2桁以上の大きな数を学習するには、お金が便利です。
音声の言葉のない、32歳の自閉症の一平君とも、かりんとう販売や、レジスタディ学習に、お金を使っています。
一平君は、大きな位から、お金を合算して、数字で表わすことが難しいです。
一平君は長いこと、1の位からの、繰り上がり繰り下がりを考える、筆算を学習してきたので、お金も1の位からの筆算で考えると、お金の合算ができます。
我々は、978+856などは、メモ書きの筆算をして1の位から考えます。
しかしお金は、1000の位、100の位のような、大きな位から数えます。
この2つの使い分けを、我々は瞬時に行なっていますが、一平君にはこれが難しく、いつも1の位から考えることが、一平君のやり方です。
一平君の論理的な考え方の助けになって、しかも大きな位から考えることができる、プリントやアプリをあれこれと探しています。
一平君と使って、一平君が分かりやすかった、プリントとアプリを紹介します。
お金のプリント
一平君は、100円と10円は、よく分かります。
100円と10円の合算は、横に並べられたお金のプリントでも、工夫した手順で勢いをつけると、合算できる時があります。
50円と5円は、なじみが少なく、合算が難しいです。
一平君のお金の合算の学習に、ちょうど良かったプリントは、以下の3種類です。
KIDS Print おかねのけいさん (下の画像の左側プリント)
特別支援教育デザイン研究会 計算ドリル(足し算)練習ステップ➁ (上の画像の右側と下の画像の左側)
左側のプリントのように、2枚のお金であれば、横に並べても、合算することが進化してきました。
ぷりんときっず おかねのけいさん (上の画像の右側プリント)
右側のプリントのように、3種類のお金が横に並べられると、一平君は筆算方式で1の位から合算することができます。
脳内で、50+20+3=70+3=73と数えることは、まだ難しいです。
お金の学習2
無料アプリ「お金の学習」では、お金の種類から学べます。
一平君も、初めは「お金の学習」を使いました。
そして、「お金の学習2」に進みます。
このアプリの良いところは、お金が100の位、10の位、1の位と、空間が分かれていて、視覚的に整理されるところです。
我々は、位ごとのお金の整理を、脳内空間で行なっています。
脳内整理が難しい一平君は、脳外空間で整理することで、脳内でできるようになります。
➀でバラバラに出されたお金が、➁のヒント1をタッチすると、自動的に位ごとに分けられます。
➂のヒント2では、視覚的に数えやすいように、自動的に整理され並べられます。
整理されると、④のように530と表記しやすいですね。
選択する数字は、お金の枠の下に1から0まで登場するので、タッチして選びます。
500と表記してから、そこへ30と重ねて書くことができます。
ヒントを使わないで、自分でお金を移動させて、数えて表記することもできます。
間違うと「おおいよ」「すくないよ」などのアドバイスの文字も出てきます。
最終的には、バラバラに出されたお金を、目視で数えて表記できたら完成です。
論理的な一平君にとって、お金を大きな位から表記することが、分かりやすかったのが、アプリ「お金の学習2」でした。
一平君はこのアプリで、100円玉だけのレベル3、100円玉と10円玉のレベル6を学習しています。
最後のレベル11は、6種類のお金全てが登場します。
このアプリで、脳外で空間を整理してお金の合算を学習すると、お金が横に並んだプリントでも、一平君にお金の合算が成立しやすいです。
お金のやり取りでは、かりんとう販売のレジスタディで、一平君がお客様から預かったお金を見て、レジスタディの大きな位のお金から会計タッチすることができるか?
一平君の革生行動を楽しみに、これからも学習していきます。
(余談ですが、水原一平さんも、大谷翔平選手の考え方をメモするとか、大谷選手の珠玉の言葉を書き留めておくとか、日常のさりげない写真を撮っておいて、大谷選手の許可のもと、いつか大谷選手の本を出したいと考える革生行動が起きていれば、ギャンブルのような緩衝行動に振り回されずに済んだのかと………。大谷選手や自閉症の一平君の革生行動の笑顔を見ると、人には新しいことにチャレンジしていく革生行動が必要なのだと思えてなりません。)
猫ちゃんブログへのコメント