算数文章題多少比較構文の心理学的な工作方法

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教材No.44-1 子どもの認知や心理に基づいた教材

 中野尚彦の教材の発想は、天才的である。

野生児のビクトールに直接法(カップに隠されたくるみを記憶しておいて取る)を授けた、イタールをしのぐ発想だ。

もちろん、初期学習の中島昭美や水口浚、盲ろう二重障害児「しげ子とただお」を教育した梅津八三の教材開発に匹敵する発想を持つ。

中野は、金沢の木村氏に並ぶ、日本屈指の心理学的な教材の開発者だ。

    http://kasper3taro.com/index.php?(木村氏のアカシヤこどものへやホームページ)

その教材は、事例研究で、ただ一人の子どものために発明される、世界で唯一の教材だ。

高度な工作性のために、教材の工作を引き継ぐ力のあるものは、なかなか存在しない。

教材No.44-2 A と B は 同じ

例えば、下の画像は、だんご差し教材を算数文章題に応用した「 A と B は 同じ」の教材である。

これは、材料を買い集め、真似して作るだけでも、丸1日かかる。

以下のリンクの2020.11.1投稿の、東京書籍の算数文章題教科書問題とは大いに異なる。

算数文章題比較構文のわかりやすい提示方法
教材No.43-1 算数文章題比較構文の難しさ  算数1年生の教科書の最後の方で、「図を使って考えよう」という単元が登場する。いわゆる、算数文章題である。そこに「多い・少ない」の比較構文が登場する。例えば、...

教科書問題の教材は平面的呪術的(お説教のようなおまじない)、中野の教材は立体的工作的(物理的)だ。

梅津八三が「心理学的輔生工作」と呼ぶ、まさにそういう教材だ。 

この教材は、提示されるだけで以下のような文章を、教材が語っている。

青が 4 あります。

赤が 4 あります。

青と赤は 同じです。

教材No.44-3 A は B と同じより 多い・少ない

次の教材も、提示されるだけで以下のような文章を、教材が語る。

青が 4 あります。

赤が 5 あります。

 赤は 青より 1 多いです。

  青は 赤より 1 少ないです。

だんごの多い・少ないは、透明アクリル板で、視線の同定の代わりに、手の運動操作によってクリアにカットされる。

アクリル板を裏返せば、左右どちらが多くても >,< の決定ができる

もちろん、これまでも何度も紹介してきたように、上記の文章の単語カード語群を用意しておき、事象に合わせた文章を作ってもらうことも、重要である。

https://nekochanblog.com/how-to-form-active-and-passive-sentences/ (単語カード語群の例)

またその逆に、文章を読み取って、それに合う事象を作れるか、も学習する。

中野は大勢の子どもに、上記の教材による、多少比較構文を学習させてきた。

こんな発想がどこから生まれるのか、中野の脳内をのぞいてみたい。

子どもの示す行動とその意味を考え、発達の最近接領域(レフ・ヴィゴツキー)との往還によって生まれる、天才的な発想だ。

教材No.44-2 A と B は 同じ。B は C より 多い・少ない

3者の比較もやれる。

黄色は 1 あります。

赤は 1 あります。 

青は 2 あります。

黄色と赤は 同じです。

青は 赤より 1 多いです。

運動感覚を満たしながら、数量を確定し、視線で見ているラインを透明アクリル板で物理的にカットして、脳外に見せることで、 同じ・多い・少ないを確定する。

 目に見えない視線が、目に見えるアクリル板になったのだ。

これ以上の教材は、今のところ、世界にまだない。 

 行動調整の心理学、心理学に基づいた子ども理解、新しい行動を形成する創作教材、について紹介します。市販教材も紹介します。
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