iPad 文字入力発声アプリ「かなトーク」自閉症の一平君の場合

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一平くんは、音声言語のない自閉症の29歳。

7歳からの付き合いだ。

一平くんとの学習は22年間で、300回以上になる。

小中学校は特別支援学級、 高校は高等養護学校で学んだ。

学校と勉強が大好きな、一平くんだった。

作文 中3

中学2年生の時から、2年間近く、一平くんが拒食症になったことがあった。

きっかけは、「食べ方が汚い」」と言われたことだった。

傷ついた一平君の意志は固く、お母さんも私も困り果てた。

ココアと飲み物で、栄養分を摂っていた。

進学した高等養護学校の校外学習で、仲間と一緒にラーメンを一本ずつ食べるところから、お昼のお弁当を学校で食べるようになった。

2年ぶりに食べた一平君 高1

お母さんのお弁当、先生の見守り・励ましと、仲間モデルがあった。

高等養護学校を卒業して、18歳から「しゅんらん」という施設の作業所に就職した。

Maxのホチキスの針の箱詰めが作業の中心で、仲間は高齢者の方が多かった。

お母さんは、同年齢の青年たちと一緒に働いたら、もっと楽しいかと考えて、次の作業所を探した。

カリントウ販売のきっかけ

一平くんは20歳から、「ありさんち」という作業所で、カリントウの製造に関わっている。

担当は、カリントウを詰める袋のシール貼りなどをしている。

障害福祉サービス事業所 ありさんち

油で揚げていないヘルシーなカリントウは、程よい甘さで美味しく、購入者の評判も良い。

私も、黒糖味のカリントウが、大好きだ。

一平くんは音声言語がなく、喋れないので、「カリントウいかがですか」「ありがとうございます」などの言葉が言えない。

だから、作業所の販売活動には、連れて行ってもらえない。

そこで、一平くんが「ありさんち」へ就職した20歳頃から、10年近く、カリントウの販売を、一平くんと一緒に、月に1回、病院内で行なっている。

販売場面での挨拶や、お金の受け渡しが、学習となっている。

50個ほど売るのだが、完売した時は嬉しそうだ。

一平くんの音声系

過去に、一平くんと、トーキングエイドを使用して、カリントウの販売をしたことがあった。

あらかじめトーキングエイドに、定型の販売挨拶を入力しておき、販売現場で一平くんに、呼び出しの略番号ボタンと発声ボタンを押してもらった。

★こ=こんにちは。カリントウいかがですか。

★1=1つ100円です。

★あ= ありがとうございました。

が発声ボタン
今では iPad にこういうトーキングエイドアプリがある。 トーキングエイド for iPad テキスト入力版 | 製品 | トーキングエイド Cafe

上記の頃は、私との病院の学習では、一平君が音声を出すことはめったになかった。

一平くんの構音は、母音に流れる。

「行く=イウ、買う=アウ、バツ=アウ」になりやすかった。

前回投稿した、まさや君と同じように、一平くんも、発声しても伝わらないと、言わなくなってしまう。

まさや君同様、一平くんの場合も、私よりもお母さんの方がずっと聞き取りが良い。

iPad アプリ「えこみゅ」との出会い

まさや君との学習で、私が触発された、iPad 絵カードコミュニケーション「えこみゅ」( iPad iPhoneダウンロード無料、 Android にもダウンロード可能)を、一平くんとの学習にも使ってみた。

アップルストア【iPad iPhone用】えこみゅを App ストアで

 グーグルプレイストア【アンドロイド用】えこみゅ

例えば、「病院に、僕は、お母さんと来た」という意味で、

絵カードの、「病院」を私が選択し、「男の子」を指差して一平くんに選択させると、「お母さん」については一平くんが自発的に選んだ。

「病院」「男の子」「お母さん」 の絵カード文章を発声させたら、一平君に笑顔があふれた。

「病院」に「僕」は「お母さん」と来た

これまで一平くんと、文字による作文の日記はチャレンジしていたが、絵カードによる作文ならば、簡単で構成しやすく、一平くんに分かりやすい。

 iPad を操作する一平くんの喜ぶ顔を見て、絵カードコミュニケーション「えこみゅ」だけでなく、50音表による「かなトーク」も操作できると考えた。

‎「かなトーク」をApp Storeで

iPad アプリ「かなトーク」を使ったカリントウ販売

学習で、50音表のかなトーク(ダウンロード無料、iPad iPhone のみ)を使ってみると、一平くんはとても嬉しそうだった。

看護師さんが「4時過ぎにに販売に来てください」と言ったので初回の変更では、私が描いた絵の依頼「「先に販売」「あとで勉強」を笑顔で入力して、行動順序変更OK。
「さきにはんばい」は、一平君は2回目からは「はんばい」」を自分から指差した。

1文字ずつ入力する文字のキーを選ぶ時、一平くんの口から1音ずつ、音声が出た。

笑顔もあった。

キーを選びながら「かりんとういかがですか」の音声に近い声が出る。

「カ・リ・ン・オ・ウ、イ・カ・ア・エ・ウ・カ」

トーキングエイドの時には、なかったことだ。

一平くんの、成長と進化を思った。

今はまだ、定型の私のひらがな文章を見て入力する一平くんだが、キーの入力も早くなった。

カリントウ販売の現場で、「ありがとうございました」と、 iPad を入力する一平くんの姿を見て、買ってくださる病院職員の方たちもニコニコと、一平くんが入力する間、待っていてくれる。

本当にありがたい。

発声ボタンを押すときの笑顔。カメラにサイン

成人してからもスピーチ・ラングウェッジ・コミュニケーションは発達する

最近の1年くらいで、一平くんが声を出してくれる場面が増えた。【スピーチ】

花粉症で目がかゆいので、目薬が欲しくて、目を指差して、「メ」。

目薬を5本欲しいので、指型で5を作って、「ゴ」。

カリントウ販売の売上結果のお金を数える時、「イ・二・アン・イ・ゴ・オク・アナ・アイ・ウー・ユー」と言って、お金の種類ごとに10枚ずつの塊を作る。【お金の知識ラングウェッジ】

カリントウの販売では、私の「ありがとうございました」を真似て「ア・タ」と言う。【コミュニケーション】

そういう時期に、ちょうど、絵カードコミュニケーション「えこみゅ」や「かなトーク」に出会えてよかった。

一平くんの伝えたいことが、「えこみゅ」や「かなトーク」で、誰にでもわかってもらえるといいと考えている。

猫ちゃんブログへのコメント

  1. ねこのしっぽ より:

    一平くん29歳になったのですね。
    えこみゅ、カナトーク、サポート器具、増えました。
    一平くんも力がついて、いろいろできますね。
    絵による文構成、いいですねぇ。思いつかなかったです。

    • 猫ちゃん より:

      iPad・ iPhone と聞いてはいたけれど、関心がありませんでした。
      15年の介護期間中、教育教材の機器進歩情報に、遅れを取りました。
      ダウン症のまさや君との会話をきっかけに、トーキングエイドの何倍もコンパクトで多彩なコミュニケーション機器iPad を、使えるタイミングに、昨年恵まれました。
      自閉症の一平くんも、iPad「かなトーク」をとても喜んで、かりんとうの販売に使ってくれています。

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