教材No.04-1 棒さし以前=玉入れ
玉入れ教材には、種々のバラエティがある。
まずは、玉を取る、ボールを持つ、ボールを自分に引き寄せる、という行動が無ければ、ボールを入れるという行動は起きない。
ボールの宝探しは、記憶の保持の学習になる。
子どもは手のひらで、ぴったり握れる大きさのボールが好きだ。
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球体の玉入れが上手くなったら、棒さし・リング差し・だんご差し・スリット通しへと進む。
その先に見えているのは立体から平面に近づく填め板である。
教材No.04-2 棒さし
ボールは手の平とおおざっぱな指使いでつかめるが、棒さしはもう少し手指の巧緻性が要求される。
水口浚(フカシ)先生から頂いた、カラフルな蛍光色の棒差しは、子どもたちに大人気だ。
棒が、穴にスーッと吸い込まれる感じの、素晴らしい出来上がりだ。
お菓子のたまごボーロをつまみにくい子どもさんも、水口先生の棒さしの棒は、つまんで楽しそうに入れる。
飲み物のブリックパックの中央を押すと、中身がぴゅっと出てしまうので、お母さんはカバーをかけて工夫してくれている。
円柱さしなら、ダイワカラーペグ25が廉価で良い。
年齢や学習を重ね、手先が発達するまでは、生活場面でも、こういう物理的な工夫が大事だ。
手先の器用さだけが単独で発達するわけではなく、手指の巧緻性には全身の運動発達も必要なので、この子どもさんとは、階段登りも、机上学習の後で、毎回行なった。
さいわい6階の屋上に行くことが好きな子どもさんだったので、楽しんで昇降できた。
KUMON には5色50個の棒さし(正式名称は「すうじペグボード」)もある。
くもんのペグ差しは、四角柱で方向があるから、方向のない円柱よりは難しい。
くもんのペグ刺しは販売されなくなったので、Amazon で手に入るモンテッソーリ教具色つき円柱さし 49本が良さそうである。
機関車トーマスが好きなお子さんなら、小さなトーマスシールを棒の上下のてっぺんに張ってやると10個並べることを喜ぶかもしれない。
標識が好きなお子さんなら、標識のミニシールを、棒の上下のてっぺんに貼ってやると良い。
好きなもののシールを利用すると、やる気・意欲が高まる。
手に何か持っていること、運動感覚を満たすこと、並べることが好きなお子さんにも、棒さしは向いている。
教材No.04-3 リング差し
ボールも、棒も、筒も、リングも、だんごも、入れるということに慣れておくと、様々に学習は進展する。
棒が先か、リングが先か、だんごが先か、分からない。
子どもの喜ぶもので進め、バラエティーを作るといいと思う。
ピンポン玉やビー玉はダイソーなどにあり、筒や棒はホームセンターで売っているものをノコギリでカットする。
穴開けは、旋盤という工作機械の、ボール盤がないと開けられない。
カインズなどのホームセンターでは、ベニヤ板や棒は1カット50円で指定のサイズにカットしてくれる。
カインズの会員になっているとカインズで買った材木はその場で5カットまで無料でしてくれる。
1カット50円を高いと思うか安いと思うかは、個人の諸事情による。
どんな材質でもカットできるノコギリは、ホームセンターで1000円から2000円くらいで売っている。
リングは、水道管の塩ビ管をノコギリでカットしたものだ。
リングを入れる、方向が自在のジャバラは、瞬間湯沸かし器の先の器具である。
ホームセンターのリフォームのコーナーにある。
値段は高い。
針金のくねくね教材は市販品でも販売されている。
良いものは5000円くらいする。
私はくねくねの針金が1本だといいと思う。
これを楽に扱う子どもさんは3本の針金を楽しめるらしい。
一時期ダイソーにも小さなくねくね教材があったが、これはやはり下の画像のような大きなものが良い。
紐通しは最低でも3~4cm の大きな粒のサイズのものが良いと思う。
紐の先は、ボンドやセロテープで硬くして、入れやすくする。
下の画像の紐通しは、保育教材で3000円ぐらいする。
紐通しが出来上がったら家族の首にかけてあげたり、先生にかけてあげたり、出来上がりの楽しみがある方が良い。
ただの手の訓練は、意欲が換気されない。
紐通しの意欲を高めるには、その子が好き、動物・乗り物・恐竜などのブロックの紐通しが良い。
出来上がったのに、その場でまたほぐされると、終わりが分からず、パニックの原因になることがある。
出来上がったら画像に撮ったりして、写真で見せると良い。
「紐通しのアルバムが10枚たまると(きょうのor今週の)練習終わり」のような、終わりの見通しが立つ紐通しが良い。
そういう理解が難しいかたは、一度の完成で十分だ。
2回目は、洗濯ばさみネックレスなど、ほかの材料にした方がいい。
