文字や数の系統性と指導の方法

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初期学習・基礎教育

 初期学習とは、梅津八三と共に、しげ子とただおについて、山梨県立盲学校で盲聾二重障害児の研究をした重複障害教育研究所の中島昭美(あきよし)が使った言葉である。

初期学習とは、赤ちゃんが初めて物に触れるところから、文字や数の学習に至る以前の、初期的な運動感覚学習をさしている。

基礎教育とは、梅津、中島と共に、しげ子とただおについて、山梨県立盲学校で盲聾二重障害児の教育をした基礎教育研究所の水口浚(ふかし)が使った言葉である。

序章を中島が執筆。『 課題学習の指導 』岩崎学術出版社1979年

梅津八三と共に盲聾重複障害を研究した中島昭美(アキヨシ)は、1975年重複障害教育研究所を開設。

中島の「初期学習」に続いて、「基礎教育」は文字や数の概念形成学習に至るまでの基礎的な学習をさしている。

文字や数の指導の体系を知りたいと思い、初めて紹介された本が、講座 重度重複障害児の指導技術 第5巻『 課題学習の指導 』岩崎学術出版社 1979年7月発行 であった。

 現在絶版であるが、大学図書館や古書店には所蔵されている可能性がある。

 46~ 60頁 第2章「空間概念の形成の芽生え」水口浚・林友三

 61~ 87頁 第3章「図形と文字の基礎指導」水口浚・林友三

164~182頁 第7章「点字の習得とコミュニケーションの確立」高木理代

183~200頁 第8章「数概念の習得」前東孝義

確定共有学習

基礎教育研究所の水口浚(ふかし)の開発した、蛍光色カラーの填め板・キャラクターの填め板は、カラフルで美しいことはもとより、子どもの好きな領域・確定域に近づいた教材であることで、子どもに自発・意欲・「確定共有(中野)」の笑顔が溢れる。

文字や数の学習に進む縦の発達が難しい子どもでも、蛍光色カラーの填め板・キャラクターの填め板で多彩な学習及び横の発達を豊かにすることが可能だ。

「トーマスだね、ピカチュウだね、電車211だね 」子どもの好きなものを通して、学習やコミニュケーションが進展する。

梅津八三と共に盲聾重複障害を研究した水口浚(フカシ)は、1989年基礎教育研究所を開設。

水口は「教材とは言葉である」という。

左の『障害児教育の基礎』ジェムコ出版1995年は、復刻版を¥1500で基礎教育研究会へ申し込める。用語の解説および教材制作・道具および制作順序の図解あり。


右の『教材教具の開発と工夫』学苑社2006年は、現在絶版だが、基礎教育研究会に現在まだ在庫あり。基礎教育研究会のお問い合わせフォームで注文可能。

障害児基礎教育研究会 | 障害のある人への適切な教育のあり方を、教材教具の開発・工夫を通して実践的に明らかにします

以下の分類は私の個人的な考えによる。

01 探索

02 運動感覚

03 玉入れ

04 棒差し・リング差し・だんご差し

05 填め板幾何図形

06 キャラクター填め板の作り方

07 填め板キャラクター図形に文字を付ける

08 身振りサインカード

09 予定表絵カード

10 SST絵カード

ことばの学習の見通し

11 描画の発達と発語の形成

12 数字や文字の線図形合わせ

13 ひらがなの単語構成

14 書字・平仮名のなぞり書き

15 書字・カタカナのなぞり書き

16 漢字の分解と合成 

17 単語から文章構成へ(連鎖語構成:大きい+赤い+丸)

18 文章構成:食べる・飲む

19 属性の比較文::~より~は大きい小さい

20 あいさつ(2者関係)

21 能動態・受動態:あげる・もらう 叱る・叱られる

22 空間の命名:こそあど言葉 これ・それ・あれ・どれ

23 空間の方向:行く・来る 電話をかける・電話がかかっててくる

24 脳外作文:単語カード並べ作文 付箋紙作文

数の学習の見通し

中野尚彦は、1981年、障害児親子通所指導所「あらまきこどものへや」を開設。
Ⅱ巻第4章第2節「数行動」(292~314頁)で、序数と基数1~5の階段を詳述。

「確定共有」は中野尚彦の命名。

障碍児心理学ものがたり
明石書店 2009年

棒差し、だんご差し、形合わせ、数字の填め板は、ことばの学習に登場した教材と同じ。

25 填め板〇の大小比較・▯の長短比較

26 だんごの階段1~5

27 序数と基数1~5の階段

28 指型と数字

29 算数ブロック1~10

30 算数加減算の同時提示:同じ数字を使う 記号の意味

31 お金の計数と数直線 1

32 繰り下がり学習:お金で位の10の交換をする

33 九九の正答教授法:「し」と「しち」を間違う

34 算数四則の計算の同時提示:同じ数字を使う 記号の意味

35 お金の学習と表記 2

36 大きな数の構成:タイル重ね ホワイトボード

37 円・円周・中心・直径・半径を命名

38 三角形と四角形:ハトメパンチで角を留めた形を提示・単語カードで命名

39 分数:同じ数字を使う 透明カードで構成する 記号の意味

40 お金の学習と表記 3

41 九九6の段 間違えやすい漢字 カタカナ 長音

42 自閉症スペクトラムのかたの敬語習得の方法

43 算数文章題比較構文の分かりやすい提示方法

44 算数文章題比較構文の心理学的な工作方法

45 拗音の学習の方法

46 漢字を覚える方法

47 時計の学習の方法

48 iPadコミュニケーションを始める準備の方法

教材の扱い方に共通する指導方法

教材の扱い方に共通する指導方法は、以下だ。

➀我々の脳内操作を、選択肢が見えるように脳外に提示して見せて考えさせる

➁子どもの書く負担を減らして、タイルやカードで提示して、解答させる

③課題の同時提示・比較照合がコツ

④記憶を助けるには、身振り運動で登録・つぶやき(内言語)で登録

事例紹介と教育仮設も「行動調整の心理学」として、投稿していきたい。

次稿は、アカシアこどものへやの紹介、梅津の「言葉の発生の系譜」について、紹介します。

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 病院小児科で臨床発達心理士をしています。
 梅津八三の心理学、行動調整法、子どもの行動理解、育児、教材、ソーシャルスキル、介護、猫の行動について投稿中です。

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