行動的な自閉症の一平君のかりんとう販売

自発的な音声言語のない、34歳の自閉症の一平君と療育で付き合って、27年になります。

一平君は、何曜日にどこのお店に行くか、自分の決まったスケジュールがあります。

自分の計画しているスケジュールを実行できないと、家庭で、地団駄を踏んだり大声をあげたりして、夜じゅう、悔しがります。

一平君は、予定通りにならないつらさ悔しさを、家庭でお母さんに激しく訴えるだけで、一歩外へ出ると、穏やかで素直なイエスマンです。

ありさんちという作業所や、病院小児科の療育で、一平君が激しく叫ぶことはありません。

一平君は、家庭を自分の感情が出せる居場所、外の世界は自分を抑える社会的な場所と、使い分けているようです。

私たちと、同じですね。

作業所で過ごす時間よりもお母さんと行動する時間の長い一平君

お母さんは、一平君の「快」をよく理解していて、1週間のほとんどの時間、一平君と行動を共にしています。

下の画像は、一平君が毎週決まってお出かけする、お店です。

作業所には㈫㈭㈯の午前中しか行きません。

買う品物も決まっていて、午後の紅茶ミルクティーが自宅に残っていると全部飲んで空にしてから買おうとしたり、トイレットペーパーが自宅に残っていると全部ほぐして使ってしまって買おうとしたりします。

延期する、ということが難しいです。

何曜日に、どこどこで、何を買う、というスケジュールが先にあって、品物の残量は無関係です。

コロナ禍でも、地震でも、台風でも、決めた計画を守ることが、一平君の「快」です。

お母さんは、つらい出来事もあるけれど、一平君と暮らすことが、お母さんの生きがいです。

一平君は、お母さんではない他者に対しての方が、行動調整が社会適応的になるので、私がお母さんに、一平君のグループホーム入所や、施設入所を勧めても、お母さんはまだまだ家庭で見ていきたいと語ります。

一平君の「快」を満たしてくれる、お母さんの深い愛情を思います。

お出かけが得意な一平君のキャスターの足さばき

まさや君のパン販売で使ったアイリスオーヤマの折りたためるキャスターワゴンを、一平君のかりんとう販売でも、一緒に使いました。

キッチンワゴン キャスター付き 3段 スリム 折りたたみ 取手付き

ワゴンがない時は、かりんとうの他にも、荷物が色々あるので、一平君は椅子に座って販売していたのです。

Amazon にも似たタイプの折りたたみ式ワゴンがあります。

それを見たお母さんが「座って売っているの?」とつぶやいたことがありました。

キャスターワゴンがあれば、立って販売できるかもしれない、何ヶ月かそう考えて、キャスター付きワゴンを探していました。

かりんとう、お金をやり取りするブルーのお皿、お客様のかりんとうを入れるポリ袋、お釣りのケース、の4点を2段目3段目に置けるので、一平君も私も手が空いて販売が楽になります。

わずかな段差にキャスターが挟まって、ワゴンが止まった時、一平君が自然にワゴン下を足で押したので、一平君の円滑な行動力にびっくりしました。

これは一平君とスーパーでお買い物した時の画像です。

おそらく、足で押した円滑な行動は、お母さんと週に何回もスーパーに行き、お買い物のカートを押し慣れているからだと、想像しました。

スーパーのカートは、1台1~2万円ほどするからか、非常に押しやすいですね。

子どもを乗せるミニカーのようなカートは、4~6万円するので驚きました。

折りたたみ式ワゴンは、yahoo!ショッピング や Amazon で、5000円前後で購入できます。

かりんとう販売歴13年の一平君

音声で話せないので、作業所での販売に参加できない一平君と、2013年から病院の療育で、かりんとうの販売学習を継続して13年になります。

かつては、スコーンや豆乳おからクッキーも人気でした。

1袋150円のかりんとうを、毎回30個ほど販売します。

一度に10個購入してくださるお得意様もできて、ありがたいです。

2021年からは、 iPad の音声発声アプリ「かなトーク」も使っています。

iPad で、「かりんとういかがですか」の発声ボタンを押しているところ

一平君の作業所のかりんとうは、油で揚げていないかりんとうなので、カロリーが低く、人気です。

種類が少なくなった残りのかりんとうも、購入してくださいます。

完売すると、得意げに、嬉しそうにする一平君です。

一平君のスケジュールが、台風の被害を受けないように願いながら、次回のかりんとう販売を待っています。

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