気になる行動の消去を考えるよりも得意な行動を伸ばして満足を共有するとブレーキもかかる

発達障害があるといわれる子どもたちも、子どもの発達という大きな枠組みの中にいます。

乳幼児は、触覚が一番優勢で、何でも触りたがります。

言葉の発達につれて、直接触らなくても、目で見るだけで、済むようになります。

発達障害があると、言葉の意味を取ることが遅れたり、自分の気持ちの言葉を話せなかったりして、視覚の手前の触覚運動で理解しようとします。

動きたい、触りたい、飛んで行きたい、手に持ちたい、手で触って調べたいなど、実物に触れて、手で調べることで、納得します。

発達障害があるといわれる子どもたちは、触覚を満たしたい子ども、運動感覚を使って調べたい子ども、それを理解してもらうと、家庭でも保育でも教育でも、子どもの発達に沿った合理的配慮が出来ます。

大人の基準でなくその子どもの基準で考える

大人はどうしても、大人の基準から物を考えます。

大人の基準に合わないと、ソワソワして多動だ、友達に手を出して衝動的だ、と悩みます。

発達障害とは、先天的ではあるけれども、発達性の障害なので、暦年齢や言葉が発達して行くにつれて、困った行動の多くは軽減されます。

20年後の変化を、信じてください。

猫ちゃんブログで何度も述べてきたように、子どもは5歳で身体が完成すると、6~7歳が1番多動です。

困った行動には理由がある 3 多動 衝動 不注意 の原因と対応
子どもの多動・衝動・不注意には原因があります。 多動・衝動・不注意を消去しようとするのでなく、原因を読み取って、苦労に共感し、適応のコツを大人が見つけましょう。 多動の原因 子どもの身体は、5歳で完成します。 色々とでき...

身体が軽くてスイスイ動くので、できることをしてみたくて、しょうがないのです。

小学校5~6年生になって、骨や筋肉が思春期に近づいて、体重が増えると、多動は落ち着いてきます。

女の子は言語が活発なのですが、男の子はなかなか言葉が出なかったりして、女の子よりも手足が衝動的に出ます。

障害児は、6対1の割合で、男の子に多いです。

昔から1姫2太郎と言って、女の子は育てやすい、男の子は育てにくいと言われてきたのは、男の子が多動だったり、言葉が遅かったりすることも、関係していたと思われます。

お母さんやおばあちゃんは女性なので、自分に弟がいなかったりすると、静かに育ってきていて、多動な男の子の育児に、悩む場合があります。

叱ってしつけようとしても、禁止して取り上げようとしても、消去・禁止・矯正では、親子関係や家族関係がうまくいきません。

消去法でなくプラス方式で考える

ではどうしたらいいかと言うと、多動・衝動を生かすことです。

私などは、多動衝動の強い男の子に会うと、その瞬発力と短い集中力を活かせる、陸上の短距離選手に向いているのではないか? 競輪・競艇の選手やプロボクサーに向いているのではないか?などと考えます。

レギュラーの選手になれなくても、職業に繋がらなくても、生涯の趣味として、瞬発力と短い集中力を生かせるのではないでしょうか。

マイナスの行動だから、それを消去しようとして係わるのではなく、なんとか多動衝動の特性を、社会的に認められる行動に育てていけないか?と思います。

そして、子どもの特性を認めて生かそうとする、家族や先生および指導員さんという共感者がいると、子どもは自己肯定感を持つことで、非行・依存症・うつ病・強迫性障害・社会的引きこもりなどの2次障害を防げます。

身体や手を動かす触覚運動を大事にする

前回の投稿にも書きましたが、多動衝動の強い子どもさんには、触覚系の運動や遊びをさせてください。

強迫性障害やこだわりをゆるめる方法
美味しいものを食べたり、美しいものを見たり、温泉や湯船に浸かったり、フカフカの布団で眠ったりすることは、誰でも快適です。 我が家の猫ちゃんを見ていると、とにかく「快適さを保つ」ことを探して、毎日暮らしていることがわかりま...

トランポリン・3輪車・自転車・1輪車・玉入れ・棒差し・積み木・ブロック・レゴ・填め板・パズル・マッチング・かるた・トランプ・塗り絵・お絵かき・間違い探し・線つなぎ・手遊び・指遊び・けん玉・シャボン玉・あやとり・折り紙・工作・手押し車・雑巾がけ・家事手伝い・ボール投げ・しっぽ取り・タオル引き抜き遊び・腕相撲・指相撲などを、家庭や保育園および放課後学童や療育場面で、子どもと一緒に活動してみてください。

子どもの好きな触覚系の運動や遊びを一緒にする中で、子どもに笑顔や満足が生ま、大人のしつけの言葉にも耳を傾けてくれます。

子どもは嬉しいと、素直になります。

小学校の授業中、先生が身振りを取り入れてくれたら、座学でも身体を動かせます。

立位音読や黒板に出ての発表、配り係など、正当な理由で席を離れる行動ができます。

理由を言わずに席を離れた時も、「何々したら、席についてね」「何時何分から、やれるね」「待っているよ」と、離席の非難でなく、次の行動プランをぜひ伝えてください。

マイナスな行動の絵カードに✖印をつけるよりも、してほしい行動をカード化して見せよう

押したり、叩いたり、引っ張ったり、かじったりするカードに、✖印をつけて、禁止を伝えるよりも、ごめんなさい○、仲良くしよう○、お先にどうぞ○、黙って考えよう○、の絵カードがいいです。

ごめんねのカード
仲良くしようのカード
お先にどうぞのカード

静かにってどういうこと? 全体が見えた方が、「静かに」の意味がわかります。

声の大きさの同時提示・同時比較

分かっても黙っているって、子どもには難しいですね。

給食に「もぐもぐタイム=黙食」があるように、授業も「だんまりタイム」と名前を付けて、練習すると良いかもしれません。

授業中、分かっても黙っているカード

授業中、心の中で考えられるようになったら、花丸💮です。

カードは時々、イラストを変える方が、子どもの注意を引きます。

インターネットの検索窓に、「黙って考えるイラスト」などと入力すると、色々な無料イラストが出てきます。かわいいフリー素材集 いらすとや

プリントして黒板に掲示したり、ミニコピーしてランドセルや筆箱に入れたりして、視覚的に約束すると良いでしょう。

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