座っていられない、しゃべりすぎる、友だちに手を出す、こだわりが強い、不安が強い、不注意が多い、読む・書く・計算が苦手、不器用で道具の扱いや運動が苦手など、保育園の遊びの中では目立たなかった遅れが、着席行動や集団行動が多い小学校では目立つようになります。
家庭や学校、放課後デイサービスではどんな支援ができるか、いくつかご紹介します。
体幹を整える、多動を減らす、トランポリン
体幹を整えるには、トランポリンや自転車乗りなどが良いです。
暑いと、外で運動することも難しいので、ネット、ホームセンター、中古ショップなどで、家庭用のトランポリンを購入し、運動しましょう。
お母さんが食事を作る近くで、トランポリンを飛んでもらうといいですね。
カレンダーに飛んだ回数を書き入れて、毎日、家族で競争してもいいです。
運動に力を入れている、放課後デイサービスなども探してみましょう。
医師に診断書をもらい、市区町村の担当課に提出すると、福祉の受給者証をもらうことができ、発達障害の児童生徒のための、放課後デイサービス等を利用できます。
多動は、体重が重くなる5~6年生頃には、軽減します。
お母さんも多動についてはそういう見通しで、11歳までは「動きたいのだな」と思ってください。
教室を出て行く、友だちに手を出すなど、激しい多動衝動については、医師にも相談してみましょう。
良い姿勢を取らせたい時は「お尻を引いて」「背中をつけて」「親指を中に入れてグーにして我慢して」と、具体的に言いましょう。
書くことが苦手な子どもには無料アプリ「かなトーク」
書くことが苦手な子どもの脳内には、50音表が成立していません。
ひらがなもカタカナも、50音表で言葉づくりをしましょう。
無料アプリ「かなトーク」は、便利で使いやすいです。
書かなくて済むとなると、書くことが苦手な子どもも、学習に取り掛かりやすくなります。
50音の変わらない位置が、似ている文字の違いの記憶を助けます。
文字を目で見ることで、同時に比べられるので、記憶を助けます。
言いながら書く、書きながら言う、同時に2つの仕事をすることが苦手な子どもにとって、「かなトーク」は言う負担を減らし、書く負担も減らしてくれます。
目の動きと指の動きが同時になるので、1つの仕事で良くなります。
「とうもろこし」などの静音作りはもちろん、「きゅうしょく」「ぎゅうにゅう」「サッカー」「バレーボール」など、小さいゃゅょヤユヨ拗音、小さいっッ促音、長音ーなどを、書く負担なしで作れます。
キーを押すと、1音ずつ喋ってくれるので、本人は黙っていても、発声のフィードバックがあります。
かなトークの文字キーの組み合わせで、言葉を作れるようになったら、ノートに「きゅうしょく」「ぎゅうにゅう」「サッカー」「バレーボール」などを、書く練習をすると良いです。
作文も「かなトーク」や付箋紙並べで始める
作文も、書く負担を減らして、「かなトーク」で文章を考えることから始めると良いです。
作文の材料は、写真を使いましょう。
「パパ ぼく プール およいだ。」と、写真で見えていることを、言葉にし、入力します。
後から、助詞を入れられます。
発声ボタンを押すと、作った文章を全部喋ってくれます。
「パパとぼくがプールでおよいだ。」
絵日記や作文には、前後に、言葉や文章を足していきます。
いつ行ったの? 誰と行ったの? 何に乗って行ったの? どこに行ったの? 何が楽しかったの?などと、質問してやると本人は答えやすいです。
本人の言葉を、付箋紙にメモしてやりましょう。
付箋紙を並べると、詳しい作文になります。
「何月何日 パパと 車で どこどこのプールへ 行って 泳いだ。
お昼は 何々を 食べた。
ローラースライダーが 楽しかった。また 行きたい。」
絵日記や作文が出来上がります。
読書感想文などは、A4サイズの白紙を3枚並べて、「はじめに、つぎに、さいごに」と書いてやり、3つのことを書こうと、大きな段落を知らせます。
何について書くか、一緒に話し合った単語を付箋紙にメモしてやり、それを一緒に並べていきます。
文章にすることを大人が手伝い、並べ終わったら原稿用紙に写すと良いです。
文字を書くことが難しい子どもは、お母さんの代筆や、なぞり書きでも良いと思います。
音声入力で、文字をプリントアウトしてもいいですね。
学校の先生には、付箋紙を並べて文章を作った画像を添付すれば、お母さんの代筆でも、音声入力の文字プリントアウトでも、子どもが考えた作文を喜んでくれるはずです。
