自閉症者の活躍を扱った海外ドラマ「グッド・ドクター」「アストリッドとラファエル」を、録画して観ています。
ドラマではありますが、自閉症者の思考を実によく描写しています。
年齢が小さかったり、音声の言葉がなかったり、自閉症が重度だったりすると、自閉症の思考や行動を本人が説明することは、とても難しいです。
2つの海外ドラマでは、ドラマの主人公の大人が、自閉症の思考や行動の理由を、私たちに分かりやすく、言葉で解説してくれるのです。
何が苦手なのか、何にこだわるのか、ドラマを見ると、一般の人にも自閉症の特徴が分かりやすいです。
ドラマの中の、自閉症の思考回路や行動理由が理解できれば、自分が現実に出会う自閉症の人の、理解と支援に繋がります。
私は、論理的な思考をする、自閉症の人たちを好きです。
サヴァン症候群
2つの番組の主人公は、自閉症の中の「サヴァン症候群」という、特定の分野において突出した能力を発揮する人が描かれています。
サヴァン(savant)は、「学者」というフランス語が語源です。
サヴァン症候群の才能は、音楽、絵画、彫刻、計算、記憶など、さまざまです。
トム・クルーズが弟役で、ダスティン・ホフマンが主人公レイモンドになった、映画「レインマン」(実在の人物はキム・ピークがモデルです)は、約9,000冊の書物の内容を正確に記憶し、電話帳も全て覚えるという、驚異的な能力をそなえたサヴァン症候群の人物です。
2~3歳の時、一度聞いただけのピアノ曲を、どれもすぐに再現できたという、盲目のピアニスト辻井伸行さんも、絶対音感を持つサヴァン症候群ではないかと、私はひそかに思っています。
「グッド・ドクター名医の条件」
2018年に始まったアメリカドラマ「グッド・ドクター名医の条件」は、自閉症で、天才的な記憶力と驚異的な空間認知能力を持つ、サヴァン症候群の青年医師、ショーン(俳優はフレディ・ハイモア)が描かれています。
他者との交流に問題を抱えながらも、膨大な医学の知識とひらめきで、周囲のドクターや患者から、ショーンが信頼を得て成長していくドラマです。
俳優フレディ・ハイモアの視線と語りは、本当の自閉症かと思うほどの演技力です。
自閉症研究の脚本力にも、感動しています。
もともとは、2013年の韓国ドラマ「グッド・ドクター」のアメリカ版です。
原作ドラマは、日本でもリメイクされ、2018年にフジテレビで放映されました。
アメリカ版「グッド・ドクター名医の条件」は、朝日放送火曜ナイトドラマで、毎週火曜日の深夜1:44~に見られます。
Netflix,Amazonプライム・ビデオ,Hulu,U-NEXT,ひかりTV,Google Playなどでも見られます。
自閉症理解のドラマとして、おすすめです。
アストリッドとラファエル文書係の事件録
2019年に始まったフランスドラマ「アストリッドとラファエル文書係の事件録」は、論理的で几帳面、犯罪資料局の文書係アストリッド(俳優はサラ・モーテンセン)が主人公です。
直観で行動する右脳型警視、誰にもフレンドリーなラファエル(ローラ・ドヴェール)は、アストリッドを通して、次第に自閉症を理解していく、サブ主人公の役割を果たしています。
周りから理解されない自閉症者の苦悩を、当事者の会に集まった自閉症者たちが語り合うシーンも、当事者の弁として、自閉症理解に重要な役割を果たしています。
こちらも、Netflix,Amazonプライム・ビデオ,Hulu,U-NEXT,ひかりTV,Google Playなどで見られます。
2024年7月6㈯7㈰9時59分から、 BS 11で、アストリッドとラファエル文書係の事件簿シリーズ1が再放送されます。
ドラマではありますが、自閉症の当事者アストリッドが気持ちを語る設定になっているので、自閉症理解の1つとして、皆さんも是非、ご覧ください。
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