得意な領域
Mさんは現在15歳、素晴らしい絵の才能を持っている。
絵を描いたり、作品を作ったり、山歩きをしたり、犬の世話をしたりするのが、好きだ。
小学校高学年で、学校に足が遠のいて、中学校は入学したが、家庭で過ごす時間が多かった。
内面の豊かな方である。
Mさんの素晴らしい絵を、皆さんに見て頂きたいと思って、この記事を書き始めた。
Mさんの色彩感覚の素晴らしさ
私は絵をうまく描けないが、絵を見ることは中学生頃からずっと好きだった。
画家と絵について、私は、少し知っている方だと思う。
19世紀のフランスでバルビゾン派と呼ばれた、写生画家のコローやミレーの風景画が好きだ。
写生派の他には、ミロ、カンディンスキー、シャガールが描く、楽しく物語性のある抽象画も好きだ。
そんな私が、Mさんの絵に、イラストの才能を見た。
例えば、一番最近送ってくれた、樹のイラストは、春の明るい日に、こんな T シャツを着たいと思うような素晴らしいイラストだ。
中学校の3年間で、Mさんのイラストの素晴らしさは、進化している。
モチーフには、家、樹木、植物、色彩のグラデーションが、登場する。
以下に、Mさんの、過去の作品を、ご紹介しておこう。
Mさんを支えるお母さんの理解と寄り添い
Mさんの才能を支えている、お母さんの理解も、これまた素晴らしいのだ。
学校という集団場面への適応を、決して無理強いしない。
チャンスがあれば 、Mさんと一緒に、集団場面参加へ、アタックはするけれども、Mさんの自己決定を尊重しているお母さんだ。
自己肯定感の持てる、自分を支える趣味があるということは、生命活動への適応を保たせる。
集団場面が苦手な人が、無理に集団に参加すると、自己肯定感が持てず、緊張や疲労がつのる。
お母さんは 、Mさんが一番生き生きとする時間は何か、ということをよく理解している。
世間や常識の側に立たないで、どこまでも Mさんの側に立つお母さんである。
お母さんが、Mさんの「趣味」を理解し、守り、育てた。
Mさんの「心」を理解し、守り、育てたのと同じだ。
本当に、素晴らしい親子さんなのだ。
得意な領域を活かす社会適応の仕方
Mさんは、春から通信制高校に、入学する。
Mさんに向いている高校を、選択できたと思う。
Mさんの趣味を応援するという意味で、Mさん親子に2つのことを勧めてみた。
1つは、ネットでイラストコンクールを探して、チャレンジしてみてはどうか。
コンクールを選ぶ基準は、大人のお母さんの見識で、これなら参加するといいのじゃないか、というものを選んでみてはどうか。
2つ目は、ユニクロの広報室に、T シャツのデザイン案として、直接アタックしてみたらどうか。
10枚ほどのケント紙に、好きなイラストデザインを描いて、コピーを取っておいて、ユニクロの広報室に、直接送ってみたらどうか。
ユニクロさんから返事がなければ、一発屋と思われないためには、定期的に送ってみたらどうか。
道場破り、殴り込み、のような形になるが、正当な企業への売り込みかたを知らない私にはそれくらいしか思いつかない。
漫画家や作家さんの、出版社持ち込み、のようなものである。
自己肯定感と社会参加
Mさんが Mさんの才能を伸ばしながら、社会参加ができ、経済的な自立につながって行くと、お母さんも、さらに寄り添いやすく、安心だと考えた。
簡単には、イラストの仕事にありつけないかもしれないが、趣味が仕事になっていくということに、 Mさんが関心を持ってくれると私も嬉しい。
イラスト作家の「わたなべふみ」さんのように、ネット上で、自分のイラストを販売する、挿絵の注文を受ける、という方もいる。
イラストレーターわたなべふみ|子ども、保育、児童書、学校教材、教科書、医療、福祉などのお仕事制作とイラスト素材を制作しています
Mさんの素晴らしい趣味が、これからも Mさんの生きる支えになっていくと、いいと思う。
表出する、表現する、ということが、誰でも生きていくうえで大切だと考えている。
絵は Mさんの言葉だ。
そして、Mさんの才能が、社会にも認められることを願っている。
京友禅のデザインや絵付師、能登の漆塗りの絵付け師なども、Mさんに向いている、緻密で根気のいる職業かなぁと思う。
もう一度若返っていいとしたら、私も、自分のこだわりを活かせる、工芸職人の仕事についてみたい。
猫ちゃんブログへのコメント