原稿用紙はマス目が小さいので拡大コピーして書いたり、50字の作文帳・漢字練習帳に書いたりしましょう。
書いたことを認める言葉をかけよう
文字や漢字を覚えて書くことが、苦手な子どもがいます。
文字を正しく書けない時、けなしてはいけません。
漢字の書き順も、直さなくていいです。
漢字は出来上がりがあっていれば、素晴らしいです。
まずは「書いたね」と、取りかかったことや書いたことを認めます。
やった事実に言葉をかけることが、認めるということです。
書き直しを要求する時は、「書いたね」と事実を認めてからです。
「近い、似てる、ここがちょっと残念、(脇に見本を書いて)こうかな? もう1回書いてみて」
脇に見本を書いて見せて、「もう1回書いてみて」の後で、自分の書いた文字を、消しゴムで消すことを嫌う子どもについては、お母さんが消してあげましょう。
我々大人も仕事をした時、「ありがとう、頑張りましたね」と認められた後で、「この部分をこういう風にお願いできますか」と言われたら、素直に修正の行動調整をしますね。
苦手なのに頑張った、めんどくさいのに頑張った、それを書いてすぐにけなされたら、衝動やこだわりの強い子どもはカッとします。
けなす前に、取り掛かりや書いた事実を、認めることが大事です。
作文も、短くても本人が書いたら、書いてある部分をたくさん褒めましょう。
褒めてから「お母さんが少し足してもいいかな?」と聞いて、短い文章を2~3個書いて見せて、「つけたして書いて欲しい」と提案します。
きっと、空いているマス、空いている行に、子どもは書き加えてくれます。
お母さんの提案に子どもがイラッとして、ノートや原稿用紙を破る行動になってしまったら、「書くのは大変だもんね、休憩にしよう」と、お互いに離れて休みましょう。
発達性協調運動障害があると、鉛筆の持ち方、筆圧、文字の書き方にも苦労します。
楽に書ければ、くしゃくしゃにする・破る行動にはなりません。
何か破壊的な行動につながった時は、その底辺にその作業ができない苦労があります。
書くことの苦手さ、書くことのつらさを理解してあげましょう。
翌日、翌々日、日にちを変えると、きっと取り組んでくれます。
算数+−の記号の意味は身振りで覚えよう
記憶の定着には、身振りや絵が役立ちます。
足し算と引き算の記号」の意味の違いは、身振りを使って強化しましょう。
足し算は、両手を一緒に拍手のように合わせます。
引き算は、引っ張る身振りや、バイバイの身振りをします。
プリント問題を解く時に、記号の意味を思い出しやすいように、足すと引くの身振りをそれぞれ大人がしてください。
算数文章題は、意味がわかるように、大人が絵を描いてやりましょう。
その時は分かるが、翌日は解き方を忘れてしまう子どもには、初めの1番2番は大人が解いて見せましょう。
記号の意味の辞書表も役立ちます。
+たすと あわせると ぜんぶで みんなで もらうと ふえると
−ひくと なくなると のこりは たべると あげると へると
算数の宿題をする時は、机の上にこの辞書表を出しておきましょう。
図工の絵を描くには真似から始めよう
絵は、見本を描いて教えましょう。
見本は、時間順序で1つずつ描いてあげてください。
机に2枚の画用紙を並べて、2人で並びます。
描き上げた山と川と木を見せるのでなく、山を描くところを見せて真似してもらい、次に川を描いて真似してもらい、さらに木を描いて真似してもらう、という風に時間順序で描いて見せて、真似してもらいます。
あるいは、1枚の画用紙に鉛筆で下絵を薄く描いてやり、本人が鉛筆でなぞるのもいいですね。
絵も、まねから上手になっていきます。
苦手な学習の注意集中の時間は5分から
家庭学習の集中時間は5分、10分、15分で十分です。
漢字1行、問題10問、プリント1枚、どれでも続いたら褒めましょう。
5分ごとに休憩でも良いと思います。
10分ごとにお母さんのお手伝いをしてもらったら良いと思います。
人間の集中時間はだいたい15分と言われています。
学校の先生も、45分の授業の中に、読む、考える、写す、話し合う、聞く、記入する、発表する、など、行動の切り替えを入れています。
お母さんも、子どもの学習が10分と続かないと思わないで、5分続いた、1枚続いたと思うと、気持ちが楽になります。
子どもがしたことに対して、認める声をかけましょう。
認める言葉をかける夏休みにしてください。
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