教材No.09-1 予定表絵カード
巡回相談に行っている保育園で、言葉の発達がゆっくりな子どもさんのいるクラスでは、絵カードによる予定表を使っていただいている。
上は3歳児予定表、下は4歳児予定表、一か月ほど使ってもらったら、1日の流れが分かり、朝、子どもが自分で1日の流れを磁石カードで並べるようになったそうだ。
上の絵カードの絵は、ともみ先生の作品である。
10年ほど、便利に使わせていただいている。
保育園の先生方は、どなたも絵が上手い。
磁石は100円ショップで売っている磁石の中で最も大きい白い丸磁石を購入した。
セリアの丸磁石が、割合上が平らだった。
絵カードはパソコンのプリンターで、写真のL判に2枚ずつプリントした。
絵は、両面テープで磁石に張り付けた。
下の画像は、保育園の先生ご自身が写真に撮り、担当している音声のない自閉症・知的障害の子どもさんのために、朝から帰るまでの1日の予定を写真カード化して、保育室のおもちゃの押入れの引き戸に貼って使った。
下は、学研ステイフル OURHOME 「できたよマグネット」直径5cm、磁石の予定カードである。
両面磁石で、裏側が「できた」となっているので、項目がやり終わったら、ひっくり返してもよし、「できた」カードを隣においてもよし、家庭で、朝の流れと、夕方からの流れに使いやすい。
磁石なので、枠はおせんべいの空き缶の蓋を利用した。
ダイソーの両面テープ付磁石を、数字タイルの後ろに、付けている。
2.5cm角のタイルは、ヤフーやアマゾン・楽天などネットで買える。
1シート121個で、1000円ぐらいである。
五十音表や数字タイルに使えるので、2シートくらい購入すると便利だ。
2.5cm 角のタイルで小さすぎる子どもさんには、4.5cm角のタイルも売っている。
枠は、もちろん、ホワイトボードで良い。
セリアのホワイトボードは、吊るせる紐付きも売っている。
100円ショップとインターネット注文で、教材の材料も安く楽に手に入れられるようになった。
便利でありがたい。
教材No.09-2 学校を意識した保育文化の変更が保小連携になる
下の画像は、保育園の年長組の先生が、給食の時間について予告をした写真である。
小学校に入ると、「もぐもぐタイム」という、黙って食べる時間がある。
保育園の年長組でも、翌年4月からの学校生活になれるように行なってくれている。
私が巡回相談で行く保育園は、年長組の子どもたちが学校生活で困らないように、保育園文化を可能な限り学校文化に近づけてくれている。
保育園は”朝から元気に遊べ”という保育目標だが、学校はほとんど朝から国語と算数の座学になる。
その文化の違いになれない子どもたちが、小1プロブレムと言って、離席したり教室離脱したりする。
元気に遊びたいのだ。
そこで保育園では、年長さんのお昼寝がなくなる10月から、座る位置を学校と同じように全員前を向く劇場型(画像:右)にしたり、朝は制作をしたりワークをしたりカルタ取りをしたりして座学にし、午後めいっぱい遊ぶようにしていただいている。
年長の子ども達にも、担任の先生が「学校へ行ったら、前を向いて座るからね」と予告してある。
保小連携の進んでいる保育園である。
文化ギャップが少ないおかげで、小学校では4月から1年生も落ち着いて、教室で座学の学習ができている。
教材No.09-3 指導計画を掲示する
特別支援学校や特別支援学級では、以下のような指導計画を作られると思う。
可能であれば、以下のような簡単な文面にして、教室の後方に模造紙で、指導計画を張り出すと、クラスの教育目標になったり、保護者も参観日に分かりやすかったり、担当者や支援員さんが複数いたり交代したりした時に指導計画を共有しやすい。
指導計画はパソコンや脳内にしまっておくだけでなくで、教室にオープンにできると良いと思う。
教材No.09-4 1日の流れを掲示する
指導計画の掲示はやや大人向けだが、1日の流れの写真カードや予定一覧表は、子どもたち向けとなる。
ラミネートしたり、クリアポケットに入れたり、マグネットで小黒板に貼ったりすると良いと思う。
上の写真カードは、巡回相談で特別支援学級を訪問した時に、撮影してラミネート作成してあげた写真カードだ。
子どもさんの1日の予定表であり、音声の要求を出しやすくするカードであり、先生の予告表・提案表である。
教材No.09-5 『朝、学校へ来たらすること』に特化した例
神奈川の総合教育センターのハンドブックにあった、朝のスケジュール表に、私は時刻をつけてみた。
子ども達は数字の順序が分かりやすく、数字が好きなので、1~7までの項目番号が振ってあるとか、デジタルタイムが書かれているとかを好む。
同様にして、デジタルタイムの他に、完了チェックできるレ点の枠も作ってみた。
完了時刻を記入してもよい。
先生が花丸をつけてあげるのも楽しい。
上の「朝の行動カード」を15 cm ものさしくらいの大きさにして、全員の机の左上に貼ってやると、朝するべきことが見えているので、行動が起きやすいと思う。
通常学級に通う自閉症の方で、「宿題をやっていったのに出さないで帰宅する」と、お母さんが残念がる。
先生が一声かけてくれたらいいのに、と思うが、下のプリントを子どものランドセルのカバー裏の透明ポケットに入れた。
通常学級における特別支援とか、発達障害の方への視覚支援とか、ユニバーサルデザインのバリアフリーとか、自閉症の方のためのティーチプログラムとかは、上述したようなことだと理解している。
ソーシャルスキルと同様に、予定伝達についても、物理的環境=可視化された教材を整えている。
先生や保護者の脳内の願いを、脳外に見えるようにする、音声のように消えてしまわない情報にする、そういう「心理学的輔生工作(梅津八三)」が大事だ。
猫ちゃんブログへのコメント