ヤエさんは、77歳で、骨粗しょう症になった。
坐骨神経痛と腰痛を訴えて、整形外科を受診して骨粗しょう症と判明し、注射に通院する以外は、半年間畳の上の布団に寝ていた。
その時に、電動式パラマウントベッドを購入した。
電動式パラマウントベッド
パラマウントベッドのパラケアマットレスは、20年使えるという触れ込みの、素晴らしいマットレスだった。
文字通り、ヤエさんは77~98歳まで、20年間使った。
購入当時、24万円だったが、20年使えば、1年に12000円相当だ。
2000年にスタートした介護保険制度のレンタルを使えば1割負担で済み、ベッドはたいてい毎月1000円から1200円くらいだ。
20年使うと、1割負担と、自費購入と、同じくらいの出費になる。
よくできた価格設定だと思う。
介護保険制度で、毎月1000~1200円くらいで、初めはレンタルで使ってみるのが、一番良さそうだ。
自費で購入するなら、アイリスオーヤマの電動ベッドも良い。
ニトリの【非課税】電動シングルベッドフレーム+マットレスセット(メリッサ3 2M LEG LBR/E2-03VB)も良さそうだ。
ニトリの低反発マットレストッパー
ヤエさんは、認知症が発症した83歳までは、パラマウントベッドのマットレスに、一般的な布団とベッドパッドでよかった。
87歳頃から右足の血流が悪くなるにつれて、足がむくむようになり、むくみを改善するために、5センチほど、ふくらはぎから足先にかけて、マットレスを高くする必要があった。
ヤエさんも年を取って、体重が減り、筋肉が落ち、痩せてきたので、柔らかいマットレスが良くなった。
テレビショッピングで、トゥルースリーパー(厚み6センチ)という名前をよく聞いていたが、22800円は少し高い気がした。
ニトリで低反発マットレス トッパーシングル(プレミアフィット2 S厚み8cm)15176 円を見つけて使ってみたら、腰の沈み具合と、足の浮き具合のバランスが、ヤエさんにちょうど良かった。
股関節を痛めた私にも、この低反発マットレストッパーは気持ちよく、介護の期間、我が家はトータルで5枚ほど購入した。
現在ニトリでは、低反発マットレス トッパー シングル(プレミアF3 S M2206)を販売している。
ヤエさんが97歳要介護5になり、入退院の後、ほとんどベッドで過ごすようになってからは、夜間に体位交換というものが必要だった。
病院の看護師さんに体位交換を教えてもらったが、夜中にヤエさんを起こすことは、良い睡眠を奪う事に思われて、2~3回して私は辞めてしまった。
体位交換を辞めることができたのも、ニトリの低反発マットレストッパーが、ヤエさんの身体をいい具合に、柔らかく支えてくれたからだと思う。
低反発マットレストッパーのおかげで、ヤエさんは、80歳から悪い右足のかかとに、97歳で初めて褥瘡ができた以外は、身体の褥瘡は98歳の最後までなかった。
ハーフ電気敷き毛布とタイマー
ヤエさんは、元々手足の冷たい人だった。
ヤエさんが働き盛りの頃は、冬は自分で湯たんぽを毎晩入れていた。
70代の頃から、冬場、電気毛布を使うようになった。
90歳頃から、右足のかかとが紫色になり、血液循環が悪くなり、さらに足も冷えた。
介護中、ヤエさんの足は保温が欠かせなかった。
電気毛布を使ってみて、温度調整が結構難しいことが分かった。
ヤエさんがベッドに入る前の1時間は、電気毛布を「強」にして温めておく。
ヤエさんがベッドに入ってからは「切」にした。
私が「切」を忘れると、ヤエさんのふくらはぎが低温火傷になった。
これらを全てタイマーで、一括設定できる装置があると楽だな、
私は、設定が簡単な、パナソニックのダイヤルタイマーを、使った。
ヤエさんがベッドに入った時、電気毛布を一番「弱」にして、これが1時間後に切れるように、タイマーをセットした。
95歳を過ぎて、一晩中保温が必要になってからは、ヤエさんが寝た時に「弱」にして、10時間後にタイマーが切れるようにダイヤルを回した。
タイマーが1時間後に切れて、8時間後に入る、そういう素晴らしいタイマーをプレゼントしてもらったが、私は使いこなせなかった。
またヤエさんは、上半身とても暑がりだったので、とてもシングルサイズの全面電気敷き毛布でなく、ハーフサイズの電気敷き毛布が良かった。
