子どもさんの発達を心配して、保護者の方が相談に見えます。
どんな風に接したらいいか、何をしてあげたらいいかと、たずねてくださいます。
保護者の方も、子どもに寄り添いたいと、思っているのです。
社会や一般常識の側に立つのでなく、子どもの心の側に立つということは、既に投稿しました。
子どもの心をつかむには子どもに並んで子どもの心の共犯者になる―幼児の場合 | 猫ちゃんブログ
子どもの心をつかむには子どもに並んで子どもの心の共犯者になる―不登校の場合 | 猫ちゃんブログ
社会的ひきこもりを防ぐたった1つの方法―子どもの味方になる | 猫ちゃんブログ
したこと・できたことに注目して声をかける
子どもの心の側に立つとは、具体的に、どんなイメージで接するのでしょうか?
社会自立の目標から、トップダウンで考えるのでなく、得意なことで今できていることを、ボトムアップで伸ばしていく、接し方・声かけのイメージです。
トップダウン型=目標から考えるやり方は、競争社会や、会社の社長さん、学校の校長先生?の考え方に多いですね。
子どもを支えよう、子どもに寄り添いたい、と思う先生や保護者の方は、ボトムアップ型=出来ていることを底上げするやり方がいいです。
大抵の保護者の方は、親の仕事は、子どもがまだ取り掛からないことを言って、取り掛かるように促すことを、しつけや育児だと考えています。
例えば
「手を洗いなさい」
「連絡帳を出しなさい」
「宿題をしなさい」
「ご飯食べなさい」
「お風呂入りなさい」
「早く寝なさい」
などですね。
しかし、上記のような声かけは、不器用さや短気あるいは不登校など、発達や適応に苦労がある子どもさんには、向いていません。
まだ取り掛からないこと、していない未来のことに声をかけるのでなく、過去となった確定しているできたことに触れて自信を持たせます。
以下はすべて、やった事実への共感の言葉です。
「おかえり。怪我なく帰れたね」
「靴を揃えてくれたんだね」
「連絡帳やプリントを、持って帰れたね」
「連絡帳に何が宿題か、書けてたね」
「明日は何々を持っていくんだね。用意するね」
「算数は、今は何を習っているのかな。お母さんにも見せてね」 道具を出す。
「漢字練習がたくさんありそうだから、手伝うよ」 ノートを開いて、鉛筆を削り、 練習のそばでへんとつくりを言ってあげる。
「音読、聞かせてね」 教科書を開いて、 お母さんも読んでみる。
「お母さん30分で夕ご飯作るから、同じ30分で宿題して、一緒にご飯食べよう」 タイマーをセットする。
「昨日は、食器洗いをありがとう」 照れるなら「昨日、食器洗い、サンキュウ」にすると軽い感じになる。
「昨日は、お風呂洗いをありがとう」
したこと・できた事実に共感の声をかけると、子どもは次にすべきことに、取り掛かり易くなります。
取り掛かりにくそうな時は、宿題のスタートだけでも、一緒に座り、時間を共にしてあげてください。
あるいは、勉強道具を用意して、お母さんが宿題を始めてみてください。
「へぇ、こうかな?」という、お母さんの自問自答
「これで合ってる? ねぇ、先生、どうですか?」という質問
など、仲間として、先にスタートを切る感じです。
子どもが宿題に取りかからないことを責めない、それが肝心ですね。
「誰でも面倒なことはやりたくないね、その気持ちをわかるよ。お母さんも、お腹いっぱいになった後で、すぐには皿洗いはしたくない。」などという、共感が大事です。
相手の行動の非難でなく、自分の体験や気持ちを語れば、やる気が起きない子どものプライドを、傷つけません。
億劫だけど、しゃーない、やっちゃおうか、という、同行の「Let’s~(~しよう)」と、声を掛けましょう。
漢字が苦手だったら、苦手なことを克服させようとしないで、得意な算数から取り掛かると良いです。
得意な算数が、横に広がり縦に伸びていく中で、苦手な漢字もそれに伴って、意欲や取り掛かりが底上げされます。
得意を伸ばして、苦手はちょこっとプラスワンでいい 、そういう応援の仕方が、共感、子どもの励ましになります。
出来ていることに注目する、したことに声をかける、そういう声掛けから、やる気をボトムアップしていく。
子どもは、認められて、いい気分になって、心地よい自信の中で、取り掛かりや踏み出しを見せてくれます。
これは、他の家族にも、職場の同僚にも、恋人にも通用するやり方です。
ぜひ、お試しください。
猫ちゃんブログへのコメント