登校できない状況を本人や家族はどう考えたらいいか?

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日本では、小中学生の不登校が、2020年に20万人になり、コロナ禍の2年間で10万人増えて、2022年には30万人になりました。

2023年に文部科学省が発表した長期欠席者の数は、46万人です。

それで不登校が、30万人とも40万人とも言われています。

小学生600万人のうちの10万人が不登校、中学生300万人のうちの20万人が不登校です。

不登校の割合は小学校で1.7%、3クラスで2人いる割合になります。

中学校では6.7%、1クラスに2人いる割合です。

登校している子どもに比べると、不登校の子どもは少数なので、本人も保護者も、登校から「落ちこぼれた」と感じる、肩身の狭さがあります。

その肩身の狭さの解決には、「自己選択、自己決定で行動している」と考えるのはどうでしょうか?

登校という選択、不登校という選択

他人軸や大勢の基準で、学校は行くべきもの、行かないと落ちこぼれだ、と考えると苦しいです。

そこで、家で過ごす、登校する、の2つの選択肢があって、「家で過ごす」を選んだ、と考えると積極的な考え方になり、自分や子どもを責めなくて済みます。

家で過ごすことを選んだら、どんな過ごし方にするかを、家族で話し合いましょう。

家庭で過ごす時のホームエデュケーションスケジュール

ホームエデュケーションは、家庭で、1週間の過ごし方を相談して、家族にも協力してもらう、成長の仕方です。

家庭と趣味のサークル、家庭とフリースクール、家庭とネット中学高校、好きな教科や行事への登校など、自分が楽しい場所はどこか、やる気になるものは何か、居場所を探します。

高校生や大学生が、自分にあった就職先を、自分で探すようなイメージですね。

1日か、数週間か、数ヶ月か、それぞれの場所での体験も必要です。

小学生や中学生の早い段階で、自分探しがやってきた、と思うといいと思います

また、職業を縮小した我々が、自分の1日・1週間の生活を設計するような感じに似ています。

家庭での1週間を組み立てるには、学校の校時表をまねてスケジュールを作りましょう。

これは例です。

フリースペースとは学校内に設けられた場所

おおざっぱなものから始めるといいでしょう。

スケジュールがあると、働く家族・見守る家族・同行する家族も安心します。

家族が安心だからと本人に言って、体験を増やしながら、本人と一緒に作っていきましょう。

国語・算数・英語などの教科の学習は、30分や1時間の細切れでも良さそうです。

理科実験・社会見学・図工制作・家庭科・体力作りなどは、1~2日、長く没頭する子どももいるでしょう。

NHK 教育テレビの番組なども、好きなこと探しのきっかけになると思います。

ご飯を一緒に作ったり、家事手伝いをしてもらったり、保護猫活動に参加したり、家庭の大事な役割を任せてみましょう。

平日に一人で勉強できない子どもは、土日の午前中を国語・算数・英語の勉強にすると、家族が見てやれるかもしれません。

働いている家族にとって、学校の役割の負担は大きいですが、不登校の時期も親子が仲良く過ごせることが、生涯にわたる親子関係のプラスになります。

学校の中にフリースペースが設置された場合の居場所イメージ

最近では、学校内の教室の一室を、フリースペースとして整えてくれる学校も出てきました。

フリースペースに、先生はついていない例が多いので、一人で過ごせるか、保護者の同行が必要です。

壁に向かって一人で過ごせるコーナーがあったり、大きな作業テーブルがあったりして、一人一人がやりたいことを先生と相談の上、工作やタブレットなどでのびのびと過ごせる場所です。

ホームエデュケーションとして家庭で行なっていた活動、学校外の適応指導教室で行なっていた活動を、学校内のスペースでチャレンジできる居場所です。

学校のフリースペースは、家庭だけよりも、先生や友だちとの対人関係が増え、外の世界に合わせて緊張して過ごす時間があります。

外の世界や他者に合わせて、緊張する時間があるといいのは、大人になったときの調整力の準備のためです。

もちろん家庭で、自分以外の家族に合わせる、家族のために何かをする、そういう調整力も大人になる準備になります。

体験や知識を増やす場所を、自分と家族で選択すると考えよう

外の世界に自分を全部合わせることが、苦手だったり、疲れたりする子どもさんが、家庭で過ごすことを選びやすいです。

家庭が安心で、居心地がいいからです。

愛情のある家庭が、快適だからに違いありません。

家族の方は、子どもが安心できる家庭を作れた!と思って、子育てに自信を持ってください。

人は、外に開いたり、内に閉じたりして暮らしています。

開閉の微細な調整力を育てるには、10年とか20年とかの時間がかかります。

他の子と同じに登校できないことを、悲しまない生活をしたいです。

それには、まずは家庭で過ごすスケジュールを相談し、やがて家庭以外の場所でも過ごせる選択肢と時間を増やせるといいです。

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