おしゃれなヤエさん
ヤエさんの衣類は、ヤエさんの好みの定番があって、購入は楽だった。
89歳、要介護1まで、ヤエさんが杖で歩けるうちは、デパートや大型スーパーへ一緒に買い物に行った。
要介護3になってからは、コンパクト車椅子に乗せて、何度かデパートに一緒に買い物に行った。
ヤエさんは、おしゃれな人だった。
明るい色や、細かな模様、柔らかい色合いが、好きなヤエさんだった。
要介護1くらいまでは、身長145cm 体重43kg、衣類は上がM サイズ、下がLサイズだった。
ヤエさんは、上はM サイズで良かったが、なで肩なので次第に上は S サイズになった。
要介護4では、141cm、40 kg、 S サイズ、要介護5では37 kg ぐらいだった。
90歳頃からは、衣類の選択は、私に任せるようになり、私が購入した。
93歳、要介護3ぐらいまで、気に入るものと気に入らないものがあったが、94歳、要介護4ぐらいから、私が買ったもので何でもよくなった。
私の買い物に文句を言わないヤエさんは、楽だけど、ちょっぴり寂しい気がした。
私は介護の初期の5年程は、ヤエさんの衣類をデパートで買うことが多かったが、中期の5年間は大型スーパーで買うようになり、最後の5年間は、専らユニクロやファッションセンターしまむらで、衣類を買うようになった。
T シャツ カシミヤカーディガン ダウンジャケット
ヤエさんの夏の衣類は、綿100%で、伸縮性があり、襟がなくて、涼しいことが条件だった。
ヤエさんのたった一つの注文は、ひじが出ないTシャツだった。
動脈硬化で、血流が悪くなり、腕が冷えるのか、半袖は嫌がった。
なで肩のヤエさんに、M サイズの長袖は、とても長すぎた。
それでいつも、七分袖を探すことになった。
要介護4の最後の方は、つっかぶり T シャツの脱着が難しくなったので、前開きのジッパーの T シャツを探したが、そういうものはなかなかなかった。
ラグラン袖のTシャツや上着が、なで肩のヤエさんに可愛く、脱着も腕が楽だった。
前開き T シャツがあると一番いいが、今のところユニクロにもない。
ユニクロのKIDS エアリズムコットン開きクルーネックTシャツ160cm用(半袖)\990は、「待ってました!」の商品だ!
下着としてならば、着られるので、自分用に試しに購入してみた。
ホワイトとブルーとピンクのカラーもあるが、外出の T シャツとしてはちょっと来られない。
エアリズムコットン前開きクルーネックTシャツで、花模様などあるといいと思う。
前開きの半袖・七分袖の T シャツを、高齢者向きに、ユニクロさんで販売して欲しい。
要介護5では、伸縮性のあるフード付きスポーツパーカーの長袖をナイキやアディダスで探して、私がミシンで袖を七分に縫い、パーカーフードと襟を外して、前開き T シャツ風に作った。
冬は伸びる素材の襟のない長袖の T シャツに、カシミヤのカーディガンを着せると、軽くて暖かく喜んだ。
外出にはユニクロのダウンが軽くて良かった。
一度だけユニクロで販売された、七分袖のダウンジャケットが、なで肩のヤエさんにとても似合った。
1年だけで再販がなく、それが古くなり、普通のダウンジャケットを着せると、山男のようになった。
タイツ 靴下
下着は、綿100%のグンゼの肌着と決まっていた。
上の肌着は一年中、3分袖にして、冬はその上にユニクロの長袖のヒートテックLサイズを着せた。
肌着・ヒートテック・Tシャツ・カシミアカーディガン・ウルトラライトダウンを着れば、外出にもデイの送迎にも暖かかった。
下の股引は、夏はグンゼの肌着、冬はユニクロのヒートテックタイツだ。
ヤエさんは、ふくらはぎや足先がとても冷たいので、ユニクロタイツの超極暖が出た時、冬は、暖かくて、嬉しかった。
靴下も、ユニクロのヒートテックがあるといいなと思ったが、ユニクロの靴下はどれも、超きつくて、私でも締め付けで血管が痛くなり履けない。
メディマのカシミヤの膝当ても、ヤエさんの足の保温に役立った。
デパートで足首を締め付けない靴下を、一年中毎週のように買っていた。
