認知機能維持の運動 その2 

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座位運動・立位スクワット

 認知機能も歩行運動機能も、次第に退行する。

それは、認知症があってもなくても、誰も同じだ。

老化には、逆らえない。

一番は当事者のヤエさんが、苦痛のない楽な日々を送れることだ。

介護者の私もまた、楽になろうと、楽をしようと、様々に生活を工夫していた。

私が夕食を並べる間、ダイソーで売っている、一番弱い握力アップハンドルを握らせた。

96歳 要介護4  握力アップダイソー製 2016/10/20

テレビを見ながら、時間をつぶしてもらっていた。

手がふさがる仕事があると、問題行動は少ない。

ヤエさんは食卓テーブルで、無洗米のお米研ぎもやってくれた。

無洗米なら研がなくても食べられるから、研ぐのは形だけでいい!

96歳  要介護4  両手つかまりスクワット 2016/12/8

椅子から立ち上がるスクワット

 

ヤエさんは、自宅では両手で手すりにつかまればトイレまで移動できた。

車いすの押し手ハンドルに両手でつかまれば四つ足同様に、食卓まで歩けた。

96歳になっても夕食後、歯みがき後は90歳ごろから続けているスクワットを毎晩一緒にやった。

手すりに両手でつかまっていれば、両足かかと上げや片足もも上げもやれた。

私が1から20まで数えて号令をかける。

97歳からは歯みがきの後で、前方の洗面台のふちにつかまれば、スクワット代わりの運動ができた。

97歳  要介護4  2018/1/1 洗面台につかまって椅子から立つ

高い椅子から始めて、低い椅子でやれば、スクワットのように運動負荷が大きい。

ヤエさんは5回くらいやってくれる。

96歳くらいまでは笑顔もあったが、97歳くらいから言葉が出にくくなるのと同時に笑顔も減った。

それでも、90歳ごろから続けてきた運動は、わかっていてやってくれた。

ある日急に運動しろと言っても難しいが、洗面や歯みがきのように、認知症発症の早い時期から習慣にすると、お互いに運動を継続しやすい。

ヤエさんのように歩けなくなっても、前方につかまって立位と座位を繰り返すと、身体の血行が良くなる。

冬は手袋をして冷たい洗面台につかまっていたが、冷たい手も運動で温まる。

97歳 要介護4 2018/4/1 この後グルーホームでは車椅子の生活になった。

運動の意味が取れなくても、素直にやってくれる、いつもご機嫌なヤエさんだった。 

椅子から椅子への移乗運動

2018年、97歳、4月はグループホーム、5月は入院、6月からまた在宅介護で暮らした。

我が家のホームエレベーターは幅75cm奥行55cmと狭いので、車いすごと入れず、ニトリのアームつきのキャスター椅子でギリギリ座れた。

97歳 要介護5 2018/6/7 自宅に帰りエレベーターでご機嫌です

椅子の移乗が、ヤエさんの運動になった。

移乗が嫌なので、ヤエさんの全身に力が入る。

朝はベッドからキャスター椅子へ、そして車いすへと2回の移乗があった。

夕方は車いすからキャスター椅子へ、そして夕食の椅子へ、最後はベッドへと、3回移乗した。

移乗のたびに私もヤエさんも緊張し、無事に移乗が終わると二人でほっとした。

脇の下に手を入れられることがヤエさんは大嫌いだった。

97歳 要介護5 2018/6/10 夕食の椅子に移る時、脇の下に手を入れて介助しようとすると、嫌がって自力で立つ

自閉症の方のように、感覚過敏が増していた。

くすぐったくないように、バスタオルを私の肩に置いて、ヤエさんの脇に挟んで介助するのだが、それでも抵抗した。

その嫌がり方は激しくて、私に触られるくらいなら「自分で立ちます」という勢いだった。

自力では椅子へ回れないとわかると私に手伝わせる

しかしつかまって立っては見たものの、その後どうにもできないので諦めて、介助させてくれた。

介助ベルトというものがあって、介護保険で使ってみたが、上へずり上がってしまい、うまく使えなかった。

結局、ヤエさんが身構えないうちに、早いタイミングで意を決して行なう感じがうまくいった。

97歳 要介護5 2018/6/15 私が脇の下を持って移乗させたとき、くすぐったくないと笑顔に

押し問答になってしまっては、認知の後退で意味を理解しないから、言葉による説得は難しかった。

赤ちゃんや幼い子をだますようなタイミングで、さっさとやるほうがよかった。

ヤエさんの拒否にあってしまったときは、運動だと思って、ヤエさんの抵抗の立位を見守った。

そうして、自力移乗がだめだとわかると、介助させてくれた。

98歳要介護5 2018/8/18
脇の下に手を入れられるのが嫌で車いすから自力で立とうとする

車いすも、車いす用福祉車両も、必要になった時より早く、使えばよかった。

杖と同じ、歩行器と同じで、車いすも福祉車両も、ギリギリ必要になってから使い出したのだが、もっと早くに使うべきだった。

本当は、杖のときに歩行器で散歩をし、歩行器のときに車いすへ楽に移乗して、車いすと同時に福祉車両に乗り換えるべきだった。

98歳要介護5 2018/9/1 身体に力が入り、移動することが運動になる

ヤエさんを見送って、私には親の介護のチャンスがもうないのだが、次の介護に出会うことがあれば是非そうしたい。

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