一平君は、音声の言葉のない、自閉度の強い、32歳の男性です。
お母さんが音声で、何度言い聞かせても、一平君は音声の言葉がないので、お母さんが音声で伝える社会ルールの理解が難しいです。
一平君の脳の中にある希望の実現と、お母さんの脳の中にある社会ルールを、話し合うことが難しいです。
音声のない一平君と話し合うには、お互いの脳の外で、実物を使い、絵に描いて、話し合うことが必要だと思います。
決まったことの実現が一平君の楽しみ
一平君は、自閉症の同一性の保持から、決まって行なわれるルーティーンが大好きです。
ルーティンを守ることが、一平君の安心です。
私も、毎週同じ番組を見ることが楽しみだったり、同じお店で同じ品物を買うことが安心だったりします。
人間の行動種としては、一平君も私も同じ仕組みです。
私は音声の言葉があるので、希望の同一性を保持できない時、言葉で諦めることができます。
一平君は、音声がないので、諦めることができません。
そうであれば、音声でなく、実物・身振り・絵・図・文字数字で、一平君の脳内イメージと交渉する必要があります。
梅津八三が言葉を、「脳内イメージ」「脳外で見てわかる身振り・絵図」「文字や音声」の3段階に分けたことを思い出してください。
一平君とは、2番の絵図で、目で見てわかるように、話し合うと良さそうです。
一平君の夜のゴミ出しが近所迷惑にならないかと心配するお母さん
一平君は、月曜と木曜のゴミ出しを楽しみにしています。
一平君は当日の朝まで待てずに、前日の夜、ゴミ袋を集積場に出します。
お母さんに止められるので、お母さんがお風呂に入っている間に、出します。
お母さんが何とか止めようとすると、大声で叫んだり、暴れたりします。
病院の療育で、穏やかに学習する一平君からは、想像のできない姿です。
先日、一平君は、雨の中、傘もささずに、ゴミ集積場で、出したゴミ袋を何度も何度も触って確認していたと、お母さんから聞きました。
一平君を見つめるお母さんのため息、一平君のルーティーンと社会ルールの板挟みになるお母さんのつらさを思います。
脳の中にある、ゴミをいつ出すかの予定を、脳の外のカレンダーで見せる
脳外で話し合うために、一平君に、次のようなカレンダーを作ってみました。
「朝8時半までに」という言葉は一平君には難しいので、「朝8時に出す」としました。
100円ショップのマグネットに「きょう」と書いて、マグネットの「きょう」を毎日移動させれば、ゴミ出しの日がわかります。
一平君は、今は夜にゴミを出しますが、ゴミ袋の実物の注意書きを上記のように見せれば、朝8時にゴミを出すという変更が、起きる気がしています。
次回の療育で、一平君とこのカレンダーで話し合い、一平君のお家の玄関に、ホワイトボードでカレンダーを置いてもらおうと考えています。
一平君の iPad の時計のアラーム設定で、一平君にゴミ出しを知らせる
カレンダーの他にも、目や耳でわかる予定表があるといいかと思って、iPad の時計のアラーム機能で、一平君のゴミ出しの日を設定してみました。
これも次回、一平君に見せて、話し合おうと考えています。
iPad でのお金の学習や、iPad でのジグソーパズルで、一平君がもっともっと iPad になれることも必要だと思っています。
一平君のお金の学習とジグソーパズルは、次回、投稿します。
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