ソーシャルスキルは音声の言葉で説明するよりも絵を見せると発達障害がある子どもに一瞬でわかりやすい

この記事は約5分で読めます。

我々大人は、「音声」だけを言葉だと思っています。

ところが心理学者の梅津八三によれば、赤ちゃんが泣く行動そのものも、幼児がクレーン車を指差す指さしも、身振りも、実物・模型・写真・絵も、文字も音声も、それら全てが「言葉」になります。

なかでも目に見えない、音声の言葉が、最高に難しい言葉になります。

音声の言葉だと、相手に、自分の脳内イメージが伝わらないことがあるのです。

音声の言葉で、イメージが持てないとき

音声の言葉を聞いて相手と同じイメージを持つことができるか?

例えば、「美味しかったリンゴ」について、相手に話すとしましょう。

左側の人は「王林」という種類の、青いリンゴ🍏が美味しかったことを話しています。

話すほうも聞くほうも、頭の中の実物のイメージをリンゴという音声に変換して、話し合っています。

ところが、食べたリンゴの画像を見せなかったために、相手は「リンゴが美味しかった」と聞いて、よく見かける赤いリンゴ🍎を想像している場面です。

音声ではこのように、イメージが共有されながことがあります。

どうすればイメージが共有されるか?

音声や文字でイメージが共有されにくい時は、場面そのものを表わす、実物・模型・写真・絵を使います。

脳内イメージと同じ画像を見せれば、一瞬にして、イメージを共有できますね。

青いリンゴ🍏の画像を見せてもらえれば、「ああ、あの青いリンゴが美味しかったんだね🍏」と脳内イメージを共有できます。

画像を見せるとわかる

昔のことわざで、「百聞は一見にしかず」というのも、そういった状況をさしますね。

望ましい行動場面を写真や絵で目に見せる

子どものソーシャルスキルも、してほしい行動場面を絵で見せると、一瞬で分かってもらえます。

音声や文字で説明されてイメージできない時も、場面を絵で見せると、子どもは興味を持って見ます。

保護者や先生の脳の中のイメージを、脳の外に出して見せましょう。

例えば、外出からお家の中へ、園庭から保育室へ、校庭から教室へ、戻る時、「手を洗いましょう」と誘うとします。

音声だけで行動できないとき、写真や絵を見せれば、一瞬で伝わります。

身振りを見せることも脳内イメージを持ちやすい

写真や絵がないときは、その場で身振りを見せてください。

水道がない場所でも「手を洗う」身振りをして伝える

音声に、必ず身振りを添えてください。

身振りは実物をかたどった行動なので、実物をイメージできる子どもには、身振りで充分伝わります。

身振りは、写真や絵という道具が何もいらないので、本当に便利な「言葉」なのです。

大人や仲間の身振りで、脳内にイメージが持てて行動できる

クラスのルールも絵や身振りで伝える

保育場面や学校場面で、クラスの行動ルールを、以下のような絵にしておきます。

4つのルール

4つのルール全部を同時に注意することが難しければ、1行動ずつ1週間チャレンジします。

A3の大きさに、1行動ずつプリントアウトすると、4行動で4枚のプリントが要ります。

ルールの伝達と再現には、先生がその都度、大げさな身振りを使ってください。

「よく聴こう」は、耳に手を当てる身振り。

「よく見よう」は、両手でメガネの〇を作る身振り。

「話し合おう」は、先生の顔の前で、両手のひらを30センチくらいに近づける身振り。

「静かに」は、絵の通り、口に指を持って行く身振り。

プリントを指し示しながら、先生が身振りをしてみせます。

「皆さんも、はいどうぞ」と、子どもたちにも身振りをさせます。

7月の2週間、あるいは9月の1か月間で、教室ルールが整います。

発達障害のある子どもにも身振り・絵・図で伝える

通常学級での教育は、ほとんど音声と文字で行なわれます。

ところが、発達障害や知的障害のある子どもたちは、先生の音声説明から自分の脳内にイメージを持つことが苦手です。

例えば、自閉スペクトラム症のかたは、相手の音声の言葉の意図を汲むことが苦手で、想像力に障害があると言われています。

そうであれば、音声の言葉でなく、想像力を必要としない、イメージそのもの=身振り・絵・図を、目に見せれば分かりやすくなります。

また注意欠如多動症のかたは、集中してじっと聞くということが苦手で、多動・衝動が強いと言われています。

そうであれば、一瞬で分かりやすい身振りや絵を見せることが、注意をひきつけ、パッと見て分かる特性にもよく合っています。

さらに、読み書きや音声記憶が苦手な、学習障害のかたには、脳内記憶を要求しない、脳外記憶を支援することが、合理的な配慮になります。

音声指示は消えてなくなってしまうので、必ず文字指示で、黒板に指示メモを残してください。

特別支援教育とは先生の脳内にあるイメージを脳外に見せて伝えること

特別支援教育のポイントは、この脳外に見せる支援をする、ということです。

保護者や先生、指導員の皆さんの、脳の中にあるイメージを、ぜひ身振りや絵で脳の外に出して子どもたちに見せてください。

ピラミッド図の下から、行動そのものを読み取る➡実物➡身振り➡写真や絵を見せる、それらを通常学級の文字や音声の教育にプラスしてください。

家庭や保育園、療育場面でも、音声の言葉のイメージしにくさを理解し、身振りや絵を取り入れて、社会的行動=ソーシャルスキルを見せてもらえると嬉しいです。

発達協会式 ソーシャルスキルがたのしく身につくカード(1) どっちがカッコイイ? ([実用品])
◎対象 3歳~小学生くらい、大人と1対1で使います ◎ねらい ・子どもに基本的な生活習慣、マナー、社会のルールを教える ・かっこいい、かっこわるいポイントを子どもに気づかせる ・指導場面、実際の生活場面の両方で使える ◎箱の中に入っているもの かっこいいカード 60枚 かっこわるいカード 60枚 説明書 1枚 白紙カー...
発達協会式 ソーシャルスキルがたのしく身につくカード(2) こんなときどうする? ([実用品])
授業中、トイレにいきたくなったら。運動会で自分のチームが負けたら。先生の間違いを見つけたら、妹がお父さんからしかられていたら。 家や学校でおこるちょっとしたハプニングを110シーンとりあげました。 絵をみて、こんなとき自分ならどうするかを考える教材です。 判断して行動する力が身につくソーシャルスキルカード第2弾!

猫ちゃんブログへのコメント

タイトルとURLをコピーしました