猫の暮らしの歴史
Wikipediaによれば、世界最古の猫は紀元前8000年頃埋葬され、キプロス島でその骨が発見されている。
古代エジプトでは、猫がライオンの代わりに崇拝され、神格化されていた。
18世紀頃のヨーロッパでは、猫は魔女の手先と思われたり、高い塔から投げ捨てられたりした、悲惨な歴史もあった。
日本では、稲作が始まった弥生時代から、ネズミ駆除の役割で猫はいたという。
猫についての初期の書物は、800年代に猫好きの天皇が黒猫について書いている。
日本猫は、江戸時代までは庶民の間ではネズミを捕まえる益獣だった。
江戸時代になって、身分の高い家では愛玩動物として可愛がられた。
昭和30年代ぐらいまでは、家猫といっても家と外を自由に行き来するのが一般的な猫の暮らしだった。
餌は、人間の残りご飯だった。
ジャパニーズボブテイルというしっぽの短い猫は有名だが、関東から九州に向かって西へ行くほど尻尾が短くなり、くの字に曲がっている猫が見られるそうだ。
平成になって、急速に家猫が家族として大切にされるようになった。
キャットフードが開発され、完全室内飼いが知られ、家猫の寿命も延びた。
現代は、ペットが貢献する文化と産業が、我々に欠かせないものとなっている。
猫と高齢者 猫は介護生活の癒し
ヤエさんは1920年大正時代の生まれで、一番古い記憶は関東大震災で地面が揺れたことをを覚えていたという。
98歳で亡くなった。
子どもの頃からの猫好きで、10代まではいつもそばに猫がいて、猫を可愛がっていた。
20代は猫と離れた生活をしていたが、30代でまた猫を飼った。
しかし昭和30年代に車社会が到来し、車の往来の激しい道路で猫を亡くしたことをきっかけに、悲しみから猫を飼わなくなった。
80歳代で再び猫と暮らすようになり、ヤエさんの猫を撫でる手つきや柔らかい笑顔に、生来の猫好きの優しい瞳が見えた。
猫は、生活に潤いを与えてくれる。
生活に関する短期記憶が頼りなくなっていくヤエさんにとって、猫と過ごすひとときは子ども時代に還る穏やかで優しい時間だった。
なぜか猫も、高齢のヤエさんを好きで、そばへ寄って行った。
80代で認知症を発症したヤエさんにとって、猫はヤエさんの心の生活の質を支えてくれた。
もっと早く、ヤエさんが60歳代くらいから猫を飼っていたら、一人の時間の話し相手によかったと思う。
猫の譲渡会
生命の尊さから、野良猫を保護する仕組みも盛んになった。
zoomなどネットを利用したリモートお見合いでも、猫の譲渡が決定した事例があると、NHKテレビ「所さん大変ですよ」で紹介していた。
普段通りの猫の様子が見られるので、譲渡会での狭いケージよりも猫の可愛さが映像でわかりやすい利点があるそうだ 。
譲渡会が復活しても、リモートお見合いも継続されるらしい。
猫の保護主さんたちは、猫が譲渡先のお宅で愛されるように、それはそれは猫を大事にして愛情を注いでくれている。
猫を引き取れば、猫の世話で子どもが成長したり、猫によって家族のストレスが癒されたり、猫を撫でて高齢者が元気になったりする。
皆さんも猫を飼うなら、ネットで「保護猫」と検索し、リモートでお見合いしたり、譲渡会へ足を運んだりしてみませんか?
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