4歳5ヶ月の L 君の、色の学習と数の学習が進化しました。
これまでは、立体的な感覚運動教材が、L君のやる気をリードしていました。
L君が扱って楽しい木製教材だから、手を伸ばして取り掛かり、こちらの提案も少し受け入れて、色ごとに分けたり、高さ比べをしたりしていました。
今回の L 君は、自分からさっさと椅子に座り、自分から机を引き寄せて、背筋がピンとして、りりしい姿勢です。
机には、L君の好きな教材、アンパンマンのソフトパズル、立体色形積み木、円環填め板、終わりのカードを、起きました。
姿勢を良くするには、机の上に子どもが分かる・できる活動を用意するということが大切だと、改めて感じました。
色の認知の3項関係の進展
L君は、立体の円柱・三角柱・四角柱の積み木を、色ごとに枠に収める教材が好きです。
棒差し・円柱さし・スリット通しのあたりの教材が、現在のL君が最も楽しめる教材なのだと思います。
しかし、お母さんと私に、L君の就学まであと1年という負荷があり、L君に過重な進展を要求することが、しばしばあります。
L君の発達を無視して、目標を先に立ててしまって、 L 君をそこに合わせようとしがちです。
L君の行動が乱れたり、崩壊したりしていくとき、こちらの設定が無謀だったのだなと思います。
今回のL君は、半年ほど楽しんで扱ってきた、立体の円柱・三角柱・四角柱の積み木を、自発的に、数のだんご差し階段の色と結びつけて、色の世界を認知しました。
「これと同じ」と言って、だんご差しのだんごを立体積み木の上に、自分から乗せました。
これまでは、積み木で「赤組さん集まれー、黄色組さん集まれー、緑組さん集まれー、青組さん集まれー」と、色を私の言語で概括してきました。
それを今回は、L君が自分から、積み木とだんごで、色の集合を作ったのです。
5重の円環の大きさ比べも、出来上がると、円環と積み木を、色ごとの集合にしていました。
L 君の、色の集合・色の分類が、出来上がった瞬間です。
次のステップは、お母さんが最も気にしている、色の命名と記憶の学習です。
もしかしたら、L君には文字をつけた方が色の名前が入るのか?とちょっと思い始めています。
というのは、この日、L君は一番最後に、学習を終わりにするとき、自分から「終わり、終わり」と、「おわりタイルカード文字」を見せろと要求したからです。
「あお、きいろ、みどり」の文字、あるいは一文字にして、「あ、き、み」の文字カードを作ってみようと思いました。
色の事象=色の名前という対応が未形成なので、中間を文字で中継ぎしようと思ったのです。
さあどうなるか、文字による色名の名札付けを、今後はチャレンジしてみたいと思います。
数の認知の3項関係の進展
①バラのだんご差しを作れた
この日、L君の学習は、数でも大きな変化がありました。
長さ比べ・高さ比べのだんご差しを、見事に2台とも、1から順に探してきて5まで作りました。
この時、余計な行動が何もなく、一気に1から5を作れたので、 L 君の数の認知の進化を感じました。
次に、私が「バラでもできるかな?」と、1つずつバラバラのだんごを15個出したところ、L 君は、2の時は2個、3の時は3個、4の時は4個、片手でだんごを積んで集めて、そっくり棒に刺したのです。
素晴らしい。
お母さんと私は、大感激。
拍手、喝采。
L 君は、大したことじゃないという、普通の顔をしています。
こういう時、ハイタッチをして、目を合わせて仲間と喜ぶという ことを、 周囲の側から積極的に働き掛けたほうがいいL君です。
家族や周囲が、喜怒哀楽を積極的に共有しようと心がけるかどうかが、 L君のコミュニケーションの形成に大きく影響しています。
恐竜シールのタイル階段も、カッコイイ素晴らしい手つきで、数字合わせまでやれました。
次回は、恐竜シールのタイル階段も、バラタイルで構成しようと思います。
線図形への着目が進化しているので、文字を導入できそうな気がしています。
➁2と3の指型を中継ぎにして、量と数字を一致させる
量と数字の一致とは、事象(量)の3個と、音声の/サン/と、数字の3が結びつけば、完成です。
だんご差しの階段で、進化が起きたので、前回使った、ドラえもんのナンバーブロックの教材でも、進展があるのではないかと、やってみました。
前回からの予定では、指型を中継ぎ信号に使うことでした。
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L 君は、1個と2個は分かるので、L君のわかる1と2のところから、L 君の目が見てくれるように、枠の数字の側に指型1・指型2と、指型を数字に近接させて、出してみました。
すると、L君はナンバーブロックドラえもんの2個を探す前に、私の指型2を見てから、ドラえもん2個を探しました。
ドラえもん3個を探す前にも、私の3の指をしっかりと見てから、ドラえもん3個を持って来ました。
私の指型を中継ぎに、数字に対応するドラえもんのナンバーブロックの量、2個・3個を探して来れたのです。
これも、この日、とっても嬉しい瞬間でした。
私が指で、数字に対応する指の量を出している、というヒントはもちろんあります。
しかし、学習の形成とは、「正解を教える時に一番学ぶ」ということだと思うのです。
L君まだ、自分の指型を中継ぎに出しませんが、この方法を2~3回やって見せると、おそらく取り込んでくれるような気がします。
おそらく、L君も、「ドラえもん3個=指型の3=数字の3」の関係がわかった、という瞬間だったと思います。
お母さんも、嬉しそうでした。
次回は、ドラえもんのナンバーカードの上で、2個の時は2の指型、3個の時は3の指型をカードの上に作るように、形成していきたいと考えています。
あるいは、2の数字に2個の点、3の数字に3個の点をつけておこうかとも思います。
生活の中でも、2個のものに2の指を出す、3個のものに3の指を出す、それらが数字と量を一致させる中継ぎ信号の形成だと考えています。
指型に「イチ・ニ・サン・ヨン」の音声の名前をつけることも、重要だと思っています。
さらに、数字の呼び名の強化として、「数字の歌」の絵カードを、お母さんにお渡ししたので、家庭でお母さんとお姉さんと、歌と絵を覚えてくれるように思います。
歌う時、指型を付けて歌ってもらうと、さらに良いです。
会話と違って、歌は、決して言葉が変わらないので、記憶しやすいと思うのです。
教材の貸し借りについてのソーシャルスキル
L 君は、入力された言葉を、オウム返しで取り込むことがあります。
教材を貸し出す時、私が L 君に「持って帰る?」といつも聞いているので、 L 君もそれを取り込んで、お家で使いたい教材は、「持って帰る!」という肯定文で、言ってきます。
しかし、
恐竜のパズルを、借りたい時は、「貸してください」
使い込んだパズルを、返す時は、「ありがとうございました」
そういう、挨拶のスキルも、大人が入力しないといけないな、と思いました。
これもまず、絵カードから入力するのかな、と思います。
お母さんや私による「オウム返し入力」を利用すればいいのだ、と考えています。
「持って帰る?」と二人の対面の会話でL君に尋ねるのでなく、お母さんか私が、「貸してください?」と、L 君と一心同体になって、L君から発話して欲しい言葉で尋ねないとといけません。
借りていた教材を返す時も、大人が、「ありがとうございました」と、師範しないといけません。
対面の話法の取り込みはL君には難しいので、一心同体の話法でL君の発言を師範して見せる挨拶が、重要だと思いました。
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