1から10の数唱とスライド運動
一対一対応を促すには、横へスライドさせるような大きな運動を初期には必要とする。
滑らす教材を作れれば良いが、市販品のスライド玉もある。
10個ずつが2段になっているので、大人が身本で数唱運動リーダーになりながら、子どもが扱える。
教材No.04-4 だんご差し
だんご差しは入れる運動感覚を楽しみながら、数の系列化へと進展させる教材だ。
保育教材や木のおもちゃを扱う店舗で、カラフルなだんご差しが市販されている。
しっかりした作りですーっと入る感触があると、安くても2000円くらいし、高ければ3500円ぐらいする。
市販品は美しいが、棒の頭がだんごより、1cm ~2 cm 飛び出ていることが多い。
これは、棒にもう1つ、入ってしまう可能性があって、子どもに誤解を起こさせる。
だんごの数量の分、棒の長さもぴったりとカットされている方が良い。
かつて、ニトリのキッズコーナーでも、だんご差しが販売されていた。
トイプラネットのようなおもちゃの再販店には、今でもそれが販売されている可能性がある。
ただし、棒の高さはすべてだんご5個分の高さまであり、だんごを5個ずつ差すことだけを楽しむものである。
私は数の「序数と基数」の学習に使いたいと思って購入したので、棒の長さが、だんご1~だんご5の高さになるように、のこぎりで棒を切った。
初めは、棒の長さが量と対応している方が、やさしい。
1個・2個・3個という、量の意識を子どもに持ってもらうことは、とても難しい。
1~5の量の理解が完成すれば、ニトリの市販品のように、棒は5の長さがあっても良い。
そこでニトリのだんごをセロテープでくっつけて、1回で1の量、2の量、3の量が同じ高さの棒に入るようにした。
だんご差しの仕事はすぐ終わってしまうが、この方が棒の長さとだんごの数量を対応させやすい。
ニトリのだんご差しは、販売当時980円だった。
同じ色1色のだんご差しにしたいと思ったが、さすがに5セット、5000円は買えなかった。
同色にしたいと思うのは、私のこだわりか?
ダイソーに、下の画像のようなだんご差しが販売されていた。
数千円のだんご差しに比べたら、100円だから、材料はちゃちだ。
細い棒は、穴へのハメ込みでなく、ボンドで板に付いているだけなので、すぐに外れる。
私は棒の周りに、ボンドをたっぷり付けて補強した。
ダイソーのこのだんご差しも、カラフルな5色のだんごでできている。
100円なのでこれは5個買った。
すると同色のだんご差しが作れた。
100円なので、惜しげなく、ボンドでだんごを貼り付けた。
1回の仕事で、子どもはだんごを棒の高さのところに入れる。
修正も起きやすい。
階段状だということが、比べやすい、分かりやすい、出来上がりやすい。
棒の高さと、接着しただんごの量が一致するようになったら、バラのだんごでもやれる。
バラのだんごの時は、子どもは入れることに一生懸命なので、「1、12、123、1234、12345」という数唱は、こちらが言ってあげると良い。
ダイソーは安くて教材費が助かるが、一度ワーッと販売すると、同じ商品の再販は無いので、その時に手に入れないと、後では入手が難しい。
棒差しとだんご差しを合体したような教材に、立体積み木差しや、立体積み木構成がある。
異なる色を無視して、「同じ形で集めてください」という課題が、上記のような色違いになる。
1・2・3・4・5の棒に入る積み木は、同色の積み木が良い。
型はめパズル 積み木 スタッキング であれば、同色で、数の学習につながる。
立体的な教材で、様々に形を意識させておけば、填め板の形合わせに繋がりやすい。
教材に適度な重みがあること、それが木製のおもちゃの良い点である。
丁寧に磨かれ、カラフルであることも大事だ。
口に入れる子どもさんもいるので、扱うときは目を離さず、飲み込みに注意し、片付ける時はノンアルコールの除菌ティッシュ等で拭いておく。
教材を写真に撮ってカードにしておけばどの教材を使いたいかの意思表示ともなる。
あるいは、これをやろうと言う予定・予告にもなる。
玉入れやだんご差し辺りを学習する子どもさんは、2 L ~はがきサイズくらいの大きめの写真が良い。
線図形や文字の学習ができるような子どもさんは、 L サイズの写真で良いようだ。
「この範囲を見てください」と伝えるために、提示するときに、たいてい木製の枠・ホワイトボード・箱の蓋を使う。
下の画像の枠は、縁が浅く、子どもの操作の邪魔にならない、ダイソーの将棋盤の裏を使用している。
これはダイソーで、3セット買うと、青色・黄色・緑色の、同色で集合させることができる。
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