「ドアを閉めないで、開けておいてね」のイラストを見せて、待合室でL君に説明しました。
するとL君は、走らず、病院の廊下をゆったり歩いて、療育の部屋に向かいました。
部屋に入ったところでも、イラストを見せて、「人が来る時は開けておくよ。閉めないでね」と伝えました。
イラストをよく見て、表情も穏やかで、分かってくれた様子です。
我々大人が、脳内で考えているルールや常識を、脳外の絵や写真、イラストで見せるということが重要だと、再確認しました。
イラストを使えばソーシャルスキルを伝えやすい | 猫ちゃんブログ
終わりの時刻を予告する
L君は椅子に座ると、前回に続いて今回も、自分から机を引き寄せました。
やる気です。
アナログ時計とホワイトボードマーカーを使って、「5時半まで勉強するよ」と印をつけてみせました。
現在の4時半と1時間後の5時半の針の位置が似ているので、L君は「(もうその時刻に)なってる」と言いました。
1時間後にタイムタイマーが減って0になる、時間が減っていく様子が目に見える予告の方がいいのかと思いました。
次回以降、チャレンジしてみます。
1個・2個・3個・4個の量について、指型が中継ぎになった
学習は、バラのだんごを、1個・2個・3個・4個を片手で集めて来るやり方が、引き続き、安定してできていました。
前回から 、L 君がバラのだんごさしが上手になった理由は、やはり、おうちで、お母さんが、2個集める、3個集めるやり方を、教えてくれたということです。
お母さんの威力、毎日の威力、は絶大です。
ありがとうございます。
またドラミちゃんのナンバーブロックも、L君自身が3個の時に3の指型、4の時に4個の指型を真似して出せるようになりました。
ナンバーカードのドラえもんの個数に、自分の指を乗せて合わせることも真似してできました。
すごい進化です。
量と数字を結びつけるのに指型を中継ぎにした方法 | 猫ちゃんブログ
身体運動能力の形成
前半の勉強が終了し、アナログ時計を見せて、「もう少し頑張ろう」と言うと、L君は、先が長いと思ったのか、リズム運動の動物アルバムを見て、L君からリズムを「やる」と言い出しました。
リトミックの動物イメージを動物写真カードを見せて助ける | 猫ちゃんブログ
要求として自発的に言ったのは、初めてのことです。
机や椅子を私が動かそうとすると、「片付ける」と、叙述できました。
四畳半ほどの療育の部屋で、お母さんの歌の伴奏で、二人で踊りました。
笑顔があふれます。
L 君の動きを見ていると、手を水平にする、手を斜め後ろにして踊る、ということが難しそうです。
どうしても、手が前の方に来て、バランスを取ります。
「手を後ろに、ピンとすると、上手に見えるよ。」と、手を取って説明したら、そのように頑張りました。
リズム運動も、個別に丁寧に、どうするとうまくいくか、コツを伝えることが必要です。
全ての動物の真似を、最後まで踊った L 君でした。
久しぶりに、以前していた、恐竜のダンボールパズルと合成パズルをしました。
一つ一つの恐竜の名前や特徴を、L君が話しました。
L君は、構音が不明瞭なので、年長組さんになったら、通級指導のことばの教室に通うと良いと考えています。
L君の歩く姿、走る姿、手の器用さ、リズム運動の能力を考えると、歴年齢発達に比べて不器用で、構音が不明瞭です。
L君は今、4歳5ヶ月です。
子どもの身体が5歳で一応完成するので、重いものを毎日持ったり、お父さんやお姉さんと、公園の周りを土日に走ったりすると良いと思います。
手を振り払わないで一緒にパズルをやろうとイラストで伝える
相手の意図を汲むということが、難しい状況があります。
例えば、L君が私の「協力の手」を振り払う時です。
L君は、3歳で出会った最初から、相手の協力する手の意味が分からず、相手の手を振り払うことが目立ちました。
4歳5ヶ月まで、その行動は見守ってきました。
友だちやお姉さんとも、こういう意図を汲めない行動でトラブルが起きるのではないか、と考えています。
一番最後に、L君が待ちに待った、新しい恐竜のパズルを出しました。
ヤフオク,アマゾン,ペイペイフリマで購入できる恐竜パズルベスト3 | 猫ちゃんブログ
前回の恐竜のパズル数字ピース12345より、今回の恐竜のパズルピースABCDEの方が、ピースの探し方がアルファベット順なので、難しいです。
探しを手伝う私の手を、L君は振り払います。
私が音声の言葉だけで、「パズルを一緒にしているよ」「難しいのを手伝っているよ」「L君の邪魔をしているんじゃないよ」と、前回も今回も、言ってみました。
L君は、目を合わせず、固まっています。
注意されたとは分かるが、説明の意味は分からない様子です。
私の音声の言葉から、手を振り払うと言う出来事の、脳内イメージを再現することが、難しいようなのです。
L君は、自分のやり方で、ただ一生懸命、恐竜のパズルをしていた。
私の手が、L君がしようとする部分を隠した?ので、見えないから手を振り払った。
L君にしてみると、そんな感じです。
視界をさえぎられた、パズルが私の手で見えないから、先生その手が邪魔だよ、それくらいの意味で私の手を振り払うようです。
前回は、私の「手を払わないでね」の依頼に対して、椅子から降りて、部屋を飛び出していった L 君でした。
今回は、「手を払わないでね」の依頼に対して、固まった後、「おしまいにしたい」と、嫌になった気持ちを言葉で言えたので、その場に踏みとどまれました。
保育園でも、気持ちが言えれば、嫌いな給食が出ても、注意されても、保育室から飛び出していかないように思います。
新しい恐竜のパズルも、1回填めただけですぐ「持って帰る」と、自分から気持ちの言葉を言えました。
そこで、イラストを見せて「パズル貸してください」と示範すると、L君も「貸してください」と、2回言えました。
L君は目を合わせないで言葉を使うので、目を見て欲しいことも、そのうち、イラストで頼みたいと思います。
音声の言葉だけの依頼は、イメージが持てなくて、L君を困らせるだけかな?と、L君に伝わらない「手伝いの手だよ、一緒にね、手を振り払わないでね」で、感じました。
そこでまた、ネットのイラスト屋さんで、L君が分かりやすいようなイラストを探して、説明の文字も入れて作ってみました。
次回、これらのイラストと、終わりの予告のタイムタイマーを使ってみたいと、思っています。
こちらが脳内で考えている、伝えたい常識やルールを、音声の言葉でなくイラストで伝えると、目に見える状況から、L君が言葉とイメージを一致させていく、それをL君から学んでいます。
L君から学んだことを、保育園や小学校でも、紹介していきたいと思っています。
皆さんも是非、無料イラストを使って、子どもに伝えたい常識やルールを、子どもたちにイラストで目に見せてください。
無料イラストを準備しなくても、その場で簡単な、丸棒人間を書いて、伝えたいことが👀に見えるように説明してみてください。
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