎようのない自然の猛威を思う。
人間が便利を選んだ結果の、地球温暖化で、自然はここまで荒れるのか?
私は雨が降っても仕事を休みたくなるような忍耐のない人間だから、集中豪雨の地域を捨てて、災害の少ない県に引っ越す気がする。
寝るところ、自分の家、それがあって初めて、在宅介護ができる。
今回も、日常を失ったご家族の、途切れた介護の苦渋を思う。
トイレで清拭できるペットボトルのシャワー
ヤエさんがトイレまで移動ができていた時、要介護3~4の、トイレでの清拭について書きます。
ヤエさんは要介護3、昼間、尿失禁パンツと尿2回分パッドを使った。
私が自宅トイレでウォシュレットを使い、アテントお尻拭きで清拭しても、熱々タオルで拭いても、パッドの失禁の尿臭・便臭が気になった。
94歳、ふと思い付いて、ヤエさんが便座に座ったままの状態で、「綺麗にさせてね」と、私が極薄ビニール手袋をはめて、900mlのペットボトルを逆さまにしてぬるま湯でパシャパシャと、前方から陰部や肛門を洗ってみた。
ペットボトルの蓋は外して、片手でボトルの口を押えて、逆さまにするだけだ。
排尿後、便座に座っているヤエさんに「後ろ、行って」と手の身振りもつけて頼んで、ペットボトルを逆さまにして、パシャパシャと股間の前方を洗う。
次に「前へ来て」と手の身振りもつけて、少し前方へ来てもらい、肛門を洗う。
ペットボトルシャワーで洗えば、アテントお尻拭きよりも、陰部・肛門付近の尿臭さが取れてきれいになる。
排便の後も、今まではアテントお尻拭きを使っていたが、それより簡単にきれいになった。
ヤエさんのお尻が、痛くなるまで拭かなくてよくなった。
安上がりにもなった。
トイレでのペットボトルシャワーは、風呂場のシャワーの代わりになった。
ペットボトルの湯音は、35~36度くらいがいい。
トイレの便座できれいに清拭できれば、下痢のときも風呂場まで移動して、シャワーで清拭しなくて済む。
冬、夜間の下痢の清拭に、朝、風呂場へ移動する際の温度差・ヒートショックの心配もなくなった。
トイレで、肛門をペットボトルシャワーで洗ってやると、ヤエさんの便が直腸・肛門に降りてきているかどうかの硬さも、私にはよくわかった。
足の付け根の尿かぶれ
要介護4、94歳のヤエさんは、夜間もアテント尿2回分のリハビリパンツで寝てくれた。
デイサービスさんでも、ヤエさんの排便後、ペットボトルシャワーで洗ってくれるようになった。
95歳からは、アテント尿5回分のリハビリパンツで寝てくれた。
続いて、ライフリー尿7回分のリハビリパンツで一晩中寝てくれた。
ヤエさんは浴槽につかる入浴を、毎晩自宅で私としていた。
私は尿便部位の清拭には注意を払っていたつもりだったが、ヤエさんの両脚付け根の尿かぶれに、トイレでも風呂場でも、6月まで全く気が付かなかった。
たぶん1月から尿7回分のリハビリパンツになって、かぶれが始まった。
私は毎晩入浴させている安心感から、洗い場でかがんで両脚付け根を見てやらなかった。
95歳だから皮膚のたるみもあり、ヤエさんは立位でも座位でも両足をぴったり閉じているので、内股が乾燥する間がなかった。
可哀想なことをした。
気付いてからは、入浴時に毎晩両足を大きく開いてもらい、弱酸性無添加泡石鹸コラージュフルフルでソフトに洗い、シャワーで丁寧にすすいだ。
また、浴槽内でも足を開いてもらい、石鹸分がよく落ちるように心がけた。
さらに昼間のトイレで、これまで尿便部位やオムツ部位だけペットボトルシャワーで洗っていたが、2本目のペットボトルシャワーで両脚付け根も洗い、丁寧に水分を拭き取り乾燥するようにした。
非ステロイド系のメンソレータムのカブレーナ薬で、1か月で良くなった。
ペットボトルは除菌ティッシュで拭いてから、口の所に熱湯をかけ、逆さまにしてキッチンペーパー上に置くと、衛生的に使える。
デイサービス等では衛生に配慮して、ペットボトルは個人用とし、共用は避けたい。
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