12 母似の事故
年が明けて2月初め、猫たちが朝の見回りに出かけて行った。
母似だけが、昼の12時を過ぎても戻らなかった。
母似子猫の死
自宅前の道路まで探しに出ると、身体が半分潰れて横たわって動かない母似がいた。
たぶん帰宅しようと道路を横切る時に、角を曲がって出て来た車と鉢合わせしたのだ。
即死だったらしい。
車に激突し、苦しまずに一瞬のうちに死ねたと思う。
野良歴の長い、お母さんくらいの成猫になれば、車の音に対する用心や回避は、子猫より力がある。
しかし8か月の母似には、車を避ける力がまだなかった。
猫はいったん走り出すと、危険が見えても引き返せないのだと聞いたことがある。
自由に外に行けるということは、こういう危険が伴うということだった。
不完全だった室内飼いが招いた子猫の事故死
野良猫を保護したら、完全室内飼いにするべきだと、今なら分かる。
ペットの出入り口は、室内のドアにつけた方が良い。
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「守れない飼い主でごめんね」
母似を、バスタオルでくるんで連れ帰った。
お母さん猫に見せ、真っ赤に美しく咲く椿の根元に埋めた。
母似もクロに続いて、わずか半年余りの命で逝ってしまった。
母似は、ひょうきんな猫だった。
撫でるとしっぽを震わせて、前足でフミフミをして喜んだ。
身体が大きくなってお母さんと並ぶと、後姿は双子のようにそっくりだった。
母似は私に馴れてからはよくそばに来て、廊下や畳にコテンと横になって「撫でてくれ」と要求して甘えてくれた。
「乳離れしたら、不妊去勢手術ができます」と、獣医さんにそう教えてもらっていたが、クロも母似も去勢手術の前に死んでしまった。
クロと母似を、そろそろ獣医さんに診てもらおうとしていた矢先のことだった。
2匹は私に手術費用の負担を掛けまいと、逝ってしまったのか。
正確に調べたわけではないが、クロと母似は雄猫だったような気がした。
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