予定の変更が難しい時は経験させてから自己決定してもらおう

ダウン症のまさや君27歳と、2ヶ月ぶりに病院小児科で学習しました。

学習と言っても、まさや君は大人なので、趣味の世界を共有する学習です。

まさや君の好きな童謡を、iPadで選んでもらって、一緒に聞きます。

歌詞が見えることで、まさや君も歌っています

ダイソーの、車のメモリーカードで、神経衰弱をします。

メモリーカードの枚数が多いと、記憶が大変なので、カードは半分だけ使います。

考えが目に見える「かなトークPlus」

「WBC野球を見たか?」「今夜パパとテレビで野球を見るか?」「グループホームは楽しいか?」「指導員さんは優しいか?」など、近況を私が音声で尋ねると、まさや君はiPad「かなトークPlus」のマル〇(yes),バツ✖(No)で答えてくれます。

すぐに答える時と、首を傾げてしばらく考えている時があります。

本当に考えてから、答えてくれているんだな、ということが分かります。

iPad「かなトークPlus」のマル〇(yes),バツ✖(No)のように、脳内の2つの考えが目に見えていると、気持ちを表しやすいです。

脳内の考えの脳外化、視覚化、選択肢、同時提示、が大事ですね。

ダウン症で構音障害があり、まさや君が話しても相手に分かってもらえないためか、成人してからだんだん音声を出さなくなった、まさや君でした。

かなトークPlusを使うと、気持ちが目に見えて、意思表示をしやすくなります。

まさや君を大人として扱ってくれるグループホーム

まさや君は㈪~㈭を、グループホームで過ごすようになって、1年5ヶ月です。

グループホームの指導員さんは、お母さんが指導員さんにお願いするどんなことでも、「まさや君と相談します」と、まさや君の意思を尊重してくれるそうです。

そういう関係が気に入って、まさや君は毎週グループホームに喜んで出かけて行けます。

ご両親もグループホームを嫌がらないまさや君に安心して、寂しいけれどもまさや君を送り出す月曜日が続いています。

㈯㈰はお家で過ごします。

このゴールデンウィークも、ご家族で楽しく過ごしていることと思います。

ダウン症のまさや君の音声の復活

去年ぐらいから、まさや君の表情に、笑顔が増えてきました。

今年になってから、お家で簡単な質問をご家族がすると、「うん」とか、「見た」とか、音声で答えてくれるようになったそうです。

お母さんが、アプリ「絵カード・コミュニケーション」で、まさや君の身の回りの品々を撮影し、文字を付けてくれて、まさや君がお母さんと音声の吹き込み学習した効果です。

まさや君がよく知っている、普段の生活でよく音声化する単語が、いいんですね。

「ヨーグルト」のように音の数が多いと、吹き込みが難しかったので、2~3音「ポカリ」「コーラ」などが良さそうです。

今回は病院の療育でも、売店でコカコーラを買ってきたまさや君に、「マー君はポカリだけじゃなくって、コーラも好きなの?」と私が質問すると、本当に自然に「好き」と音声で言いました。

びっくり―!

療育の時間中も、ずっと柔らかい笑顔が多いです。

私がリードする画期的な縦の発達の学習ではないけれど、iPadで歌の歌詞を見ながら一緒に童謡を聞いたり、ダイソーのメモリーカードで一緒に神経衰弱をしたり、まさや君の好きなこと、まさや君の得意な領域、確定域を共有することが、まさや君の笑顔を増やすのかなと思います。

そういう中で、まさや君の音声が、ポツポツと復活してきていることが、嬉しいです。

新年度の生活時間の変更

お母さんから、月曜日のバスの時間が、10分早くなったことをうかがいました。

まさや君は、3月の続きで、4月もいつも通りの、朝の行動をしています。

まさや君に出来上がった、朝のルーティーンですね。

お母さんはそれを、10分早めようと、一生懸命声をかけ、急ぐことにチャレンジしている毎日です。

そこでお母さんと一緒に、まさや君の朝のルーティンを絵カード磁石で視覚化し、時刻タイムもお母さんに記入してもらい、朝のスケジュールを作成しました。

左の2つが朝のルーティン。右は夜のルーティーン。磁石を裏返すと「できた」になります。

お母さんの脳の中と、まさや君の脳の中を、一緒にするために、共有したい情報を脳外化したスケジュール表です。

足りない項目は、お母さんが文字を書いて、カード磁石を作りました。

朝のルーティンの最後に、バスの絵を足すと良さそうですね。

右の夜のルーティンは、ゆったり過ごせばいいので、流れだけで時刻は書きません。

使った絵カード磁石は、セリアの「持ち物チェックマグネット」「することできたよマグネット」と、ダイソーの「おしたくマグネット」です。

左2つがセリア、右がダイソー「おしたくマグネット」

大人だから、間に合わない経験をしてみてもいい

我々も、約束に遅刻することがあります。

忘れた経験から、忘れないようにカレンダーに書いたり、目覚ましをかけたり、経験から失敗を防ぐ予防を覚えていきます。

まさや君も、朝の身支度を急げない時は、バスに乗る時刻に遅刻してもいいのではないでしょうか。

(お母さんが車で送って行かなければなりませんが………。)

遅刻を経験すると、10分早くなったのだという変更が、まさや君に刻まれて、急ぐ調整につながる気がします。

お母さんは遅刻を防ごうとして、一生懸命予防しています。

「あと3分でバスが来るから、急げるかな?」と声をかけているかと思います。

まだ起きてないことの予防が、まさや君とお母さんのストレスになるなら、一度、まさや君のペースで支度をして、バスが行ってしまったという経験をしてみると、10分早める自己調整がまさや君に起きやすいと思います。

経験と自己決定による調整が、大人のまさや君にはできそうな気がしています。

それが、親の保護を離れて、自立していくということなのかなと思うのです。

もちろん、無理に遅刻させることはありません。

お母さんの声かけで、まさや君が急げれば、それで素晴らしいです。

遅刻の経験からの自己調整という手もある、それもいいと、お母さんが思って気が楽になるといいなと思いました。

猫ちゃんブログへのコメント

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