「頭の重さは5kg あって重いから、下を向いてスマホをすると頭の重さは27kg になり、首や肩が凝って疲れます。スマホをするときは、両手でスマホを持ち上げて、目の高さで操作してください。」と言葉で説明され、言葉からスマホの使用場面をイメージできて、使い方を改善できたら、首こり・肩こりが減りますね。
大人は音声の言葉から、脳内イメージを持って、行動をコントロールすることができます。
脳内イメージを持ちにくい子どもたちには、脳内イメージを脳外に見せることがポイントです。
スマホの使用場面の絵を見せて説明すると、子どもたちにはとても分かりやすくなります。
音声による脳内イメージの共有が難しい時は、脳外の絵を目に見せて話すと、脳内イメージが共有されます。
特別支援教育とは、まさにこの脳外化がポイントです。
余談になりますが、子どもたちが読書よりも漫画や映像ゲームが好きな理由は、文字の言葉だけでイメージをふくらませて楽しむことが難しく、漫画や絵など、より分かりやすいイメージの提供に惹かれるからです。
椅子に座って読みましょう
音声よりも、文字よりも、下のような画像だと、期待される状況がわかりやすいですね。
2枚のカードを同時に見せれば、2つの行動を同時に見比べられます。
✖印に拒否反応示す自閉症のかたであれば、〇印の絵カードだけ見せると良いと思います。
あるいは表裏一体のカードにしておくと、「床で読むのは困るよ」➡「椅子に座って読もうね」と、時間順序で説明するときに、扱いやすいかと思います。
TOSSサークルが開発したソーシャルスキルかるた
猫ちゃんブログで何度も紹介してきましたが、子どもたちに期待される行動が、分かりやすい絵で描かれているカードです。
TOSSサークルの先生方がねらっている、最高に「短い指示語」が、絵のわきに書かれています。
状況が絵でわかりやすいエスコアールの状況認知絵カード
エスコアールの状況認知絵カードも、音声の言葉で言われただけでは、脳内に再現しにくい状況が、分かりやすい絵で描かれています。
TOSSサークルの学校ソーシャルスキルフラッシュカード
授業編、学校生活編、対人関係編の3つがあります。
七五調になっていて、口調が覚えやすいカードです。
⓪物理的な授業ルールのカード1枚として使えます。
①意欲や態度に関わるカードとして使えます。
➁学校で必要な学習スキル・生活スキルのトレーニングに使えます。
③家庭生活・学校生活・社会生活で必要な対人スキルに使えます。
絵や写真を提供できないときは「身振り」運動でイメージと記憶を強化する
子どもたちは、大人が身振りを付ければ、音声からのイメージを持ちやすくなります。
「よく聞いて」の時は、耳に手を当てる身振り。
「よく見て」の時は、両手で眼鏡を作る身振り。
「マスクしてください」の時は、口を手のひらで覆う身振り。
「赤白帽子かぶってね」という時は、両手のひらを頭につける身振り。
足し算の時は、両手を空中で合わせる身振り。
引き算の時は、両手で左から右へ引っ張る身振り。
三角形、平行、垂直、円周、円の中心、直径、半径とはの身振り。
直角、鋭角、の身振り。
音声だけで説明するのでなく、先生が身振りを加えて、子どもたちにも身振りをさせて、弱い聴覚記憶を、運動記憶と視覚記憶で強化してください。
家庭でも保護者が、放課後学童でも指導員さんが、宿題を見てあげるときに身振り解説をしてみせてください。
宿題が楽しくなります。
音声・文字の一つ手前のことばである、絵や身振りを当たり前のように使っていただけると、発達障害のある子どもたちにも、わかりやすい指示、わかりやすいイメージが、保障されます。
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