こだわりのある子どもと爪切りについて相談する

保育園や小学校で、清潔検査というのがあります。

お当番さんや保健係さんが、爪が伸びすぎていないか、を調べます。

手の甲側から見た時、白い爪が見えているのがいけないと指摘され、真面目に受け取りすぎて、深爪になった小学校低学年の子どもさんの例を紹介します。

ネットで、皮膚科医が勧める、爪の切り方を色々調べてみると、手のひら側から見た時に、白い爪が見えない程度に切ると、数記事に書かれていました。

<アイキャッチ画像の爪の切り方は、2020/2/17のウェザーニュースに掲載された図です。>

私の爪の切り方

私も普段、1~2 mm は、白い部分が残るように、爪を切っています。

爪を切りすぎると、爪と肉の間が割れて、何度も痛い思いを経験しています。

パクッと口が開いたところに、オロナインを塗って、バンドエイドを巻くと2日ぐらいで治ります。

それで、手足ともに、1~2 mm は爪の白い部分を残して、切るようになりました。

私の角を丸くする切り方は巻き爪になりやすいから不合格で、角を丸く切るよりは、スクエアに切るようにと、いくつもの皮膚科医の情報に載っていました。

長年の習慣を、大人の自分でもなかなか変更できていません。

自閉症の一平くんの爪のかじり方

ブログで何度か紹介している、自閉症の一平くんは、いつも深爪でした。

物心ついたときから、手の爪も足の爪も、自分で噛んで切り取ってしまい、一平くんが成人するまでお母さんは爪を切ったことがないというお話を聞いていました。

小中学生頃の一平くんの深爪はこんな感じでした。30歳になった今ではかじらないで普通に近くなっています。インターネット アメーバブログ 深爪矯正 リバティネイルの画像

自閉症の方は、感覚過敏とこだわりを持っているので、少しでも爪が伸びると、かじって切り取る、そうせずにはいられないのだと、理解しています。

一平くんは、20歳ぐらいから、爪をかじらなくなり、お母さんに爪を切らせてくれています。

爪をむしる小学校低学年の子どもへ「爪の切り方の情報」提供

一平くんのように強いこだわりがなくても、清潔検査の爪切り基準の認知の誤解で、自分で手足の爪を指でむくようになった子どもさんがいます。

冒頭に書いたように「手の甲側から見た時、白い爪が見えているのがいけない」と思い込んでしまったようです。

その子どもさんにとっては、保健係さんの指摘が世の中の基準だと思えて、その通りにしようとしたのでした。

それがきっかけになって、深爪が続き、とうとう足の親指は血が出て、歩いたり走ったりすると痛むようになりました。

こうなると、学校の体育や、マラソン大会に、参加したくなくなる痛みです。

ネットのSync Health Blogシンクヘルスブログの画像

「爪は指の肉からはみ出ないように切る、だからむしる」と考えている子どもと、どんな風に話し合ったらいいか、お母さんから相談を受けました。

そこで、「インターネットの皮膚科医の勧める爪の切り方の情報」を目に見せて話し合うように、以下を紹介しました。

ネットの「ねとらぼ」より:皮膚科医「みんな爪切り過ぎなんよ」知っておきたい爪のトラブルを避ける正しい切り方

①画像という目からの情報、➁皮膚科医という権威のある専門家からの情報、③いくつもの意見、の3つを確かめる力のあるお子さんでした。

お母さんも深爪を非難するのでなく、別の情報を提供して「爪の切り方を知ってもらう」という姿勢で、子どもさんと話し合ってくれました。

対処は爪を保護するバンソウコウで成功

お母さんからの報告では、「画像や写真について、頭では理解してくれた」ということです。

感覚過敏、こだわり、学校生活のストレス、手持ち無沙汰な時に爪をむいてしまう、なども少しずつ関係しているので、爪を保護する道具があるといいなあと思いました。

そこで、爪が伸びるまで、今夜からバンソウコウを貼ってみるように、お母さんに提案しました。

普段子どもさんが使い慣れているものが良さそうです

「爪は指を保護するところだから、切りすぎると血が出たり、ばい菌が入って、指が痛む」

「爪が伸びるまで、バンソウコウで保護していこう」と、話してもらいました。

その後、数日、爪をむしらないお守りとして、バンソウコウを貼り続けています。

お風呂の後に、親子で爪の状態を確認し合って、夜間はバンソウコウを貼ったり休んだり、朝はバンソウコウを貼り替えたりしています。

お母さんもほっとして、明るい顔になりました。

Amazon には爪の保護キャップも販売されています。ネットはサイズ確認が難しいので、手に入れたい方は皮膚科医やドラッグストアの薬剤師さんに画像を見せて相談してみましょう。

常識を目で見て分かるように提供して子どもに納得してもらう

保護者も、学校の担任の先生も、養護教諭も、「目の高さで手の平側から見て爪が見えないくらい、足の甲側から見て1~2 mm は出ていて良い、指を保護することが大事」と、画像・絵・図を見せて、話すとよいと思います。

子ども一人ひとりによってバラバラになりやすい清潔検査の基準を、画像・絵・文字にして学級に貼ると、爪切りについて、認知の誤解がある子どもさんを助けます。

子どもさんの深爪で悩んでいるお母さんも、先生も、脳の中にある爪の切り方のイメージを、画像で見せて、子どもと話し合ってみてください。

画像や言葉による説明理解が難しい場合

爪切りの説明理解が難しい子どもさんのケースでは、「血、痛い」「爪、大事、大事」「爪、伸ばす」「バンソウコウ」などの短い言葉で、根気よく、見かけるたびに、身振りを入れて話しかけることが必要です。

自閉症・知的障害のある人たちにとっては、上記のような短い言葉でも、高度な分子合成系 (梅津八三「言語行動の系譜」 )・外挿対応(中野尚彦)の言葉なので、深爪を変更する行動調整は、冒頭の一平くんのように20~30年の年月がかかることがあります。

爪をかじってしまい深爪状態でも、本人が痛がらない、血も出ないのであれば、無理に深爪を矯正しなくてもいいと思います。(梅津八三「現勢の保障」)

痛がったり血が出たりした時は、皮膚科に通院したり、バンソウコウで手当てしたりして、「血、痛い」「バンソウコウ」などの短い言葉を使ってください。

通院先の医師と、家庭と、学校と、放課後学童との連携で、「爪、大事、大事」「爪、伸ばす」を、使っていきたいですね。

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