ダウン症のまさや君かなトークとレジスタディでパンの販売学習を始める

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30歳のダウン症のまさや君は、病院の療育に2歳から通ってきています。

お母さんは「ダウン症の子どもを育てることは、3つ子を育てることよりも難しいよ」と、育児の大変さに共感してくれた小児科医、深澤尚伊医師の言葉に支えられ、まさや君を育てて来ました。

ダウン症のまさや君紹介

まさや君は、幼児期、障害児の通園施設と一般保育園を利用しました。

学齢期は、特別支援学校の小学部、中学部、高等部で学び、元気に話す子でした。

構音がはっきりしないので、私にはまさや君の言葉がほとんど聞き取れません。

カップラーメンのような実物がある時は、「たべる」らしく聞こえるのですが、まさや君が語る気持ちの言葉などは、お母さんの通訳なしでは全く分かりませんでした。

特別支援学校高等部を卒業してからは、平日毎日、B型作業所に通っています。

ダウン症に、自閉症スペクトラムが併存する、まさや君の行動は、非常にゆっくりです。

家庭では、敷居をえんえんと足で往復したり、ひげそり、歯磨き、シャワーなど、それぞれ5分で終われなかったりします。

運動系に不器用があり、高い場所や、階段を降りることを怖がります。

失敗を恐れるこだわりがあり、失敗がトラウマになって避けようとします。

現在も、注射や血液検査は、怖がってできません。

26歳から、グループホームも利用しています。

ダウン症のまさや君 グループホームへチャレンジする

急げないまさや君の着替えが重労働

行動がゆっくりなまさや君は、作業所で、作業着への着替えや、昼食に、それぞれ1時間以上、時間がかかるようになり、働く時間が半減しました。

どんな作業着か、お母さんに聞くと、名札をはさむためのポケットがある、白い T シャツとエプロン、ということでした。

エプロンは、お母さんが、ひもでなく、マジックテープにしてくれています。

Tシャツを、自宅から着ていったら、脱いだり着たりする手間が省けるのではないか?

冬は T シャツを着て行って、上に作業着のTシャツを重ねて着るのはどうか?

と、お母さんに提案し、ポケット付きホワイトTシャツの薄手と厚手を、まさや君に贈りました。

ダウンジャケットの下に、白いTシャツを着て来て、作業着を見せてくれたまさや君

作業所さんと話し合い、現在、夏は薄手の白Tシャツを着ていく、冬は厚手の白Tシャツを着ていく、などにしているそうです。

構音が不明瞭のまさや君に代わって発声するアプリ「かなトーク」

作業所でまさや君は、パンを入れた透明袋の封入テープ、パンの名前のシール貼り、値段のシール貼り、などを担当しています。

パンの並べ方も、ていねいで、上手いです。ハンドル付きケースはニトリ製。

まさや君は学齢期は大声で話していましたが、構音が不明瞭で相手に伝わらないことを自覚したためか、23歳以降はほとんど音声で話さなくなりました。

アプリ「絵カードコミュニケーション」をお母さんに紹介すると、家庭の品物を写真に撮り、まさや君が「ヤクルト」などと音声を吹き込む学習を、お母さんがしてくれました。

まさや君は、文字が見えるカラオケや、文字が見えるアプリ「歌入り童謡」が好きです。

まさや君の好きな「歌入り童謡」「動物パズル」野球アプリ「キッズスタジアム」

文字が見えていると、音声を出しやすいことは、33歳の自閉症の一平君でも、経験しています。

かなトークで一平君しゃべる

まさや君も、音声発声型意志伝達アプリ「かなトーク」を使うと、かなトークがしゃべってくれるので、パンの販売学習を楽しめるのではないかと考えました。

あらかじめ、まさや君と一緒に、販売のあいさつ文をかなトークに入力します。

私が見本に書いた文章を見せると、まさや君は入力できます。

まさや君のiPadの操作は、長年お母さんとやってきて、療育でもここ3年ほど使っているので、文字切り替え、濁音半濁音、拗音、促音、句読点などの選択もうまいです。

あいさつ文の入力中、パン販売をイメージできて、まさや君に笑顔がたくさんありました。

音声発声型意思伝達アプリ「かなトーク」5種類を比較してみました

おつりの計算をコインで表わしてくれるアプリ「レジスタディ」

まさや君と、療育の部屋で、「レジスタディ」の操作を練習します。

①お会計をタッチ

②私が150円のパンを買うと

販売するパンの種類は毎回違うので、パンをまとめて撮影して、値段だけ変えました

③まさや君が150円のパンをタッチ

中指薬指小指を丸められない、開いて人差し指を使うのは、器用ではない症状です

④私が200円出すと、まさや君が100円硬貨を2回タッチ

⑤会計ボタンをタッチすると

⑥おつりの50円玉が現われ、同じお金をまさや君は選べて、渡せます

病院内ナースステーションへ販売に行きます。

一平君と、かりんとうを販売した時に、前もってパンの販売を広報しました

お母さんも、こっそりついてきて、販売の様子を撮影してくれます。

iPad はまさや君が操作し、私はお金を預かる青いトレイを持っています。

レジスタディでは、預かった金額に対して「ぴったりです」の文字が出たり、会計の最後に「ありがとうございました」の発話があるので、まさや君は話せなくても安心して販売できます。

販売中、操作を一度間違って、間違い音が「ブー」となりましたが、まさや君にショックな様子はありませんでした。

売上のお金を合算してくれるアプリ「i金種計算機2」

パンの代金として預かったお金を、まさや君が金種ごとにテーブルに並べて、アプリ「i金種計算機2」で、いくらになったかを確認します。

販売代金を、売上ポシェットでなく、私がおつりのケースに入れてしまい、少額表示

「i金種計算機2」の操作も、まさや君はすぐに覚えました。

操作を間違えても、ショックな様子はありません。

レジスタディにも「今日の売り上げ」があり、いくらのパンがいくつ売れたかが分かります。

お母さんが、作業所の売店で、パンを購入してきてくれたレシートも、次回から照らし合わせます。

まさや君のパン販売でも、一平君のかりんとう販売でも、iPad、お金のトレイ、おつりのケース、を並べたいので、キャスター付き移動販売台が必要だなあと、考え中。

販売学習の感想を書き、「歌入り童謡」を聞いて歌うまさや君

まさや君は「かなトーク」にあいさつ文を入力し、「レジスタディ」を使ってパンを販売し、「i金種計算機2」でお金を集計しました。

パン販売の感想を、iPadに書きます。

私が文字を書いて、読み上げて聞くと、面白かった?楽しかった?にはイエスと頷き、つまらなかった?には首を横に振り、問いかけにすぐに意志を表しました。

私の文章見本を見て書きました。

最後に、楽しみにしている「歌入り!大入り!童謡えほん」を見ながら聞きます。

どの歌も、歌詞が文字で出てきます。

まさや君は、文字を見ながら歌を聴くのが、楽しいようです。

グリーンで囲った3曲は、まさや君が歌いながら踊ってくれる3曲

「げんこつ山のたぬきさん」を、ささやき声で歌いながら、踊ってくれました。

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