野良猫クロちゃんが少しずつ、我が家に慣れてくれたのは嬉しいです。
しかし、クロちゃんはやはり、外の世界に出たい様子です。
クロちゃんを捕まえた初めの1か月、クロちゃんはケージの中からとっても小さい声で、昼間ときどき「ニャー」と鳴きました。
外を見て、外へ行きたい様子で、力なく鳴いていました。
外に出たい
60日目ごろから、クロちゃんは毎晩、玄関の窓ガラスの下方をひっかいては、遮光ネットを外します。
それが1週間ばかり続くので、私も気弱になり、去勢手術もワクチンもしないまま、クロちゃんを、元の世界に放そうか、迷っています。
来客時には、クロちゃんにケージに居てもらうため、今でもエサと水は、ケージの中にあります。
クロちゃんは、食べたり飲んだりする朝夕は、ケージとペットのこたつを行ったり来たりしています。
外へ出ようと、クロちゃんが遮光ネットをひっかくのは、夜行性の猫が活発に行動する真夜中です。
この遮光ネットのひっかきに、クロちゃ気持ちがあらわれています。
つかまえて、ごめんね、クロちゃん。
クロちゃんは壁で爪とぎをする猫
ある朝、玄関脇の北壁が、クロちゃんの爪で引っ掻かれているのに、気付きました。
クロちゃんが60日目頃から、ケージの上にピョンと上がって、昼間、ケージの上から外を見るようになりました。
クロちゃんが、ケージの上に立つと、ちょうど壁のここで爪とぎをしやすかったんですね。
壁での爪とぎは、やはり困るので、天井から白いカーテンを吊るしました。
薄いカーテンですが、クロちゃんの爪とぎはピタリと止みました。
爪がカーテンに引っかかってしまうので、爪とぎの意味がなくなってやめたのでしょう。
キャットタワーとキャットウォーク
ケージに上がって、外を眺めるようになったクロちゃんのために、奥の部屋のキャットタワーを、玄関の隅へ移動しました。
北の壁から天窓のキャットウォークに繋がるのにちょうど良い、こちらのボンビアルコンのつっぱりキャットウォークに、いつか買い替えたいと思っています。
そしてキャットタワーの先に、12cm 幅ですが、直線状のキャットウォークも用意しました。
東向きのキャットタワーは一番日当たりが良く、窓ガラスには遮光ネットを貼っていないので、外がよく見えます。
しかしまだクロちゃんは、このキャットタワーに登る様子はありません。
クロちゃんを捕まえた2日目に、動物病院に連れて行こうと思って、クロちゃんをケージからキャリーバッグに移すとき、クロちゃんに部屋じゅう逃げられました。
その時クロちゃんは、カーテンを駆け上り、このわずか12cm の天窓のさんに登ったのです。
それで今なら、キャットタワーから、天窓のさんに登って外を見るかと思って、カーペットも貼ってキャットウォークを用意しました。
ですが、まだまだクロちゃんは、高さ70 cm のテーブルに置いたペットのこたつで、チョットのんびりするくらいです。
キャットタワーやキャットウォークに登るほど、クロちゃんは我が家でリラックスしていません。
夜は、いつか外へ出たいものだと、玄関ガラスを引っかいています。
クロちゃんのお気に入りのこげ茶の椅子を玄関に置いてみた
昼間、ケージから外を見ていたクロちゃんですが、60日目くらいからペットのこたつが基地になり、昼も夜も、ペットのこたつで過ごすようになりました。
ケージには、ご飯を食べに入るだけです。
そこで、クロちゃんのお気に入りのこげ茶色の椅子を、玄関に置いてみました。
クロちゃんが昼間ここに座って、外を眺めたらいいんじゃないか、という目論見です。
私も朝夕、ケージを移動するよりも、椅子を置く方が作業が楽です。
椅子を置いてクロちゃん一人にしてみたところ、クロちゃんはすぐに椅子に登って外を見ています。
そこで、クロちゃんが玄関にいるうちに、ペットのこたつの向きを180°変えようと思いました。
ペットのこたつから、玄関の外が見えれば、ペットのこたつで、暖かいかと思ったのです。
音を立てないようにそーっと、目を合わさないように背中を見せて、クロちゃんの椅子の後ろをまわりました。
クロちゃんは、椅子の後ろを通る私をチラリと見ましたが、椅子から逃げません。
外の往来が見えるようにペットのこたつの向きを変更した