両面マイヤー毛布になっている、手触りの良いものが一番良かった。
さらに、電気毛布は丸めてはいけないのだが、ヤエさんは足の指先が冷たかったため、電気敷き毛布を丸めて、足の裏に付くようにもしてみた 。
湯たんぽを毎晩入れる必要のない電気毛布は、保温の準備が楽だった。
電気毛布を私が切り忘れて、ヤエさんがふくらはぎに低温火傷を起こしてからは、電子レンジで温める保温材「レンジでゆたポン」も使った。
ヤエさんの足を暖かくして、そして自分はできるだけ楽をしたい、そういう保温の道具をいつも探した。
羽毛布団、ニトリのふわかる布団、ガーゼのケット
ヤエさんは、若い頃から仰向けに寝て横向きにはならず、寝返りをほとんどしない人だった。
なので、ニトリのプレミアフィットマットレスでふんわり仰向けに寝ると、朝まで全く動かないヤエさんだった。
大正生まれのヤエさんは、昭和の時代には重い布団を好んでかけていたが、平成になってあるとき自分から「軽い布団がいいな」と珍しく希望を言った。
ニトリで、羽毛布団を購入して使わせると、「軽い」と言って、とても喜んだ。
冬、エアコンを使わないで休む時は、羽毛が1.3 kg の暖かい布団が良かった。
しかしヤエさんが高齢になり、夜中のトイレに2回立つようになったので、一晩中エアコンをつけておく。
すると1.3 kg の羽毛布団は、暑すぎてヤエさんが汗をかいた。
エアコンをつけっぱなしにするようになってからは、0.8 kg や0.6 kg の羽毛布団でよかった。
軽い羽毛布団は、洗濯機での洗濯も楽だった。
96歳以降はニトリの「かるふわ」という、ダウン80%の羽毛布団0.8kgを使った。
やえさんは、上半身暑がりで、たくさん汗をかく人だった。
夏は、カタログハウス通販生活の、ガーゼのケットが活躍した。
Amazon の6重 ガーゼケット シングルも、涼しい。
メディカル枕とピローグランデ
ヤエさんは、健康な時代は、そばがら枕で寝ていた。
87歳頃、首が痛いと言うので、カタログハウス通販生活の、メディカル枕にしてみた。
メディカル枕に似た形状の、廉価版は、オルトペディコ枕
「これはいいね、首が痛くない」と言って、ヤエさんはとても喜んだ。
94歳頃、メディカル枕より柔らかい、マニフレックスのピローグランデにしてみた。
枕全体が柔らかく、高齢で肩の厚みが薄くなったヤエさんには、これが良かった。
子供用の低いメディカル枕にしたり、ピローグランデにしたり、その時々、ヤエさんが気持ちが良いというものにした。
枕も、良い睡眠には、品選びが欠かせない。
ニトリの除湿シーツ
ヤエさんが、汗っかきだったので、パラマウントベッドのマットレスの上下に、ニトリの除湿シーツを挟んだ。
ニトリの除湿シーツは、大判で厚みがあって丈夫で、品質の良いものだった。
小さなセンサー窓が開いていて、ブルーがピンクになったら、干して乾燥させれば、何度も繰り返し使えた。
ニトリの防水シーツ
防水シーツも、ニトリのものが大判で安く、一番使いやすかった。
防水だから、汗を吸わず、夏は暑いと知らずに、初め、ベッドパッドの下に、そのまま敷いた。
これも本当は、腰から下のハーフサイズが発売されると、ありがたい。
防水シーツは、暑くなると汗を通さない。
ヤエさんが暑そうだったので、大判防水シーツを3等分した。
オムツのあたりを中心に70~80センチ、マットレスを覆うようにした。
3等分のサイズになって、毎日洗濯も楽だった。
洗濯機で脱水しても、防水シーツは水滴が残るので、物干しまで持って行くときに、水滴があるから気をつけたい。
カタログハウス通販生活のダニ取りマット
猫ちゃんは、ヤエさんのベッドで寝るということはなかったが、一緒に生活していたので、ヤエさんのベッドにも、カタログハウス通販生活のダニ捕りマットを入れた。
私はダニに足を食われた経験があり、このダニ捕りマットは、押入れとベッドへ、一年中欠かせなかった。
特に6月から8月にかけては、このダニ捕りマットの交換を忘れると、ダニに足を食われた 。
猫がいる我が家の、必需品である。
竹虎ヒューマンケア フドーのつなぎパジャマ3型
ヤエさんは94歳要介護4で、尿で濡れたパッドが嫌で、夜中に下半身全部脱いでしまうということが起きた。