最近の靴下は、足首がなかったり、足首が短かかったりしてとても困る。
ヤエさんはふくらはぎまで冷たいので、男性のビジネスソックスのように、ふくらはぎまで長い靴下が必要だった。
おやすみソックスのようなふわふわしたものは、足首もふくらはぎも締め付けないでとても良かった。
夏には、薄いおやすみソックスを履かせた。
靴 上靴 スラックス 帽子
杖で歩いていた頃や、車に乗り降りできていた頃は、ヤエさんは外靴は、アサヒメディカルシューズ23.5cmを履いていた。
つま先が上がっているから突っかからず、靴底がしっかりしていて滑らなかった。
4 E サイズの、足回りのゆるい、アサヒメディカルシューズを購入した。
ヤエさんは、幅広で甲高の足だった。
93歳要介護3からは、ヤエさんはチャックを閉め忘れた。
室内履きは、あゆみシューズのエスパドワイド Mサイズ5E(22.0~23.0cm)を長く愛用した。
デイサービスでも、あゆみシューズの上靴を履いていた。
要介護5になって車椅子になった時からは、イフミーのマジックテープ付きバレエシューズ23.5cmを履いてもらった。
幅は3Eだが、マジックテープで、足入れ部分が広いので、介助者が履かせやすい。
ゴム底なので移乗させる立位の時、滑らなくて良かった。
かかとに褥瘡ができた時は、包帯で足が大きくなるので、あゆみシューズの冬用モカモカシューズLサイズを履かせた。
ズボンは、ジャージー素材で、スラックスらしく見えるものを、いつも探した。
前面に、ピンタックのある、伸縮性スラックスが、スマートに見えた。
最近良いなと思ったスラックスは、ユニクロのジャージーストレートパンツだ。
ピンタックもあり、ウエストもゴムで、伸縮性のジャージが厚くて、夏以外の3シーズン履ける。
股上も深く、ウエストまでたっぷりとある。
高齢者にもきっと良い。
お安くなってから、私は自分用に、色違いで合計5本買った。
要介護4では、ヤエさんがハイルーフの車に乗る時、不注意から頭を打つようになった。
ヤエさんのかぶる帽子の内側にプチプチを二重に貼って、ハンカチを縫い付け、頭を保護した。
冬は、毛糸の帽子をかぶって頭を保護できた。
パジャマ 手袋 アームカバー
要介護3、一人でトイレに行けた頃は、使ったトイレットペーパーを、ポケットに詰めてしまうので、ポケットのないパジャマを探した。
要介護4では、入浴やユベラ(ビタミンE)の血行促進で暑いのか、パッドが濡れると嫌なのか、下半身を脱いでしまうので、つなぎパジャマを3年間着せた。
3型のつなぎパジャマは、足もとにチャックの終末が来るから、ヤエさんの手も届かなかった。
要介護5でオムツになった最後は、ファッションセンターしまむらで、ゆるめの L サイズのパジャマを着せた。
つなぎパジャマとオムツに3年間慣れたためか、要介護5でパジャマになってももう脱がなかった。
朝の着替え、夜の着替えがなくなって、一日中パジャマでいていいので、ヤエさんも私もとても楽になった。
要介護5では、他人の評価を気にしないで、点滴の通院にもパジャマで行った。
着替えの意味が分からなかったり、着替えでトラブルになるのなら、着替えないで、可愛いパジャマでいたらいい。
最近は、ユニクロにもしまむらにも、素敵なルームウエアがある。
是非ユニクロさんで、前開きチャックのTシャツや、伸縮性のある薄い前開きチャックの上着を販売して欲しい。
ユニクロさんで、綿100%の前開き肌着が販売され始めたが、重い。
前開きは、マジックテープでなく、スナップボタンにしてほしい。
ヤエさんは、手が冷たかったので、一年中手袋をしていた。
腕に血腫ができやすかったので、保護として、ダイソーの100円のアームカバーを色々と使った。
ヤエさんが亡くなり、衣替えのときにヤエさんの衣類を見つけると、明るい5月の日差しのようだった、ヤエさんの笑顔を思い出す。
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