猫を完全室内飼いにしなかったことで起きた事故 クロ猫の場合

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11 クロの事故

 12月、子猫たちも、生まれてから半年くらい経つ。

離乳して身体も大きくなり、好奇心も広がって、道路へと出て行く姿も増えた。

このころ、よそ猫がうちの庭へ頻繁に侵入するようになり、母猫が怒って追いかけ、追い払う中で、子猫もお母さんについて、近所に見回りに行くようになった。

そして、子猫の見回る縄張りがそれぞれに出来、単独行動をするまでに成長した。

猫たちは、お母さん、灰色、母似の順に私に懐いた。

用心深いクロだけが、なかなか私に懐かなかった。

クロ5か月。お母さんの避妊手術の後は、おっぱいを我慢して。

そのクロも12月の半ばになって急に私に懐き、クロのほうから私の膝に寄って来て、初めて撫でさせてくれた。

クロは、4匹の中で、見かけと違って、触るとフワフワな柔らかい毛をしていた。

わたしが「クロ」と呼ぶと「ニャー」と返事をしたり、人間の炬燵で私の膝に乗ったり、私の手をなめたりしてくれるようになった。

可愛く、嬉しかった。

漸くクロも、私に心を許してくれた。

やっと仲良くなれた。

クロ 5か月

そう喜んでいたある朝、庭に出てみたら、横たわっているクロを見つけた。

確か、朝の見回りに一人で出かけたらしかった。

しかし、目の前のクロは、口から血を出していて動かなくなっていた。

近くの畑にでも行って、ネズミでも食べたのだろうか。

我が家の周辺は、畑に殺鼠剤をまくような田舎の土地柄だった。

身体のどこにも、傷はなかった。

苦しかったろうに、よく、ここまで、帰って来た。

クロは最後の力を振り絞って、我が家の庭まで戻ったのだ。

「ごめんね。お腹が空いて、畑でネズミを食べたのかな。」

給餌が遅れたことを謝っても、後の祭りだった。

クロの身体は、もうすでに硬直していた。

クロ7か月 凛々しい

ペットの出入り口を取り付けて、クロの自由を保障したことを悔やんだ。

お母さんは少し離れたところから、動かないクロを一瞥したが、寄り付きも鳴きもしなかった。

なんとあっさりとした別れなのだろう。

これなら子どもに依存しない。

子別れの悲しみに執着しない。

初めて見る母猫の子別れの光景に、私は拍子抜けした。

妊娠期間の短い多産の猫ならば、そういうものなのかもしれない。

この3日間で、ようやく私に懐いたクロだけに、死なれると寂しかった。

8月に出会ってから、まだ4か月しか経っていない。

クロは、わずか7か月の短い命だった。

クロを庭の金木犀の根元に埋めた。

お母さんは、私の埋葬作業を何度も見に来た。

それが、お母さんなりの別れ方だったのかも知れない。

金木犀の根元に

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