ヤエさんは綺麗なものが好き
ヤエさんは、綺麗なものが好きだ。
終戦の時に25歳だったヤエさんが、27歳で美容師になったのも、そういう理由からかもしれない。
ヤエさんは、花の中でも可憐な花が好きだ。
庭がある家に住んでいた頃は、色々な花を育てた。
すみれ草、水仙、チューリップ、さくら草、オダマキ、藤、菖蒲、サルスベリ(リラ)、月見草、セフランサス(玉すだれ)、百日草、野ボタン、ラベンダー、 コスモス、ゼラニウム、クリスマスカクタス、シクラメン、月下美人、サボテン、多肉植物などを育てた。
桜のお花見が、好きだった。
ツツジやシャクナゲの群生を、見に行ったこともあった。
70歳代は旅行やドライブ、紅葉狩りにも、よく出かけた。
大阪で花の博覧会があったとき、ヤエさんは弟やいとこなど誰彼と相手を変えて、3回花博へ行った。
ヤエさんは、我が家にいつも花を飾った。
何かを見たり、何かを頂いたりすると、「綺麗だね」と、美しいものをいつも喜んだ。
義理の妹さんが買って送ってくれる洋服を、いつも喜んだ。
弟夫婦の旅行のお土産にもらった京都の舞妓さんを、ひな祭りにはいつも飾った。
誕生日には、姪がお花をくれた。
毎年ヤエさんは、その綺麗な花を見て、とっても喜んだ。
冬には、甥が学校で育てた大きなシクラメンをくれた。
大輪に驚いて、嬉しそうだった。
ヤエさん自身が、花のように笑う笑顔の美しい人だ。
ヤエさんの趣味はお習字
ヤエさんは50歳頃から80代まで、古屋朔雲先生の翠風会「書源」という通信制書道グループで、師範になるまで習字を続けた。
習字の教科書のお手本を書いたり、書道の展覧会に出品したりして、80代まで精進した。
70代では賞状技法士の資格も取り、シルバー人材センターに所属して、賞状書きを趣味にした。
55年間自営業だったヤエさんは、通帳に「給与」と言う名目で、毎月報酬が数千円振り込まれることが、とても嬉しそうだった。
83歳で認知症と診断されても、85歳まで頑張って賞状技法士を続けた。
認知が落ちて、ヤエさんの賞状書きが難しくなり、私も賞状の構成や、割り振りの線引きを手伝った 。
最後は「賞状書きは、もう無理だ」と、自分で決めたヤエさんだった。
着付けや美容師の仕事以外の趣味、それもヤエさんの誇りと楽しみだったと思う。
デイサービスに行くようになってからは、美しく塗った塗り絵や、丁寧に作った工芸品を、いつも嬉しそうに持ち帰った。
猫ちゃんブログのきっかけ
生きていれば、もうじきヤエさんの100歳の誕生日。
そして秋には、ヤエさんの三回忌が来る。
私は三回忌の代わりに、ヤエさんのことを、こうしてたくさん思い出す。
コロナのステイホームの時間が、ヤエさんの思い出を書くきっかけになった。
ブログを投稿できる無料ワードプレステーマ Cocoon(コクーン) の作成者のわいひら様に感謝している。
Cocoonは、シンプルで美しい構成が魅力なので、皆さんがブログの作者になるときは皆さんにも是非使ってほしい。
介護生活15年を経験して、介護がどんな風に経過するかを私も知ったので、今からならヤエさんに、ヤエさんの喜ぶ介護をしてあげられる気がする。
人生は一度でもう十分だけれど、次に生まれてくるときは20代は保育士をして、30代は看護師になり、40代は介護福祉士を経験する、そして50代で親の介護をする、そんな人生にしてみたい。
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