ソーシャルスキルトレーニング填め板

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教育仮設23-1 身体全体の運動能力の発達は大事

新しい年になって初めて、3歳9ヶ月のL君が療育に来る日なので、駐車場まで迎えに行ってみた。

北風の中、元気に片足スキップで、走ってきた。

お母さんに「今のマイブームですか?」と聞いたら、しばらく前から、片足スキップをしているそうだ。

風邪もひかず元気だったという。

玄関で熱を測り、ホールから小児科まで、結構早く力強く、片足スキップをしていく。

保育園のリトミックでスキップでも習ったのか、片足スキップをできることが嬉しそうだった。

3歳前に初めて会った時は、歩くことも弱々しい感じで、待合室からの移動場所や活動目的がわからないために、いつもお母さんに抱っこをねだっているL君だった。

付き合うようになって半年くらい経った時、アンパンマンの填め板を見せれば、お母さんの洋服の裾に捕まって、診察室まで歩くようになった。

きょうは、足取りもしっかりとしている。

体幹が、発達したと思う。

保育園の先生も、10分ほど後から参加してくれた。

教育仮設23-2 2つのことが同時にできる=填め板をしながら喋る

L君は、黙って教材を扱う人だった。

手で触ることで考え、目で見ることで考えているので、教材の操作中はほとんど言葉が出なかった。

こちらが提示する教材が、難しすぎるか、つまらないと、20分くらいで帰りたがった。

教材の操作中に喋るのは、「やらない」「難しい」「お家帰る」 くらいだった。

しかし、きょうは違っていた。

填め板を操作しながら「バイキンマンのおうち」「ここにもいる」などと、填め板のなかの事象の名前を言う。

手を動かし、目で見比べながら、口も喋った。

とても、子どもらしくなった。

お母さんに聞くと、家でも言葉が一段と増えたという。

言葉が増えたので、待つことや我慢することも、できるようになったそうだ。

保育園の先生に聞くと、絵カードを使わなくても「お散歩に行こう。先に行ってるよ。」などの先生の指示や説明を聞いて、後から行動してくれるようになったという。

園で担任の先生の困りごとが減ったそうだ。

先生が「お散歩に行こう」と言うと、L君が「なぜ?」と聞く 。

L君らしい。

「なぜ?」に対しては「先生が歩きたいから行こう。お天気が良いから歩きたい。足が丈夫になるように歩きたい。」などと言えば良い。 

3ヶ月くらい前までは、お散歩に行くと聞くと、寝転がって嫌がり、先生におんぶを要求していたL君だった。

身体運動と言葉が発達し、散歩の一連のイメージが持てて、見通しが立って、帰ってきたら給食になるという、予測もできるようになって、散歩が億劫でなくなったのだと思う。

触れて、目に見える、実物事象で生活を考えていたL君が、 言葉で脳内に事象をイメージできるようになり、お母さんや先生の言うことが、実物がなくてもイメージできるようになったのだ。

教育仮設23-3 身体と言葉が発達し、操作と会話が上達する

L君の好きなアンパンマンパズルを、導入に行なった。

お母さんが、カメラマンをしてくれた。

L君は、出来上がった填め板を、保育園の先生に渡そうとした。

これがL君の「先生よく来たね」の代わりの、実物手渡しによる挨拶である。

私が、パズルの出来上がりをカメラに見せるように、パズルとスマホを指さしてL君に勧めると、実物説明はわかるので、カメラ目線になろうとしてくれた。

カメラのレンズのすぐ上に、恐竜のシールを貼ったら、もっとレンズをよく見て、カメラ目線になってくれると思った。

西松屋のお風呂パズルの他に、ベビーブックの付録が、はめ込み式のキャラクターパズルになっているとき、私は必ず購入することにしている。

100万部近く売れるベビーブックなので、900円くらいの値段で、手に入れることができる教材だ。

「付録がパズルの時に買うといいですよ」と、お母さんに勧めたら、お母さんも早速買ったそうだ。

アンパンマンや食べ物のパズルについても、その名前を喋りながらやってくれた。

見つめる目や、探す目に、数ヶ月前よりも、力がこもっていると思う。

ふわっとした感じだったL君が、シャキッとした感じになった。

注視力、探索力、比較照合力、などが、教材を扱う中で、言葉とともに育ってきている気がした。

教育仮設23-4 緩衝行動が支えとなる

L君は、恐竜が好きなので、ステゴサウルスのぬいぐるみを、西松屋で買っておいた。

お年玉の意味が分かるかどうかわからないが、L君に「お年玉、プレゼント、どうぞ」と、渡すと、じんわりと柔らかい表情になった。 

急なサプライズだったので、「 ありがとう」や「嬉しい」の言葉は出なかったが、ステゴサウルスを見つめる目が笑っている。

ステゴサウルスを気に入ったらしく、恐竜ごっこ遊びで「あそぼ、やさしくね」と私が言うと、闘いごっこはヒートアップしなかった。

教育仮設23-5 填め板でソーシャルスキルに興味を示す

言葉の発達もあり、初めてのソーシャルスキル填め板を、興味を持って行なってくれた。

お母さんと先生も、身を乗り出して、ソーシャルスキルの填め板を見つめている。

L君が、恐竜を抱っこして、填め板をする。

填め板を左上から順番に1つずつ差し出すときに、スキルを私が読んで渡した。

一通りはめた後、L君は絵をよく見ながら自発的に、「何々は、バツ✖」「何々は、丸〇」と言った。

家庭や保育園で言われているソーシャルスキルが、目の前に填め板として現われて、できごとと言葉が合致したようだ。

ソーシャル場面では、子どもはその渦中にいるので、自分の考えと気持ちでいっぱいであり、外から客観的に自己モニターするということが難しい。

そこで、落ち着いているときに、「ちかづかない」「なげない」「こわさない」「おさない」「たたかない」「じゃましない」「じゅんばん」「かたづける」などを、ソーシャルスキル填め板で入力し、スキルを刷り込む。

するとL君のように、手から、目から、言葉で、取るべき行動が形成できる。

私がL君の保育園での1日の流れを、説明すると、一つ一つL君の目が絵を追って、最後まで興味を持って説明を聞いてくれた。

これが、紙の絵カードやかるただと感覚運動の満たされ方が少なく、L君が関心を持って聞いてくれたかどうか分からない。

3歳9ヶ月という L 君の年齢を考えると、ソーシャルスキルの填め板になっていて、感覚運動を満たせるということが、重要だったと思う。

大人が教材を準備する時は、プリントやカードが楽だが、子どもにとっては、しっかりとした木の製品、感覚運動のフィードバックのある填め板であることが、注意集中・興味関心を持たせる。

さらに「ステちゃんが応援しているから、頑張ってね」と、形の教材や、数系列の教材も、勧めた。

教育仮設23-6 手の感覚を満たすことが落ち着く

帰る時、L君に「ステゴサウルスを袋に入れて持って行く?」と白いポリ袋を見せて聞いたら、「入れない」と言って、ステゴサウルスを抱きしめた。

そうだ、じかに手で持っていたい年齢だ。

次回は、水着を入れるような透明のバッグか、透明なポリ袋を用意してみよう。

じかに持っていていいのだが、透明ならば、袋に入れて持つかもしれない。 

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