クロちゃんが、玄関にいてくれたので、ペットのこたつの向きを180度変えることができました。
クロちゃんにとっては、こたつの向きの変更がショックだったらしく、こたつに入らずに、フロアを少しウロウロします。
そこで、天井突っ張り棒のカーテンを閉めて、玄関を見えなくすると、こたつの前にちょこんと座りました。
クロちゃんの視界を広げる作戦、大成功!と思ったのですが………。
夜になって、クロちゃんが鳴くので1階へ行ってみると、こたつの向きの変更が気に入らないらしく、フロアをまだウロウロしています。
クロちゃんの赤い毛布を私が洗濯したので、奥の部屋へ行っても、居場所がないようすです。
こたつのそばのこげ茶の椅子をトントン叩いてクロちゃんに勧めると、素直にそこに登りました。
それでもクロちゃんが鳴くので、私もようやく気づいて、「こたつの向きを戻すね」と言いながら、こたつを反転させると、すぐにクロちゃんはこたつの入り口に陣取りました。
これで、元のこたつの向きになりました。
「不安だったね」と、クロちゃんに謝って、お詫びにちゅーるアペティートをあげました。
これまでは、こたつと棚の間が70cmくらいで、その狭さに安心してクロちゃんはこたつから出てリラックスしていたようです。
ところが突然こたつの向きを180度変えられて、こたつの前方が全て開いてしまったので、クロちゃんにとっては恐怖以外の何物でもなかったのです。
こたつの向きの変更は、クロちゃんにとって早すぎました。
まだまだ、全方向オープンには、慣れないクロちゃんです。
慣れて安心した空間に自閉症のかたもこだわる
猫でさえ、基地の変更、空間の移動に、これだけ繊細だから、自閉症のちあきちゃんが、毎年4月に小学部の教室が変わることに耐えかねて、もとの教室に戻っていた、そのことの意味とちあきちゃんの気持ちが、実によくわかります。
ちあきちゃんの考え方の秩序で考えないと、見つけられない気持ちです。
「突然先生と教室が変わっちゃったもんね、困るよね」と言いながら、新しい教室や先生の写真カードを持たせて、1~2週間、同級生や支援員さんが2つの教室の間を送迎して、新しい教室へと行ったり来たりするといいのかなと思います。
私も1年ごとに、基地である家が変わったら、困ります。
空間に慣れるのに、数日かかりますね、きっと。(私には言葉があるので数日で済みますが)
猫のクロちゃんに起きたことは、自閉症幼児や認知症高齢者の方が、引っ越しや入所で混乱し、空間の手がかりをなくして、行動や記憶が退行する理由とも繋がっています。
こだわりは、安心安全から発生する行動なんですね。
クロちゃんとの関係構築にちゅーるアペティートが重要
クロちゃんは、ペットのこたつや、玄関の椅子やフロアで、ちゅーるアペティートを食べます。
「もっとくれ」と鳴きます。
私が近くにいる時のクロちゃんの腰は低く、接近を恐れて、用心深い姿勢をとるクロちゃんです。
クロちゃんの方から、ちゅーるアペティートに寄ってくる、クロちゃんの方から私に寄ってくる、そういう関係を、この先の1~2ヶ月で、形成したいです。
ちゅーるアペティートが、クロちゃんとの接近関係の頼りです。
クロちゃんにも、人間にも、報酬系に反応する、脳の仕組みがあるんですよね。
2022年現在ちゅーるアペティートは生産終了となりました。
代わりにチャオプチをあげています。
そろそろペットゲートが必要?
人が玄関を出入りする時、クロちゃんの脱走の可能性を思って、今は玄関扉を用心深く開け閉めしています。
クロちゃんはまだ、玄関扉そのものを狙って、突進してきたりはしません。
まだまだ、人間に接近することは怖いようすです。
クロちゃんが、さらに行動の自由度を増して、玄関扉を狙う前に、ペットゲートを設置したいなぁと考えています。
クロちゃんは、ジャンプ力が1 m 以上あるので、高さ135cm のペットゲートが必要ですね。
しかし設置も面倒そうです。
クロちゃんの方が賢いから、逃げられる時は、何をしても逃げられちゃうに違いありません。
高価なので、とりあえずは、突っ張り棒のカーテンを、玄関に移動してくればいいかな、と思っています。
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