半年間、ヤエさんを夜中2回排尿に起こして、毎晩トイレへ連れて行ったが、夜中に無意識に脱いでしまうことは、防げなかった。
半年たって、ようやく介護用つなぎパジャマというものがあることを、ネットで知った。
ヤエさんにとって、使い始めは違和感があって、眠りにくい夜もあった。
1着目のつなぎパジャマは、胸のチャックを壊して脱いでしまった。
2着目のつなぎパジャマは、首から腕を強引に出していた。
襟元がマジックテープのものは、外してしまいダメだった。
上からおろせるチャックのものも、手が器用で、脱いでしまいダメだった。
片足の下からチャックが始まって、首へ行き、もう片足の下へチャックが戻ってくる方式がよかった。
竹虎ヒューマンケアのフドーつなぎパジャマ3型である。
1ヶ月くらいで、慣れてくれた。
毎晩、着せる時に、抵抗することは、全くなかった。
ヤエさんは、つなぎパジャマを着せると、綺麗な花柄なので、ニコニコと喜んで着てくれた。
つなぎパジャマのおかげで、世話をする私も、安心して眠れるようになった。
フドー製を、Amazonで6着購入して、交替で使った。
部屋も布団も保温するので、ヤエさんは一年中サッカー生地の、薄手のつなぎパジャマでよかった。
145cm、40kgのヤエさんには、Sサイズでよかった。
つなぎパジャマは虐待か?
97歳で、ヤエさんを初めて老人保健施設へ1か月入れた時、私が持って行ったつなぎパジャマを「虐待だから使わない。普通のパジャマを持ってこい」と、若い介護士長さんが言った。
言われてみれば、昔の精神病棟や刑務所で使われるシーンで、自傷を防ぐための拘束服として、似ている衣類を映画やドラマで見たことはある。
つなぎパジャマが虐待なんて、ちっとも知らなかった。
背中が出ないように、乳幼児にはこのタイプのパジャマや衣類がある。
確かに、ヤエさん本人の脱ぐ意思に反して、脱げないようなデザインになっている。
つなぎパジャマに出会うまで、私は寝ないでヤエさんをトイレに連れて行った。
その毎晩の排泄世話をこの介護士長さんは知らない。
在宅介護では家族が眠れることが虐待を防ぐ
在宅介護では、家族が眠れることが、当事者への温かい介護に繋がる。
私にとってつなぎパジャマは、救いの神だった。
つなぎパジャマを「拘束、虐待」と呼んだ、施設の介護士長さんは、在宅介護の経験がない30代の若いかただ。
その施設が、拘束しない・つなぎパジャマを使わないという理念は素晴らしいと思ったが、介護士さんが交代で8時間仕事で行なう施設介護と、1年中24時間交代なしで家族が行なう在宅介護は、「何を虐待と呼ぶのか」論点が違う気がした。
つなぎパジャマを使わず、排泄世話で家族が眠れなければ、世話をする介護者の睡眠を奪うことは、介護者への虐待ではないのか?
世話者の疲労は、認知症の当事者本人にとっても、良い環境ではない。
在宅介護を続けるには、世話者が眠れる条件が、満たされる必要がある。
そのためのつなぎパジャマだ。
施設の介護士長ともなれば、言い方一つだ。
「おうちでは、つなぎパジャマで家族の睡眠があったんですね。頑張りましたね。ここでは大勢で交代で見るから、普通のパジャマにしてみますね。」と言ったらいい。
在宅介護を理解しない、他者の立場に立てない、施設オンリーの介護士さんもいるんだなと思った。
睡眠時間の長さと快眠の道具
ヤエさんは夜中に起きたりせず、よく寝てるくれる人で、夜9時に寝ると、朝9時まで12時間寝ていた。
メマリーの、傾眠作用のせいだったかもしれない。
95歳を過ぎてからは、夜8時に寝ると朝9時まで13時間寝ていた。
ヤエさんがぐっすり寝てくれるので、私も十分な睡眠が取れた。
私の介護疲労の回復に、ヤエさんの睡眠は有り難かった。
電動昇降式パラマウントベッド、ニトリのかるふわ布団、プレミアフィットマットレス、除湿シーツ、防水シーツ、ハーフ電気敷き毛布、ダイヤルタイマー、レンジでゆたポン、通販生活のガーゼのケット、メディカル枕、ダニ取りマット、つなぎパジャマ、がヤエさんによい睡眠をもたらした。
道具が、在宅介護を楽にした。
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