教材No.37-1 発達心理学から考えて 教育に身振りは必要
育児も保育も教育も、大人が子どもに対して行なう活動だ。
大人は、音声言語系のやり取りで暮らすことに慣れていて、実物や身振りサインをほとんど使わない。
しかし、0歳からの子どもに対しては、その発達経過に合うコミュニケーションが必要だ。
発達経過を遡れば、子どもは触覚➡視覚➡聴覚と発達するから、手で触れる実物や、手で表現する身振りサインが重要である。
だから、育児や保育や教育に、身振りを取り入れることができると、脳内イメージの脳外可視化及び、記憶の定着を運動系で助けることができる。
教材No.37-2 身振り運動で 授業への参加度が高まる
身振りは、実物をかたどるものだ。
実物が用意できない時、身振りを使わない手はない。
「直線の学習をします」という時は、手で直線を引く身振りを先生が大げさにして、子ども達に模倣させる。
「円の学習をします」という時は、両手で円を作る。
三角形や四角形についても同様だ。
直角・平行など、必ず手を使って、身振りで構成理解をする方が良い。
わずか数秒のことだ。
動きたくて仕方がない子どもも、じっとしているのが難しい子どもも、先生に注目するのが難しい子どもも、運動系になると参加度が高い。
教材No.37-3 身振り運動は 脳内イメージを助ける
脳内イメージを持ちにくい子どもがいる。
その脳内イメージを助けるのが、実物・身振り運動・写真・絵・図だ。
保育士さんを見習って、多彩な身振りを活用できれば、子ども達にとって学習は、もう一歩わかりやすいものになる。
身振りは、教材を準備しなくても、先生の手だけでできるので、ぜひ、算数の教科書に登場する、写真や図を身振り化する教育を、授業に取り入れてもらいたい。
教材No.37-4 形を身振り運動で空書きする
2年生の算数では、三角形、直角、直角三角形、四角形、正方形、へん、頂点、向かい合うなどが登場する。
直角は、両腕を使って、直角の L 字型を作って欲しい。
四角形、へん、頂点、向かい合うなどについては、ボックスティッシュなどの実物を触ることや、先生の見せている実物ボックスティッシュの位置の模倣で象る身振りを子ども達にさせたい。
3年生の算数では、円・中心・半径・直径・球・二等辺三角形・正三角形が登場する。
運動が記憶を助けるから、教科書に写真で登場する、お金・ボタン・ボールなどの実物を象る身振りを、子どもたちにもさせたい。
漢字練習で、空中に漢字を筆順で書く「空書き」という作業がある。
それにならって算数でも、円を型取り、中心を指差し、直径の長さを運動し、半径の長さを運動する、そういう空書きをさせたい。
円は平面だから、机の上や空中で、両手の4本の指を揃え、親指を開いて、輪っか状に型取る。
球は立体なので、空中で、5本の指を開いて、球形を型取らねばならない。
円と球の違いを、身振りで分けることができる。
似ているものの差の弁別にも、運動記憶が効果的だ。
教材No.37-5 用語の記憶には単語カードを使う
言葉の学習に関する投稿(2020/9/13・15・16・18・19・20)で、何度も紹介してきたが、算数でも用語の記憶には単語カードを使う。
手で、カードを移動させる運動で、命名することが、記憶に残りやすい。
カードを置くとき、「直径」と、つぶやくことも、重要である。
猫ちゃんブログへのコメント