昭和の時代、子どもたちは一人で登下校をしていました。
昭和の後半・平成時代から、交通事故や誘拐の予防のため、子どもたちは集団登下校が増えました。
集団場面が苦手な子どもたちにとっては、集団で移動する登下校も苦手です。
高学年のリーダーに急がされたり、活発すぎる乱暴な上級生がいたりして、重いランドセルを背負った新入生が、集団の列について歩くのもなかなか大変です。
集団登下校の支援策
幼稚園バスや保護者の送迎だった保育園と違って、長い距離を歩いていく集団登校文化は、子どもにとって大きなギャップがあります。
就学する子どもさんの集団登下校が心配な場合は、以下のような対応が考えられます。
①ランドセルを軽いものにする
➁教科書や算数セットを2セット購入して、学校と自宅に置く
③春休みに保護者と登下校の練習をする
④4月は、保護者が集団登校の少し後ろから、見守ってついていく
⑤何かあった時は、回復まで1週間、個別登校の期間を設ける
⑥保護者送迎の登下校でも良い
⑦学童や放課後デイサービスを利用して、下校はデイサービスのお迎えなどを頼む
集団登下校のトラブルは誤解からも起きる
集団登下校で、何が原因でトラブルになったか、本人に聞き出すのはなかなか難しいです。
本人も、原因がわからないトラブルの場合も、多いからです。
本人の結果としての行動の手前に、原因となる状況があります。
これらを、本人に絵に描いてやり、話し合います。
例えば、こんな事例がありました。
1年生の男の子が、登校の途中、独り言で「お化け」と言いながら歩いていました。
一番近くにいた2年生の男の子が「なんだと! 俺にお化けと言ったな?」と怒り出しました。
ランドセルを引っ張られ、叩かれそうだった、怖かったそうです。
1年生は逃げるにも逃げられず、結局は2年生を押し返してしまい、1年生の男の子が悪者になってしまいました。
1年生本人は、2年生に向かって言ったのではないと、主張しています。
1年生の自分は悪くないとして、それでは、トラブルにならないようにするには、どう振る舞ったらいいのか、彼と話し合いました。
トラブルの前後関係を絵に描いて話し合おう
彼は「独り言」のつもりだと、言いました。
年齢の幼い子の説明ですし、周りの子どもたちからの聞き取りもできていないので、本当のところは当事者しか分かりません。
鵜呑みにはできませんが、情報は本人からだけなので、保護者や先生は「気持ちは分かったよ」と言い分を受け止めて、本人の振る舞い方にスポットを当てて考えます。
子ども同士のトラブルの時、犯人探しや処罰よりも、次回どう振る舞うかというプランを教えます。
その時、大人の脳内の常識を、音声の言葉だけで伝えても、子どもには伝わりにくいです。
子どもはショックな気持ちや、自己防衛の正当化で頭の中が一杯だからです。
そこで絵に描いて、次回の振る舞い方を説明します。
集団の時と 一人の時の使い分け
例えば今回の件だと、以下のように描いて説明します。
左の絵 ➡「みんなといる時、声に出すと聞こえてしまうからね。」
右の絵 ➡「独り言は、友だちと10m以上離れているときがいいね。」
次回のプラン ➡「ひとりのとき、頭の中だけの独り言がいいね。」
絵に描きながら話すと、子どもの脳内に状況が浮かびやすく、登録されやすいです。
ホワイトボードでも、ソーシャルスキルノートでも良い、まずは一度、絵に描く話し合いをお試しください。
猫ちゃんブログへのコメント