私たちの脳の中は、たくさんの悩みを、次から次へと考えます。
あれこれ考えて眠れなくなったり、たくさんの悩みで心が押しつぶされてしまったりします。
悩みを脳内で次々と心配すると、行動できなくなり、自分を守るために、うつ状態になることもあります。
休養が必要になりますね。
悩みを書き出してみよう
脳の中を、楕円の状態とします。
その楕円に、縦線を入れて、悩みを並べて書き出してみてください。
例えば、以下のようにです。
脳内で音声系で考えている言葉は、時をつないで、継次的に現れては消えていくので、同時に比較するということが難しい作業になります。
そこで、脳の中に、浮かんでは消え、浮かんでは消えていく悩みを、メモ用紙やホワイトボード、あるいは付箋紙や単語カードに書き出して、並べることで、悩みを脳の外で、同時比較することが可能になります。
例えば、下の図のように悩みを書き出します。
家族についてだけでも、これだけたくさんの悩みがあり、そこに仕事上の悩みや、近所付き合いの悩み、経済的な悩みなども、日々あふれます。
同時比較すると、どれが優先順位が高いのか、どれは後でいいのかを、決めやすくなります。
脳の中でだけ考えていると、決めにくく、悩みであふれます。
悩みをピラミッドで順位付けする
そこで、上記のように書き出した悩み全てを、見比べながら優先順位を付けていきます。
付箋紙や単語カードに悩みを書き出しておくと、付箋紙や単語カードは並べ替える操作が簡単なので、順位を決める時に便利です。
「最も深刻な悩みから解決したい」、と思う方もいるでしょう。
あるいは、「一番取りかかりやすい悩みから、一番片付けやすい悩みから片付けたい」、と思う方もいるでしょう。
「緊急度の高いこと」「取り掛かりやすく解決しやすいこと」とピラミッドの初めに書いて、どちらもやってみてください。
最優先事項、あるいは、すぐに解決できそうな問題の順に、順位付けをして、第1位から取りかかりす。
後でいいものを、後回しにすることができるようになります。
我が家の生活行動の場合
私ですと、欲張りですが、「一番解決したい悩み、なおかつ、一番取りかかりやすい行動」を解決します。
例えば、家事でいうと、食料品を買うが第1位、食事を作るが第2位、洗濯は夜か明日で良いので第3位、掃除機をかけるのは週末でいいので第4位となります。
処理すべき生活行動の優先順位であれば、先週今週の我が家では、
猫の花ちゃんの右前足の治療の通院が第1位、(通院が億劫だなと思うと悩みになります)
クロちゃんの脱走防止フェンスの設置が第2位、(どれにしようか迷うと悩みになります)
炊事が第3位、(料理は面倒だなぁと思うと悩みになります)
期末テスト問題を作ることが第4位、(優先度の高い仕事です)
仕事の報告を書くことが第5位、(優先度の高い仕事です)
心理検査のまとめを書くことが第6位、(優先度の高い仕事です)
洗濯が第7位、(洗濯機がしてくれるので楽に起きます)
買い物が第8位、(スーパーへ出かけるのは億劫でネット注文は楽に起きます)
ブログを書くことが第9位、(取り掛かりいいのでつい始めてしまうんですよね)
掃除が第10位、(ロボット掃除機に任せる)
運動が第11位(最も起きにくい行動)です。
結局、今週私が処理できた行動は、第1・2・3・4位までで、第5・6・7・8・9位は、先送りとなりました。
3回目のワクチン接種のせいか、スギ花粉のせいか、疲労感の強い週だったので、「週末でいいや」と処理の先送りを決めたのです。
優先順位を決めると、はしょることもできるようになります。
脳の外に書き出してモニターする
迷った時に書き出すと、一層順位をつけやすくなります。
悩みも生活行動も、ピラミッド型の優先順位をつけて、取り掛かりを1つにしぼってみてください。
心理相談で、本人と話す時、保護者と話す時、いつも図や文字で書き出して、目に見せて、お互いの脳内を同じにするようにしています。
ピラミッド型でたくさんの心配の全体は見えている状態で、悩みに優先順位をつけると、処理する対象が1つずつにしぼられ、対応行動の取り掛かりが起きやすいです。
すぐに対応が必要なことと、後でいいこと、人に任せることなどが、自分にも相手にも分かりやすくなります。
不登校の子どもさんの場合、起きやすいことからピラミッドに書き出してみる
不登校の子どもさんと話し合うときも、取り掛かりやすいこと・好きなこと・できそうなことを話し合いながら書き出して、優先順位をつけて、家族で一緒にできると、子どもさんも元気が出てきます。
例えば、
放課後、家族と学校へ行って、先生に宿題をもらうことが、現時点、最も起きやすい行動だとする。
前日に先生に宿題をもらい、翌日、自宅で9時から12時までと、1時から3時まで、宿題・お絵かき・折り紙・趣味工作などして、夕方あるいは昼休みに、先生に見せに行く。
毎日が無理であれば、週末の金曜に、あるいは週の初めの月曜に、5日分の宿題をもらうのもいいですね。
先生は、子どもが、3~4時間勉強できそうな、楽しいプリント・面白いプリントをぜひ用意してください。
「基礎の復習が大事です」と、下学年のプリントもいいです。
「簡単な問題をスラスラやる時に脳は発達します」というのもいいです。
保護者が、「算願」や「ちびむすドリル」「プリントきっず」のサイトから無料で印刷して、学校の先生に預けておき、それを先生から宿題としてもらうのもいいですね。
本人が何が好きか、どの辺の勉強なら楽にできるかは、保護者の方がよく知っていると考えるからです。
その子の好きなキャラクターのぬりえなども、大歓迎ですね。
慣れてきたら、(保護者と一緒に)週に1日でも良い、午後1~2時限、学校の相談室や支援学級で、宿題プリント1~2枚をしてみる。
通える場所には、通級指導教室や適応指導教室もあります。
算数でも図工でも、本人の好きな授業の時間、相談室から教室まで行ってみる。
残りの時間は、先生からもらった宿題プリントをする。
午前と午後、自宅か相談室か、どこで宿題をするか、自分で決定できる。
居場所と時間帯を、自分で決定できる。
などはどうでしょうか?
脳の外に書き出すと、感情的でなく、落ち着いて客観的にモニターできます。
書き出して、見比べて、順位付けをして、行動処理する習慣を形成していくと、書き出さなくても脳の中で、ピラミッド型順位付けを行なえるようになります。
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